43お弁当屋を始める事に
それからアリシアは最初レストランがいいと思っていた。でも、レストランだとずっと店を離れられない。治癒の仕事のことも入ることもあるし需要を考えると弁当屋の方がいいと思う様になった。
色々考えてギルドの近くで弁当屋を開く事にした。
オディアスは一度グリアダ王国に帰って今の竜王であるカストリ王と会いアクルート国との国交を再会の話をした。最初はオディアスに酷い仕打ちをした事を怒りせめて滅ぼすとまで言われたがオディアスは最愛と出会った事を伝えて二つの国が友好関係を築いて行きたいと話をした。
そして何とか国交が始まった。それに伴ってグリアダ王国との国境でありオディアスも住んでいるとあって北辺境にはグリアダ王国の商人が行き来するようになって行った。
まずはお弁当のメニュー作りで必須のおにぎりを作る事になった。
材料の米は仕入れる準備ができた。おにぎりを知らない人への説明がまた大変だった。
「そんな期待されると‥簡単なおにぎりなんですが」
「おにぎり?なんだそりゃ?」
「おにぎりはお米の中にほんの少しおかずを入れて丸めたものなんですが」
「米を丸める?」
今度はエドガーさんが驚いた声を上げた。
「米を使うって聞いた時は驚いたんだ」
父はおにぎりの事は知っていた。でも、まだみんな半信半疑のようだ。
アリシアに取ったら定番中の定番のおにぎりだったが、ここは異世界だった。
まずは米を炊く事から躓いた。
この世界のコンロはすごく便利で火加減も細かく調節出来るし鍋も頑丈で米を炊く事が出来たがアリシア自身が炊飯器以外で米を炊いた事がなかった。
何度か失敗を繰り返してやっと釜でご飯を炊けるようになった。その次は具材だ。
マヨネーズと鱈のほぐし身。ピクルスとハム。唐揚げに肉をタレで焼いたものを準備しておにぎりを作った。
そして塩で握っただけのシンプルなおにぎりも準備した。
但し海苔がないので悩んでいたらクレアさんが大きな葉っぱを出してくれた。
昔は紙の代わりに桑の葉で包んでいたらしい。今でも桑の葉は蚕の餌になるのでたくさんあるらしい。
父は忙しくしていて途中からアリシアのそばを離れたのでおにぎりを作る所は見ていなかった。
「何これ?ただの葉っぱの塊じゃない?」
ルナが期待して損したみたいな顔をした。
「ルナ、これはこうして葉っぱを広げて中のおにぎりを食べるんです」
アリシアが葉で包んだおにぎりを広げて食べて見せる。
「へぇ、こりゃすごい。どれどれ俺も一つ」
おじいちゃん(グエン)がそう言って籠の中のおにぎりを一つ取って葉を広げて口に入れた。
彼が取ったの具の中身は唐揚げだった。
「なんだこりゃ、米がこんなに美味かったか?おい、皆んな食ってみろ!」
グエンが上手いうまいと連呼するのでみんな恐る恐るおにぎりを口に運ぶ。
ルナとエドガーさんは魚とマヨネーズを和えたもの。ノートンさんは肉、オリルさんは唐揚げ。コルノさんは塩むすび。
「味はどうです?」
アリシアはみんなの様子を伺う。
「こりゃうまい。米がこんなにうまいとは知らなかった」
父がことさら褒める。
「ああ、米は病気の時に食べるくらいだったからな、こんな食べ方があったなんて知らなかった。いや、ほんとうまい」おじいちゃん(グエン)が。
北辺境では米はあまり食べられていなかった。
「これって手も汚れないし持ち運びにも便利じゃない。往来する人達の昼ご飯としても良いかも」
樹海の魔物がいなくなって冒険者は減ったが、グリアダ王国に行く人やグリアダ王国から来る商人などが増えた。
「アリシア、君はどうしてこんなに私を喜ばせるんだ?こんなうまいものを作るなんて天才だ!」
オディアスは私の脇に手を差し入れるとぐっと抱き上げてぐるぐる回った。
「オディアス、みんなが見てる。もう、下ろして!」
「だって、みんなもすごいって思うだろ?うちの最愛はすごい、あ、アリシア君は最高だ!」
オディアスの溺愛は有名で誰も逆らう者はいない。
「ああ、アリシアは最高だ」
「また、おじいちゃんまで!」
色々試行錯誤を繰り返しておにぎり弁当と日替わり弁当が完成した。
おにぎりはその日によって具材を変えて卵焼きとピクルスを一切れずつ添える。日替わりは唐揚げ弁当にハーブ焼き肉弁当や他にもサケに似た魚があって魚フライ弁当、あっ、それにこむすび弁当やオムライス弁当なんてお子様用の弁当も予約販売で販売する事にした。
とにかくメインは米を主食とした。
アリシアは治癒師としても働いていて、街の治療院にも顔を出した。
そして樹海の再生にも協力した。
アリシアの竜力はオディアスの繋がりを持った事で飛躍的に伸びた。そのお陰で再生力が半端ない程上がり樹海の緑はあちこちで息を吹き替えし始めた。オディアスは樹海の中に安全な街道整備しようと張り切り毎日汗を流している。
お昼はもちろんアリシアの作った愛妻弁当を持っていく。




