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偽聖女と言われて婚約破棄されてうっかり竜王の封印を解いたら子竜になった竜王に懐かれました  作者: はるくうきなこ


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20アリシア助けられる


 『うん?ここはどこだ?』

 何百年ぶりだろう。こんなに気持ちよく眠ったのは。

 オディアスは目を覚ますと辺りを見回した。

 やっと、自分の封印が解けてアリシアと言う聖女の家にやって来た事を思い出す。

 『アリシア?おい、どこだ?』

 脳内でアリシアを呼ぶが答えが返って来ない。

 『あいつ、まさか逃げたのか?』

 オディアスはがばりと起き上がると周りを検索する。人の気配はあるもののアリシアではない。

 『チッ!あいつ逃げやがった。クソ、私の力を舐めてるのか』

 オディアスは起き上がると竜力を自らの身体に注ぎ込んだ。

 幼児だった身体があっという間に成人の男になった。

 アリシアの持っていた宝珠は再生の力。植物が大きく育つのと同じ原理でオディアスの身体は一気に成長遂げた。

 これによって竜化する事も可能になった。

 アリシアから宝珠の力を奪ってすぐには身体がうまく順応出来なかったが、少し時間をおき、エネルギーを体内に入れたことで、竜力が円滑に使えるようになった。

 オディアスはアリシアの持っている魔力の感知する事も出来るし、アリシアに持たせた宝珠で場所を特定出来る能力もあった。

 それに従属の契約を結んでいるこちらが命令をすればここに帰らせる事も出来る。

 でも、オディアスはアリシアを無理やり従わせる気はなかった。

 『アリシア、逃げれると思うなよ!』

 オディアスはすぐにアリシアの居所を突き止めた。

 竜力で念じれば一瞬でその場所に移動も出来る。


 ボン!


 オディアスは転移でアリシアのいる場所に移動した。

 『おい、アリシア、私から逃げようたってそうは行かないぞ!』

 「あなたどなた?」

 アリシアはいきなり現れた極上イケメンに目を瞬いた。

 『はっ?私だ。オディアスだ。それよりお前何でこんな所にいる?』

 「オディアス?あの小さな子供が、こ、こんな大きくなって、嘘でしょ!」

 『何だ?言う事はそこか。お前から戻してもらった力で成長したんだ。元の人型の姿だ。もちろん竜化も出来る。何ならこの場で見せてもいいぞ』

 オディアスは自慢げにはっと手を広げた。

 「ちょっと、そんな事されたら建物が崩壊するじゃない。何考えてんのよ!」

 『すまん。って、それよりお前はどうしてこんな所にいる?私から逃げる気なら無駄だぞ』

 「ここが何処か分かります?牢ですよ。悪い事をしたら入れられるって言う」

 『どうして、お前何か良からぬ事でもしたのか?盗み食いとか?』

 「する訳ないです!こんな事になったのも、あなたのせいですよ。北辺境伯は封印が解けた事に気づいて古い文献を調べたらしいんです。何でもこの国のずっと前の国王が5人の聖女と宝珠を5つの決められた場所に埋葬する事で完全な結界が出来ると思っているらしくて、四人の聖女はそれぞれの場所に埋葬されているらしいんです。それで私が最後の聖女で、私を殺して埋葬すればこの国の結界が完全になって竜人が攻めて来ても大丈夫だからって‥もう、どうしてくれるんです。私だってわざと封印を解いた訳じゃないんですよ。あなただって助けたじゃないですか。もう、ホント!酷すぎますよ」

 アリシアは癇癪を起こしたようにオディアスに食ってかかった。

 『おい、私のせいか?私はまだ何も言ってないぞ。それなのにもう国を滅ぼす前提で事を勧めてるのか?なんて奴だ。その北辺境伯って奴、ぶっ飛ばしてやろうか』

 「そんなのどうでもいいです。それより私をここから出して下さいよ」

 『そんな事か。ああ、いいが、アリシア。分かってるだろうが私から逃げられると思うなよ。人間がそんなつもりだと言う事はよく分かった。もう、悠長にしてはいられんな。すぐに宝珠を回収しに行く』

 「いえ、私はここで大人しく待ってますから、あなた一人で宝珠の回収でも何でも行って下さい」

 『ったく!』

 オディアスは牢の扉の鍵を片手で引きちぎるとアリシアを連れ出した。

 「ありがとうございます。おかげで助かりました」

 アリシアはぺこりを頭を下げた。

 だが、オディアスの格好にプッと吹き出した。

 何しろオディアスは幼児に変化した時取り敢えずとアリシアが持っていたシャツとドロワーズを着せたままの姿で‥

 シャツはぱつんぱつんではち切れそうでドロワーズはかろうじて下半身を隠している状態なのだ。

 『そんな訳に行くか。お前がついて来なきゃ飯の世話は誰がする?宿の手配とか色々やる事もある。だろう?』

 「えっ?でも、竜王は転移できるんですよね?だったらパパっと一っ飛びで行って来れるんじゃありませんか。私なんか足手纏いにしかなりませんよ」

 アリシアは勘弁してと断る。

 『アリシア、お前は私の従属者だろう。私の命令には従うのが普通だ。それに旅は道連れって言うぞ。さあ、行くぞ!』

 アリシアはそうだったと思い出す。

 「もしかして一緒にいないと何かまずい事でも起きるんです?」

 『ばか、竜人の従属者だぞ。人間ならすごく光栄な事だろう?そんな事も知らないのか。全く、この国の教育はどうなってるんだ?』

 「そりゃ仕方ありません。この国は500年もの間グリアダ王国とは国交がありませんから」

 『けしからん!竜人はこの世界で一番優秀な存在なんだぞ。私がその気になれば人間などあっという間に滅ぼせるんだ。まあ、アリシアには一応、封印を解いてくれた恩があるから酷い事をするつもりはない』

 「それはどうもありがとうございます。あの、オディアス様とお呼びしても?」

 『ああ、名で呼ぶ事を許可する』

 「とにかく、その姿どうにかしましょう。一度家に帰って誰かの服を拝借してそれから着いていくとなるとお金や着替え、それに食べ物も必要ですよ」

 『そうか、では一度さっきの家に戻る』

 オディアスはアリシアをいきなりぎゅっと抱きしめた。

 「ちょ!」


 ボン!


 あっという間に二人はアリシアの部屋に戻った。











 










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