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偽聖女と言われて婚約破棄されてうっかり竜王の封印を解いたら子竜になった竜王に懐かれました  作者: はるくうきなこ


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18騎士団からの迎え


 アリシアは疲れていたらしくいつの間にか眠っていた。

 「アリシア、お客さんだよ」

 クレアさんはの呼ぶ声で目が覚めた。

 「はーい」

 ソファに座ったまま眠っていたらしく膝の上にはオディアス(子供の姿)がちゃっかり顔を預けて眠っていた。

 「ちょっと、オディアス。起きて」

 アリシアはオディアスの肩を掴んで起こす。

 『アリシア、分かってるのか‥むにゃむにゃ‥』

 オディアスは口から涎を垂らしながら文句を言っている。

 「全く!」

 でも、寝顔を見るともう何も言えなくなった。

 アリシアは仕方なくオディアスをベッドに寝かせると急いで下に降りた。


 玄関にはドクさんとレオン副隊長がいた。

 「アリシア、具合が悪いと聞いた。いや、さっきはほんとに助かった。それでどうなんだ?」

 レオン副隊長が心配そうな顔でアリシアを見た。

 「いえ、少し疲れただけで、もう、大丈夫です」

 「そうか。では、今から騎士団に来てくれるか?」

 「騎士団にですか?」

 「ああ、ノースライル様がアリシアの活躍を聞いて是非これからも騎士団の手伝いに入って貰いたいと仰っていてな。どうだ?それなりの報酬は支払う。それに無理はさせないと約束しよう」

 「それはすごく嬉しいお誘いです。是非協力したいと思います」

 アリシアは思った。オディアスから離れていれば、これ以上面倒な事に巻き込まれないかもしれない。

 いっそのこと、騎士団に入って住まいも変えたらどうだろう。

 そんな良からぬ考えが脳裏を巡った。


 「では、今からでも一度騎士団に顔を出してくれるか」

 「はい、もちろんです」

 「グエンには隊長から話を通しておく。アリシアの協力に感謝する」

 「あの、この格好でもいいですか?騎士団の服は洗濯してお返ししますので」

 アリシアは部屋に戻ってオディアスに気づかれるとまずいと思い、このまま行く事にした。

 レオン副隊長とドクさんと一緒に騎士団に向かった。


 *〜*〜*



 その頃騎士団の執務室ではノースライル北辺境伯が古い資料に目を通していた。

 魔物を討伐して帰ってくると、樹海の入り口の様子がおかしかった。

 レオンは既に騎士団に帰っていてその事に気づいていない様だったが、ノースライルは感じる魔力に異変を感じた。

 一緒に同行した騎士も異変に気づいた。

 「では隊長、あそこ何だか開けてませんか?出掛ける前は木が生い茂っていたはずですが」

 いつもは鬱蒼とした木が生い茂っている場所が誰かが通ったような狭い道があった。

 竜毒の気配はなさそうだ。

 「一緒に来い!」

 ノースライルは様子を見る為馬から降りてその道を進んだ。

 そこで見たのは小さな神殿だった。

 これはもしかして樹海に飲み込まれたと言われている竜神殿ではないのか。

 ノースライルもこの目で竜神殿を見たことはなかった。

 恐る恐る竜神殿に入るとそこには真新しい足跡があった。そして台座にあったと思われる水晶球が床に割れてかけらが散乱していた。

 「まさか。これは封印してあった竜王の‥」

 流石のノースライルもあまりの事でその先の言葉が出て来ない。

 「隊長、これは大変な事では、もし、竜王の封印が解ければ何が起こるか分かりません!」

 一緒に来た騎士も声を震わせている。

 「ああ、とにかく帰って古い資料を調べて見る。この国の結界が壊れるかも知れん、いや、もしかして竜人が攻め込んで来るやもしれん急いで屋敷に戻る」

 ノースライルは屋敷に帰るとすぐに自宅の蔵書室に行き古い資文献を読み漁った。

 初代のノースライル辺境伯が残した資料によると、竜王を封印した事でアクルート国には竜毒と魔物と言う厄介な厄災が起きた。

 当然一番被害を被ったのはここ北辺境領だった。

 それから100年ほど過ぎると聖女が現れた。アクルート国王は新たな厄災に対抗する為に古から伝わる5つの宝珠に目をつけたと文献に古い記載があった。

 その古のいわれによると5つの宝珠はこの世界の力の源で、その宝珠を聖女に持たせると大きな力を発揮する。そして更に聖女亡き後もそのある地点に聖女を葬れば取り囲まれた地域は強固な結界で守られると言うものだった。

 それぞれの国には大体100年おきに現れる聖女がいると言われていた。だから最初に現れた聖女に竜王から奪った宝珠が授けられた。宝珠には色々な力があるらしく。その時々の聖女の力は水の力だったり地脈の力だったらしい。

 そして聖女が亡くなるとその身体はこの国の5カ所のうちの決まった場所に葬られて行ったと書いてある。

 400年前の国王は封印が解ける事を予知でもしていたのかこんな先の未来に起こり得る事を知っていたとも思えないが、偶然にも封印が解けてしまい、さらに竜王を封印して500年。今回現れた聖女が亡くなった時に最後のノースライル北辺境領に5人目の聖女を埋葬する事でペンタグラムと言う星形が完成しアクルート国には完全な結界が完成する。

 ノースライルは頭を抱えた。

 竜王の封印が解けた今何が起きるかわからない。ひょっとしたら何も起きない可能性もあるが、何か起きる可能性の方が大きいと考えるのが妥当だろう。

 だとすれば‥

 アリシアが最後の聖女と言うことか?だったら、だったらどうすればいい?

 ノースライルはこの領地を救う為ならどんな事でもする覚悟だった。

 そして竜王の封印が解けてしまった今、最後にたどり着いた答えは、アリシアを殺してでもこの地に埋葬してアクルート国の結界を完成させる事こそが今やるべき事だと言う考えに至った。

 アリシアの命を奪う事は、確かに非道なことだとは思うが、この地に暮らすすべての領民を守るためなら、たった1人の命と引き換えには出来ない。

 ノースライルは苦渋の選択をしたのだった。

 そしてレオンとドクにアリシアの迎えを頼んだ。












 

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