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異世界送魂師ヒルメ 〜葬儀社勤務だった私の送魂は、誰にも救えなかった魂を救っていく〜  作者: ケンボー


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57/66

記憶の強者たち

◇ ◇ ◇



世界樹の最深部。



『――始めよ。』



ドン!!



三人が。



同時に。



動いた。



「来い!」



アリアナも。



剣を。



構える。



最初に。



真正面から。



飛び込んできたのは。



フレイヤ。



巨大な。



戦斧。



《イグニート・アクス》。



その刃へ。



炎が。



纏わりつく。



《フレイム・エンチャント》。



ゴォォォォッ!!



「いきなり。」


「お前からか!」



振り下ろされる。



巨大な。



炎の戦斧。



アリアナが。



横へ。



飛ぶ。



ドォォォォン!!



床が。



砕けた。



熱風。



頬を。



焼く。



「相変わらず。」



「馬鹿みたいな。」


「威力だな!」



着地。



そのまま。



フレイヤの。



懐へ。



走る。



振り下ろした直後。



今なら。



「もらった!」



剣を。



振る。



だが。



ガキィィン!!



「――っ!」



横から。



一本の剣。



エリス。



「やはり。」


「来るか!」



剣と。



剣。



ぶつかる。



「くっ……!」



重い。



純粋な。



剣技。



一瞬で。



分かる。



強い。



「だが!」



アリアナが。



剣を。



滑らせる。



力を。



受け流す。



そのまま。



身体を。



回転。



エリスの。



横を。



抜ける。



「――!」



その瞬間。



魔力。



後方。



アテナ。



杖。



魔法陣。



「まずい!」



魔法が。



放たれる。



ドォン!!



アリアナが。



横へ。



跳ぶ。



直撃は。



避ける。



だが。



爆風。



身体が。



僅かに。



浮く。



「しまっ――」



そこへ。



フレイヤ。



炎の戦斧。



横薙ぎ。



「《シルフィード》!」



翠色の風。



剣へ。



纏わせる。



ガァァァン!!



「ぐっ……!」



剣を。



持つ腕が。



痺れる。



まともに。



受けるものではない。



「このっ!」



風を。



爆発させる。



ブワァァァッ!!



強引に。



距離を。



開く。



着地。



「……。」



アリアナが。



三人を見る。



前。



エリス。



フレイヤ。



後方。



アテナ。



三人とも。



何も。



喋らない。



表情すら。



ほとんど。



変わらない。



ただ。



アリアナを。



倒すために。



動いている。



「……なるほど。」



アリアナが。



剣を。



握り直す。



「姿だけではなく。」



「戦い方まで。」


「私の記憶から。」


「再現しているのか。」



エリス。



前衛。



剣技で。



相手を。



封じる。



フレイヤ。



同じく。



前衛。



圧倒的な。



破壊力。



そして。



アテナ。



魔術師。



決して。



前へは。



出ない。



後方から。



戦況を。



見ながら。



魔法で。



逃げ道を。



潰す。



「……。」



アリアナが。



苦笑する。



「本当に。」


「嫌な三人を。」


「選んでくれたな。」



◇ ◇ ◇



エリスが。



地面を。



蹴る。



速い。



「来た!」



ガキン!



ガキィン!!



連続する。



剣撃。



アリアナが。



受ける。



流す。



避ける。



反撃。



だが。



エリスも。



防ぐ。



ガキィン!!



剣を。



押し合う。



「っ……!」



その時。



後方。



魔力。



「またか!」



アテナ。



魔法陣。



アリアナが。



エリスから。



離れる。



ドォン!!



先ほどまで。



立っていた場所へ。



魔法。



そして。



逃げた先。



「――!」



フレイヤ。



炎。



戦斧。



「くっ!」



振り下ろされる。



ドォォン!!



さらに。



避ける。



だが。



今度は。



エリス。



「っ!」



剣。



剣。



剣。



「休ませる気は。」


「ないらしいな!」



受ける。



避ける。



後退。



また。



アテナ。



魔法。



「……!」



横へ。



逃げる。



そこへ。



フレイヤ。



「くそっ!」



戦斧。



紙一重。



熱。



髪が。



僅かに。



焦げる。



アリアナが。



大きく。



後方へ。



跳んだ。



「はぁ……。」



「はぁ……。」



三人は。



追ってこない。



距離を。



保ちながら。



こちらを。



見ている。



「……強い。」



エリス。



アテナ。



フレイヤ。



実際に。



出会った時から。



分かっていた。



三人とも。



間違いなく。



強者。



それが。



連携している。



「一人ずつでも。」


「面倒なのに。」



アリアナが。



額の汗を。



拭う。



「三人まとめてとは。」



上。



世界樹を。



見上げる。



「性格が。」


「悪いな。」



返事は。



ない。



「……ふっ。」



アリアナが。



笑う。



「そうか。」



「お前も。」


「喋る気はないか。」



視線を。



三人へ。



戻す。



「なら。」



「こちらも。」


「考えさせてもらう。」



◇ ◇ ◇



三人。



同時に。



相手をしては。



勝てない。



なら。



崩す。



連携を。



「……。」



アリアナが。



周囲を。



見る。



巨大な。



世界樹の根。



柱のように。



伸びる。



幾つもの。



太い根。



「使えるものは。」


「使わせてもらうぞ。」



走る。



三人へ。



ではない。



横。



巨大な根。



その陰へ。



「……。」



エリス。



フレイヤ。



追う。



アテナは。



動かない。



後方。



魔法陣。



「そうだ。」



「お前は。」


「そこにいろ。」



魔法。



放たれる。



アリアナが。



根の裏へ。



回る。



ドォォン!!



根へ。



魔法が。



直撃。



「今!」



反対側から。



飛び出す。



エリス。



既に。



そこにいる。



「読まれたか!」



ガキィン!!



剣。



激突。



そこへ。



フレイヤ。



戦斧。



「っ!」



アリアナが。



身体を。



沈める。



ブォン!!



頭上を。



戦斧が。



通過。



そのまま。



地面へ。



手。



「風よ!」



ブワッ!!



低い姿勢。



一気に。



二人の間を。



抜ける。



目の前。



アテナ。



「まず。」



「お前からだ!」



アリアナが。



一直線に。



走る。



アテナ。



杖。



魔法陣。



一発。



「っ!」



横へ。



避ける。



二発。



「まだ!」



逆。



三発。



「……!」



足元。



爆発。



アリアナが。



跳ぶ。



「上手いな……!」



直接。



当てようとしている。



だけではない。



右。



左。



前。



アリアナが。



進める場所を。



削っている。



「誘導しているのか!」



気付く。



だが。



背後。



エリス。



「――っ!」



振り返る。



ガキィン!!



間に合う。



しかし。



横。



フレイヤ。



「しまっ――」



ドン!!



戦斧の。



柄。



腹へ。



直撃。



「がっ!」



アリアナの。



身体が。



吹き飛ぶ。



床を。



転がる。



一回。



二回。



三回。



剣を。



床へ。



突き刺す。



「ぐっ……!」



止まる。



「はぁ……。」



「はぁ……。」



腹を。



押さえる。



痛い。



「……なるほど。」



アリアナが。



ゆっくり。



立つ。



視線。



後方。



アテナ。



「やはり。」



「最初に。」


「落とすなら。」



「お前だな。」



◇ ◇ ◇



再び。



走る。



今度は。



壁際。



アテナが。



魔法を。



放つ。



ドン!!



避ける。



二発目。



ドォン!!



さらに。



避ける。



「……。」



アリアナが。



壁を見る。



そして。



跳ぶ。



壁へ。



足。



「はっ!」



蹴る。



さらに。



風。



ブワァッ!!



身体が。



上へ。



「何も。」



「地面だけを。」


「走る必要はない!」



巨大な根。



高い位置へ。



着地。



アテナの。



杖が。



上を。



向く。



「遅い!」



根を。



蹴る。



風。



爆発。



アリアナが。



上空から。



一直線。



アテナへ。



落ちる。



魔法陣。



展開。



「撃たせるか!」



剣。



振る。



ズバァン!!



「――!」



アテナの。



身体が。



吹き飛ぶ。



着地。



「まだだ!」



追う。



だが。



エリス。



ガキィン!!



「っ!」



剣で。



止められる。



「本当に。」


「邪魔をするな!」



ガキン!



ガキン!



剣を。



交える。



その横。



フレイヤ。



炎の。



戦斧。



アリアナが。



後方へ。



飛ぶ。



戦斧が。



振り下ろされる。



その先。



「……!」



アテナ。



フレイヤの。



戦斧が。



寸前で。



止まった。



「……。」



アリアナの。



目が。



細くなる。



「そうか。」



「そこまで。」


「再現しているのか。」



仲間を。



巻き込まない。



判断。



戦い方。



癖。



アリアナの。



記憶。



その全て。



「なら。」



「利用させてもらう!」



フレイヤの。



動きが。



止まった。



一瞬。



その横。



駆け抜ける。



狙い。



アテナ。



「風を司る精霊よ。」



翠色の。



風。



剣へ。



集まる。



「我が剣へ集いて。」



アテナが。



杖を。



向ける。



「全てを断つ。」



魔法陣。



「疾風となれ!」



アリアナ。



踏み込む。



「《シルフィード》!!」



ズバァァァン!!



翠色の。



斬撃。



直撃。



アテナの。



身体が。



大きく。



揺れる。



そして。



パァァァ……。



光。



崩れる。



消える。



「……よし。」



アリアナが。



剣を。



構え直す。



「まず。」


「一人。」



◇ ◇ ◇



残る。



エリス。



フレイヤ。



二人が。



動く。



「さっきよりは。」



アリアナの。



身体を。



風が。



包む。



「やりやすい!」



フレイヤ。



戦斧。



振り下ろす。



避ける。



エリス。



剣。



受ける。



ガキィン!!



流す。



回る。



二人の。



間を。



抜ける。



フレイヤが。



振り返る。



「今度は。」


「お前だ!」



風。



強く。



アリアナの。



速度が。



上がる。



右。



斬る。



フレイヤが。



戦斧を。



振る。



もう。



いない。



左。



一撃。



背後。



二撃。



「力では。」


「勝てない。」



さらに。



風。



「なら。」



「速さで。」


「勝つ!」



斬る。



斬る。



斬る。



フレイヤが。



戦斧を。



大きく。



振り回す。



アリアナが。



跳ぶ。



その瞬間。



「――!」



エリス。



空中へ。



剣。



「くっ!」



ガキィン!!



受ける。



身体が。



弾かれる。



だが。



空中。



風。



姿勢を。



変える。



「まだだ!」



着地。



同時。



フレイヤへ。



踏み込む。



「《シルフィード》!!」



ズバァァァン!!



翠色の。



斬撃。



フレイヤの。



身体が。



吹き飛ぶ。



巨大な。



根へ。



激突。



ドォォン!!



「……。」



フレイヤが。



立とうとする。



「させるか!」



アリアナが。



さらに。



踏み込む。



一閃。



パァァァ……。



フレイヤが。



光へ。



変わる。



消える。



「……二人。」



残る。



一人。



◇ ◇ ◇



静寂。



エリス。



アリアナ。



二人。



剣を。



持ち。



向かい合う。



「……。」



エリスは。



何も。



喋らない。



ただ。



静かに。



剣を。



構える。



その姿。



あの時。



出会った。



本人と。



変わらない。



「……最後は。」


「お前か。」



アリアナも。



剣を。



構える。



「小細工は。」


「もう。」


「必要ないな。」



風。



静かに。



アリアナの。



周囲を。



流れる。



「正面から。」


「やろう。」



ドン!!



同時。



踏み込む。



ガキィィン!!



剣と。



剣。



激突。



「くっ!」



押される。



やはり。



純粋な。



剣技なら。



エリスが。



上。



一撃。



受ける。



二撃。



流す。



三撃。



避ける。



剣先。



頬。



掠める。



血。



「っ!」



だが。



下がらない。



反撃。



一撃。



防がれる。



二撃。



防がれる。



三撃。



ガキィン!!



全て。



止められる。



「……やはり。」


「強いな。」



エリス。



踏み込む。



高速の。



斬撃。



アリアナ。



受ける。



受ける。



受ける。



「くっ……!」



ガァン!!



剣が。



大きく。



弾かれる。



胸元。



エリスの。



剣。



迫る。



「風よ!」



ブワッ!!



身体を。



強引に。



横へ。



ずらす。



剣。



脇腹。



掠める。



「っ……!」



血。



それでも。



止まらない。



距離。



開く。



「……。」



アリアナが。



剣を。



両手で。



握る。



「私は。」


「剣士だ。」



翠色の。



風。



「剣だけなら。」


「お前の方が。」


「上かもしれない。」



風。



さらに。



強く。



「だが。」



アリアナの。



髪が。



舞う。



「私は。」


「剣だけで。」


「戦ってきたわけじゃない。」



エリスが。



踏み込む。



アリアナも。



踏み込む。



「風を司る精霊よ。」



剣へ。



風。



「我が剣へ集いて。」



エリス。



剣。



振り上げる。



「全てを断つ。」



アリアナ。



さらに。



魔力。



「疾風となれ――!」



二人。



同時。



剣を。



振る。



「《シルフィード》!!」



ドォォォォォン!!!



激突。



翠色の。



風が。



最深部を。



駆け巡る。



「ぐっ……!」



押される。



エリスの。



剣。



強い。



「まだ……!」



アリアナが。



魔力を。



注ぎ込む。



迷宮。



何度も。



挑んだ。



敗れた。



戻った。



また。



挑んだ。



魔物を。



倒した。



強くなった。



それでも。



足りない。



もっと。



強く。



ヒルメ。



シロ。



フェネクス。



もう一度。



あいつらと。



肩を並べる。



そのために。



「私は……!」



風。



さらに。



強く。



「まだ。」


「強くなる!!」



バキィン!!



エリスの。



剣が。



弾かれる。



「はぁぁぁぁぁっ!!」



一閃。



ズバァァァン!!



翠色の。



風が。



エリスを。



通り抜ける。



「……。」



エリスの。



身体。



静止。



そして。



パァァァ……。



光へ。



変わる。



消えた。



「……。」



アリアナが。



膝を。



つく。



「はぁ……。」



「はぁ……。」



剣を。



床へ。



突き。



身体を。



支える。



「……勝った。」



顔を。



上げる。



誰も。



いない。



「……。」



アリアナが。



小さく。



笑う。



「本人たちに。」


「会った時には。」



「少しくらい。」


「自慢しても。」


「いいだろう。」



その時。



『――第一の試練。』



「……。」



『突破を認める。』



アリアナの。



笑顔が。



止まる。



「……今。」



顔を。



上げる。



「第一と。」


「言ったか?」



『然り。』



「……。」



アリアナが。



目を。



閉じる。



「まだ。」


「あるのか?」



『然り。』



「……少しくらい。」


「休ませてくれないか?」



返事は。



ない。



「……おい。」



沈黙。



「本当に。」


「性格が悪いな。」



その瞬間。



淡い。



緑色の光。



アリアナの。



身体を。



包む。



「……?」



頬。



脇腹。



腹。



傷が。



消える。



疲労。



抜ける。



魔力。



満ちていく。



「……。」



アリアナが。



自分の手を。



見る。



「回復は。」


「してくれるのか。」



『次なる試練。』



「……聞いていないな。」



『汝の記憶に。』



『最も深く。』



『刻まれし者たち。』



「……。」



アリアナの。



表情が。



変わる。



『共に歩み。』



『共に戦い。』



『汝が。』



『仲間と認めし者。』



「……待て。」



嫌な。



予感。



『汝の記憶より。』



『我が。』



『呼び出そう。』



光。



一つ。



小さな。



白い影。



四本の。



足。



ふさふさの。



尻尾。



「……。」



アリアナが。



固まる。



光が。



消える。



白い。



小さな。



獣。



「……シロ。」



当然。



返事は。



ない。



シロの姿をした。



複製。



ただ。



アリアナを。



見ている。



二つ目。



光。



少女。



長い耳。



見覚えのある。



姿。



「……フェネクス。」



こちらも。



無言。



杖を。



構える。



魔力が。



静かに。



高まっていく。



そして。



三つ目。



光。



「……。」



アリアナが。



額へ。



手を。



当てた。



杖。



ローブ。



小柄な。



身体。



光が。



消える。



「……嘘だろ。」



ヒルメ。



いつもの。



笑顔は。



ない。



言葉も。



ない。



ただ。



静かに。



杖を。



アリアナへ。



向ける。



「……。」



三人。



全員。



無言。



そこに。



本人たちの。



意思はない。



アリアナの。



記憶から。



世界樹が。



再現した。



戦うためだけの。



存在。



『第二の試練。』



『汝が。』



『仲間と認めし者たちを。』



『越えてみせよ。』



「……。」



アリアナが。



三人を。



見渡す。



シロ。



フェネクス。



ヒルメ。



「よりによって。」



剣を。



握り直す。



「こいつらか……。」



シロが。



姿勢を。



低くする。



フェネクスの。



周囲へ。



魔力。



ヒルメの。



杖先にも。



光。



「……。」



アリアナの。



頬を。



冷や汗が。



伝う。



知っている。



三人とも。



よく。



知っている。



だからこそ。



分かる。



「改めて。」


「敵に回すと……。」



アリアナが。



苦笑する。



「本当に。」


「最悪の組み合わせだな。」



翠色の。



風。



身体を。



包む。



「だが。」



剣を。



構える。



「私だって。」



「お前たちと。」


「旅をしていた頃の。」


「私ではない。」



『――始めよ。』



ドン!!



シロが。



地面を。



蹴る。



「――っ!」



消えた。



次の瞬間。



真横。



鋭い。



爪。



「速っ――!」



ガキィィン!!



剣。



爪。



激突。



「くっ!」



受けた。



その瞬間。



フェネクス。



魔法陣。



さらに。



後方。



ヒルメ。



杖。



魔力。



「……。」



アリアナの。



顔が。



引きつる。



「休む暇すら。」


「なさそうだな……!」



第二の試練。



アリアナが。



最もよく知る。



仲間たちとの。



戦いが。



始まった。



◇ ◇ ◇

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