死の罰ゲーム
四十九、死の罰ゲーム
各チームのメンバーと審判が丸いテーブルを囲んで椅子に座っていた。
ユーエンは六本ある太い指で器用にカードを切り、六人の参加者に一枚ずつ裏にして配っていく。
彼の左隣りに座っているマニから順に裏向きにカードを出していくことになった。
「1」
「2」
「3」
時計周りに番号を言いながら手札を出していく。
再び順番が回って来た時にさっそく手札に順番のカードが無い。
仕方なく7と言いながらカードを出す。
「ダウト」
すぐにタンに見抜かれてしまった。
さっき出したカードが審判によりめくられる。
スペードの4だったので、今まで置かれたカードがマニの手札に加えられる。
ココアも苦戦し、手札を増やしていた。
タンがカードを出した。
「12」
彼の手札はあと2枚だ。
「ダウト」
一か八かで言ってみるもののめくって見るとクラブの12だった。
また手札が増えてしまった。
なすすべも無くあっという間にゲームは進行し、ついにタンの手札は無くなった。
「上がり」
今までずっと無表情だったタンの口元がゆるむ。
「はーい!従業員チームの勝利―!」
ユーエンは一人で腕を頭の上にあげ、細いしっぽを揺らしながら拍手をしている。
「では罰ゲームです!!」
指を鳴らす音がすると、赤い模様の魔法陣が足元の現れ、一気にマニの周りが光と熱の柱に包まれた。
近くにいたココアが熱風に吹き飛ばされ、レオが支えた。
「お兄様」
「熱っ」
パチパチと火のはぜる音が消えるとそこには無傷のマニがいた。
「どういうことだ。敗者が死んでおらぬではないか!」
「ご主人様、奴が本当に噂の火竜が実証実験してみました」
「そうか。では次はちゃんと仕留められる方法で処刑したまえ。できるだけ遺体の損傷は少ないようにな」
マニの周りにココアとレオが心配そうに近づいて来た。
ユーエンの言う通り、火竜であるマニは火柱に包まれてもその持ち物である服すら燃えることはなかった。
しかし、一瞬で強力な火の魔法を使用した審判の実力に恐怖を感じた。
「では、ご主人様、次の敗者は弓矢で処刑にしましょう」
「よかろう」
宝物殿から大きな弓と矢をフギンとムギンが持ってきて、ユーエンに手渡す。
「メネラウス様、こんな危ないゲームなんてできません」
「そんなことは許されんぞ。敗者のチームから一人ずつ処刑をしていき、どちらかのチームが全滅するまで続けてもらうぞ!」
「そうだそうだー!ご主人様のおっしゃる通りー!」
メネラウスは険しい顔つきで怒鳴った。
「皆様、ごきげんよう」
ハイヒールの音がして中庭にドレスを来た女性が現れた。
「ユーエン。このゲーム私侵入者側として参加してよろしいかしら」
「ヘレン!来ていたのか」
「オッケーです。ヘレン様。よってチームのメンバーの数を同数にするため、いまこの場にいるご主人様を従業員チームのメンバーにします」
「宝物殿の他の従業員はおらんのか?」
「皆さん、今頃虚偽の警報で出払っていますわ」
ユーエンは悔しそうに地団駄を踏んだ。
「もう、このような残酷なことはおやめください。館長のお父様ならゲームを中止することはできるはずです」
「いーや。私は絶対に竜の標本を手に入れるのだ」
「娘が死んでもかまわないと?」
「お前の代わりならおる」
彼の方に向けてタンが跪いていた。
ヘレンと似た赤みがかった茶色の髪色なのが、暗い中でもなんとなく見えた。
「それならば仕方ありません」
彼女はマニの方へ歩み寄った。
「ヘレン様、どうしてぼ、私を助けてくれようとするんですか?」
「それは……」
彼女は一瞬目をそらした後、マニの瞳を見つめて言った。
「貴方が好きだからです」
「……はい?」
背後でお兄様あんなにはっきり言わせるなんてとつぶやく声がしたような気がした。




