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竜のマニ  作者: ぼんにゃん
3章
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宝物殿へ潜入せよ

四十八、宝物殿へ潜入せよ




旅を続け、三人は高原を越えて、ついにカニンヘン領にたどり着いた。

北の方では魔力が少ないのが影響しているのか、または気候が違うのか見たことのない植物が自生していた。

丘の上から見渡すと領地の中心部に大きな建物が見え、その周りに地面むき出しの空き地があり、さらにその周りに町や農村が広がっていた。

ここからは見えないが、さらに南には海があるという話だった。


「招待状はもらっているけど、正面からの訪問はやめようと思う。ヘレンさんの話では竜の僕を標本にするための罠を宝物殿内にたくさん仕掛けているらしいんだ」

「そうなんすか!それで、本当に宝物殿に竜の角から作った剣があるんですか?」

「それはあるらしいよ」

「ヘレンさんの話は信じられるの?」

「根拠は無いけど、彼女の様子から嘘をついているようには見えなかったな。宝物殿は一度入ったら出られない魔法がかけてあるらしいから、こっそり忍び込んでみようと思う」




夜を待って空から宝物殿の中庭から侵入することにした。

飛べないレオはココアのほうきの後ろに乗せてもらっていた。

なるべく音を立てないように宝物殿の屋根に降り、中庭の様子を伺った。

月明りの下、芝生の生えた庭があり、その中に置いてある背中に翼の生えた白い女性像が目を引いた。

誰もいないようなので三人は中庭に降り立った。


マニは女性像の台座の前に来て見上げる。


「天使ってこういう姿なのかな?」

「何か台座に書いてある……」


ココアが台座に貼ってあるプレートの文字を読んだ。

「ら、む、だ?」

「ココアはすごいなー。僕は魔法文字を読めないんだ」


ガチャリと音がして中庭に通じる宝物殿の扉から異形の生物が現れた。

2mの高さがあり、緑のとがった毛が全身をびっしり覆い、頭部には巻き角が三本ある。

頭部を横に180度回転させながら、化け物は喋った。


「皆様、ようこそカニンヘン宝物殿にいらっしゃいませー!私は管理人のユーエンでーす!」


ハイテンションで自己紹介をするユーエンに驚きながらもマニは剣の爪を出現させ、構えた。ココアとレオも臨戦態勢に入った。


「この宝物殿は入ったら最後、死ぬまで出られますぇーん!」

「中庭から入ってもだめかな?」

「だめでーす」

「だめか……」


マニが飛んで逃げようとすると境がぼやけた紫の紋様が現れ行く手を阻んだので、諦めて再び中庭に降りた。


「ここから出るには宝物殿の従業員たちとのゲームに勝たないといけません」


ユーエンの後に続いて三人が扉から出て来た。

一人目は黒い翼の胸元を強調した服を着た小柄の女だった。


「フギンです。よろしくお願いします」


二人目も黒い翼で丈の短いスカートにブーツを合わせた長身の女だった。


「ムギンです。よろしく」


三人目は翼の無いロングジャケットを来た青年だった。


「タンと申します。よろしくお願いします」


「では私が審判を務めまーす!そして、今夜の特別審査員はこの宝物殿の館長でもあり、私の主人でもあるメネラウス・カニンヘン様です!」


コツコツと宝石の着いた杖を突きながら、最後に燕尾服の男性が現れた。


「カニンヘン辺境伯、ゲームに勝てば竜の角から作られた剣をください」

「いいでしょう。はるばる遠方までお越しいただいたのですから、お土産にお持ち帰りください。ただし勝ってここから生きて出られたらですからね」


そう言って、メネラウスは髭をさすった。


ユーエンが体を左右に揺らしながら話始めた。


「では最初のゲームはダウトです!」


「ダウトって何?」


マニはココアに小さな声で尋ねた。


「わからない」

「ダウトってのは、トランプのゲームですぜ」


レオが説明する。

まずトランプを良く切り、参加者全員に配る。

カードを裏向きにして数の順番に出していく。

この時に持ってない番号も嘘をついて出せるが、見破られてダウトと言われると山札が手札に加わってしまう。

お手付きの場合はダウトと言った人の手札が増えてしまう。

早く手札を0にした者が勝ちだ。


「難しそうだな……」

「魔法の結界で出られない以上、ルールに従うしかない」


いったん宝物殿に戻ったフギンとムギンが白いテーブルを二人で運んできた。

ユーエンが太い指を弾くと中庭の外灯に一斉に明かりがともった。


その様子を柱の陰から見つめる人影があった。


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