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竜のマニ  作者: ぼんにゃん
一章
27/32

決着

二十七、決着




 マニは天井を突き破るたびに視界がブラックアウトし、頭部を痛んだ。

「う~」

空へ飛び出したが、咥えた杖をウルピーはまだ離していなかった。

天井の壁に当たる時にバリアをはり、衝撃を和らげようとしているようだった。

しかし完全には防げなかったようで、頭から血を流している。

足元にココアたちや逃げ出した人たちが見上げている。

城から伸びた黒く細長い文字列が逃げて来た人の足元に到達し、円を描いた。

「動けない」

「助けてー」

マニは生贄の魔法を止めるために水晶をかみ砕こうとしたが、硬くて無理だった。

「無能なお前たちを有効活用してやるのだから、感謝しろい」

このままではたくさんの人が犠牲になってしまう……

首をひねった後、反動をつけて杖を握ったウルピーごと上空に放り投げた。

そして、一気に炎を噴射した。

反動で城の屋根に叩きつけられる。

「ぐっ」

一瞬、水晶が光ったと思ったが、痛みに耐えながら空を見上げると灰が降っているだけだった。




「やったー」

「魔法陣が消えたぞ」

生贄の魔法は発動前に消えたようだった。

城の石壁がはがれだし崩れ始めた。

「司祭様が危ないわ!」

ベリータが中へ駈け込もうとすると、門からシアンがキャスタノプシスに肩を貸しながら出てきた。

「ウルピーが投げた毒にやられた。俺は少し気分悪いくらいだが、こいつがやばい」

「どんな毒だったの?」

「赤い液体だった」

ベリータはポーチから瓶を出し、栓を抜いた。

「解毒薬ですわ」

「……ありがとう」

まだ意識はあるようでキャスタノプシスは解毒薬を飲んだ。

あの毒を液体のまま高濃度でかけられたら即死もおかしくはない。

(様々な修行をされてる司祭様はともかく、あの子は体調が悪いで済むなんて…きっと司祭様が庇われたのね。勇敢な方……)

「ベリータさん、マニを運ぶの手伝ってほしい」

ココアに声をかけられ、ベリータは我に返った。

「そうね、城が崩れたら彼の命が危ないわ。……でも貴女も怪我をしているじゃない」

「おい。妹、すごい血まみれじゃないか」

シアンが血しぶきのついた服を来たココアに驚いていた。

「私はもう大丈夫。に、兄さんを助けたいです。」

「残念だけど、私の杖は折れてしまっていて……」

「ベリータさん、私の杖を使ってください」

キャスタノプシスがふらつきながら、杖を渡してくれた。

「ありがとうございます。司祭様、私頑張ります!」

「このひもも使えよな」

シアンが縛られていたひもを投げてくれた。

「とっさに拾っといて良かったぜ」

二人は杖に腰かけ、城の屋上に向かった。

杖にマニをひもで固定して何とか崩れ落ちる城から救出した。


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