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竜のマニ  作者: ぼんにゃん
一章
26/32

二十六、竜


 なんとか生贄の魔術を止めようと再度、爪の剣をウルピーにぶつけるがバリアで弾かれてしまう。

シアンが剣を振り上げて切りかかるも結果は同じだった。

「やめなさい!こんな強力な魔法を屋内で使えば貴方も危険ですよ」

「お前らの言うことにだまされんぞ。バラバラに吹き飛ばしてやる」

師匠が説得を試みるも頭に血ののぼったウルピーは聞く耳を持たなかった。

ウルピーはバリアで攻撃を弾きながら、ジリジリと広間の端に移動するとカーテンの陰にあったひもを思い切り引いた。

するとシャンデリアが落下してきた。

ガシャンと音を立ててシャンデリアが落下の衝撃で壊れる。

下にいたマニは急いでよけようとしたが、間に合わず、右手と右足が折れてしまったようだ。

痛みがひどく、腫れて動かなかった。

「うっ……」

「マニ君!」

師匠とシアンがマニを庇うように前方に出るが、ウルピーが懐から出し投げた瓶の中の液体をかけられてしまう。

「しまった」

「毒か……」

二人はその場へ倒れこんだ。

「うへへっへざまあみろい!!」

ウルピーは笑っていた。

その間にも魔法陣は広がっていた。

マニは痛みに耐えながらウルピーの方を見ると、杖の先についている水晶が青く発光しているのが目に入った。

(あれを壊せば生贄の魔術を止められるかもしれない)

マニはすべての力を振り絞ってウルピーに向かっていった。

変身に割いていた力も攻撃に回したので本来の姿に戻っていた。

「お前……竜か!?剥製にしたら高く売れそうだな」

(本当に酷い人だな)

勢いをつけて体当たりした後、力に任せてバリアをやぶり、そのまま杖の水晶にかぶりついた。

「こら!離せい!!」

ウルピーは腕を振って激しく抵抗するがマニは構わなかった。

そのまま翼を大きくはためかせ、天井を3回突き破り、上空へと飛び出した。




ココアは治療を済ませ、草原に座って待機していた。

ベリータは隣に座り、フリルのついた日傘の中に一緒に入れてくれている。

急に城の中からたくさんの人たちが走って逃げて来た。

「あの人たちは誰?」

「ウルピーが脅して殺人機械を作らせていた近隣住民よ」

その中で白衣の少年がこっちに向かって走ってくる。

「ベリータ様~!みんな生贄の魔術の標的にされているので~助けてくださ~い」

「できる訳ないでしょ!そんな禁忌の魔法の扱いなんてしらないわよ!」

「そんな~」

その時、大きな音がして城の天井を突き破り、一匹の竜と老人が空へ舞い上がった。

「竜だ」

「まだいたんだ」

逃げて来た人々が一斉に見上げる。

ココアは息をのみながら空を仰ぎ見た。


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