禁忌
二十五、禁忌
ココアの手当を終えたベリータから城の内部についての話を聞くことになった。
身代金誘拐されたシアンは城の2階に閉じ込められているらしい。
怪我がひどいココアをベリータに任せて、マニと師匠はシアンを救出した後に離脱することにした。
「ココアを頼みます」
「はい!!」
師匠が頭を下げるとベリータは力強く何度もうなずいていた。
マニは奪って地面に投げ捨てた扇子をベリータに拾ってあげた。
師匠の頼みなら彼女は聞いてくれるような気がしたからだ。
門を開けて中に入ると広間があった。
天井を見上げると大きなシャンデリアがある。
階段を上って2階に上ろうとすると、爆発音とともにシアンが階段から転がり落ちてきた。
「シアン!」
その姿は傷だらけであった。
2階から背の低い年老いた男が下りてきた。
「このウルピーに逆らうとは許さんぞ」
手には大きな杖を持っており、魔術師のようである。
「強い魔力を感じます。マニ君、気をつけて!」
マニでさえも頭の中に響くような魔力の波動を感じた。
ウルピーの杖から光の玉が多数出現し、マニたちに襲い掛かる。
何とかかわすが攻撃が止まらない。
ちらっと師匠の方を見る。
師匠はバリアをはり、その後ろで何とかシアンが立ち上がり剣を構えていた。
やらないとやられる。
そう悟ったマニは出現させた2本の爪の剣をウルピーの胸元めがけて突き刺した。
しかしその刃は刺さることなく、ウルピーのバリアにはじかれてしまう。
その瞬間、師匠が魔法を発動させる。
魔法陣から生えた蔦がウルピーの右手に巻き付く。
「ぐっ」
傷みでウルピーが顔をしかめる。
「マニ君!」
師匠が叫ぶとマニはもう一度爪の刃を打ち込む。
「炎よ!」
ウルピーが呪文を唱えると杖から火が上がり、蔦を燃やし、爪の剣もバリアではじかれた
蔦に燃え広がった火が師匠に迫る。
火が師匠に届く前に火のついた蔦をシアンが剣で薙ぎ払う。
「よくも手首を痛めてくれたな。お前らもう許さんぞ」
叫んだウルピーはかなり怒っているようである。
彼の足元に複雑な模様の魔法陣が現れた。
その模様の先はどこかへ伸びているようである。
「あれは、禁忌の一つ……数が多い?」
師匠の動揺を感じ取り、マニは嫌な予感がした。
「そこのものかげに隠れている君、早くみなさんを避難させてください!」
師匠の視線の先の階段の裏には一人の白衣の少年が隠れていた。
「ウルピーは貴方たちを魔術の生贄にするつもりです!」
「えっ?はい」
慌てて少年は屋敷の奥へ向かった。
「今から逃げても間に合わん」
ウルピーは笑みを浮かべた。




