回復魔法
二十三、回復魔法
飛んで来た矢をマニはギリギリでかわした。
先ほどの光線で弓使いは一人になったので、いったん上空に逃げることもできるが、それではココアたちが狙われるだろう。
長方形の爪の剣を並べ、盾代わりにしながらレオに飛んで近づいた。
そしてそのまま窓から剣ごと体当たりをした。
レオは弓を捨て、入れ墨の入った腕で腰から下げたナイフで切りつけてきた。
マニは炎を出し、レオがひるんだ隙に爪の剣を天井に飛ばした。
ココアの光線で崩れかけていた天井が落ちてきて、レオは下敷きになり動かなくなった。
「ふう」
息を整えたマニはすぐに窓から飛び立って、ココアたちの所に降りた。
師匠が持ってきた包帯をココアの頭に巻いていた。
その様子を見ていたベリータが口を開いた。
「あの、司祭様……。私、回復魔法が使えます。この子を治療しますわ」
「そうなのですか!あなたは美しいだけではなく、素晴らしい才能の持ち主ですね。ぜひ、お願いします」
「はい!」
ベリータがココアの頭に手をかざすと発光しはじめた。
「……ベリータさんが親切になった!師匠、これは魔法ですか?」
「魔法ではありませんよ。マニ君はまだ早いですよ」
マニは首をかしげた。
「師匠、回復魔法って初めて見ました」
「非常にめずらしい魔法なのですよ」
言われてみると、サンサを始め、師匠や神殿の巫女たちは魔法が得意だったが回復魔法を使えるものはいなかった。
「どうして回復魔法を使える人が少ないんですか?」
「そもそも、修復するというのは大変難しいことなのです。だから回復魔法を使えるのは南方出身の一部の魔術師に限られるんですよ」
「そうなんですねー」
よくわからない話の連続だったが、これでココアの怪我については一安心だろう。
マニは師匠に薬や包帯で治療してもらった。




