表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜のマニ  作者: ぼんにゃん
一章
20/32

陽炎

二十、陽炎


 扇子からゆらゆらとしたものが立ち上る。

ゆらゆらとしたものはやがて形をはっきりさせていく。

それは無数の蛇の姿となり、こちらに向かい地を這い出した。

「この蛇に咬まれたら最後、毒が全身に回って苦しみながら死ぬのよ」

ベリータは口元を扇子で隠して、目を細めている。

マニは飛んで逃げようとするが、突然あたりが黒い天井に覆われ飛び立つこともできない。

近づく蛇を焼払っても、次々出てくるのでキリがなかった。

ドサッと音がする方を見るとココアが倒れていた。

「ココア!」

もう咬まれて毒にやられたのだろうか。

マニは急にめまいがしてしゃがみこんだ。

まだ咬まれてはいないはずなのに何かがおかしい。

「本当にしぶといわね。私がとどめを刺してあげる」

ベリータが扇子を持つ手と反対側の方の手で杖を握ると、杖の先から鋭い棘が出てきた。

なんで毒蛇がいるのに、わざわざとどめを彼女自身で刺す必要があるんだろう?

何かがおかしい。

マニは力をふりしぼり、蛇たちは無視してベリータの杖をめがけてやっと出した一つの爪の刃をぶつけた。

ガンと音がしてベリータの手から杖が離れた。

「もう」

その隙に扇子を手から強引に奪う。

すると蛇や天井は消え、マニの呼吸も楽になった。

「幻だったのか」

マニがベリータを睨む。

「なんてずぶとい子なの?もう、知らない」

捨てゼリフを残し、彼女は陽炎のように消えていった。

マニは慌ててココアの元に駆け寄る。

「ココアちゃん、起きて」

声をかけるとココアは目を覚ました。

「蛇は?」

「全部、あの女の人の魔法でできた偽物だったんだよ」

「恐ろしい魔法だったね」

ココアは特に異常も無く無事なようだった。

門番たちは全く目を覚まさないようだ。

あのままマニも気を失っていたら、その間に殺されていたかもしれないと思うと本当に恐ろしかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ