金目当て②
十九、金目当て②
マニはココアのほうきに必死にしがみついていたが、空を飛ぶ金属の乗り物に追いついた二人は上に乗ってしがみついた。
乗り物の大きさは5m弱あるようだ。
「どこへ行くんだろう」
あやしい男は二人が上に乗っていることには気づいていないようである。
しばらくすると、古城が見えてきた。
乗り物は古城の前に降り立った。
扉が開いて男が縛ったシアンを担いで、縄ばしこで降りて来た。
シアンが布で口をふさがれて静かにしている。
マニとココアは乗り物の影から様子を伺っていた。
城の前には二人の見張りが立っていた。
門が開いて一人の長い巻き紙の女性がピンヒールを鳴らしながら出てきた。
黒いスカートにはスリットが入っている。
イヤリングやネックレスなどで着飾った彼女はさらに黒い持ち手のついたステッキもついていた。
「ねえ、レオ。私が水晶で見たとおりに貴族の息子がいたでしょう。身代金の分け前は半分でいいわよ」
「ベリータ、お前さ、俺はわざわざ遠くまで捕まえに行ったんだぜ。ぼったくりじゃないか」
マニはあいつ貴族だったんかいと心の中で突っ込みをいれながら、やり取りを見ていた。
「なによ、あんた。私は良心的な申し出だと思うわよ。八割いただいてもいいくらいよ。だってこっそりついて来た邪魔者に気づいて始末してあげようっていうんだからねえ」
ベリータと呼ばれた女が影から覗いている二人の方を見た。
「ばれてる」
彼女が城の門を開けると、町で襲ってきた刃物付きの機械人形が5台前進してきた。
入れ替わりに男がシアンを連れて城内に入っていった。
「ココアちゃん、無理だよ。飛んで逃げよう」
「でも、あんな空飛ぶ機械も持ってるし、もしかしたら、逃げ切れないかもしれない」
ココアの握るほうきは装飾付きの杖に戻った。
「どうかお助けください。可愛い破壊の杖」
彼女が呪文を唱えると杖の先端にはめ込まれた宝玉から、光線が出て機械にあたり、爆発四散する。
しかし中からピンクの毒ガスが出てくる。
「師匠の話だと、あの毒は高温で無毒化されるって」
「ああ、もうやるしかない」
マニが両手を前に出し、炎を放つとピンクの毒ガスは霧散した。
「なんて恐ろしい子どもたちなの……」
声を方を見上げるとベリータは杖にこしかけ、宙に浮いていた。
見張りの二人は爆風で座り込んでいる。
「こうなったら私の魔法であの世送りにしてあげるわ」
ベリータは地上に降り、扇子を高く上げた。




