表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
9/74

フォレーセスに聞きたい三つのこと

ネック村でウッド爺さん探し。

「どうする? 」

手掛かりは女の子のみ。これではどうにもならない。振出しに戻った感じ。

「帰ろうよ」

ゾークはもう充分だと弱音を吐く。

「ハイは? 」

「焦る必要はない。一度戻って作戦を組み立てるとしようぜ」

こうして無理しないで戻ることに。しかしそれが運命の始まり。

ノロノロしてたものだから引き寄せてしまう。


「ちょっとそこのあなたたち! 」

暇そうに見えるのか話しかけられる。これが噂の働き者?

重そうな壺と瓶を抱えている。中身は水かな?

「はい…… 」

いきなり手伝わされた。

「悪いんだけど僕たち忙しいんだよね…… 」

一応は文句を言ってみる。でも伝わらないだろうな。

「いいからその瓶を持って来て! 三人もいるんだから手伝いなさいよ! 」

こっちの話を聞かずに滅茶苦茶言って来るちょっと怖い女の子。それが第一印象。

彼女が働き者のいい子? ただの人使いの荒い女にしか見えない。

ネック村で一番か二番を争う働き者の美少女だそう。

本人がそう言ってるだけだから何一つ当てにならない。

それなら僕だって村一の合成師さ。


「僕はゾークって言います」

「俺は…… ハイキー! 」

勝手にハイの奴がアレンジしている。ハイキーって何だよ? 格好つけてるのか?

まさか本気でこの子ってかわいいの? 僕にはいまいち分からない。

工房ではキレイな近所のお姉さんがよく訪ねて来るのでどうしても厳しくなる。

二人もそうなんだけどな……


「ありがとう。適当に置いてね」

ゾークが転びかけて瓶を割りそうになる。すかさず睨みつけるフォレーセス。

「へへへ…… 」

ハイの奴は調子に乗って足元を見ないから散らばってる陶器を踏みそうになる。

「ちょっと! 」

ついに声が出た。

「悪い。見えなかったぜ」

「ほらよ」

つい乱雑に置くと今度は手が出る。


「痛いな! 何をするんだよ? 」

「もうあなたたちどこまで使えないの? 」

運んであげたのにその態度。感謝しないなんてふざけてる。

「おいおい手伝わせておいて何を言ってるんだ! 」

「それは悪かったわね。でもお二人さんは満足みたいよ」

ゾークもハイも彼女には甘い。まったくこいつらは……

リーダーだろうしっかりしろよゾーク!

ハイだっていつものようにしてろよ。なぜ借りて来た猫のようになるんだ?


「使えないのはこいつらで僕は違う! それでお前は結局誰なんだよ? 」

つい衝突してしまったがよく考えれば互いに協力し合える。ここは我慢だ。

「私はフォレーセス。森の妖精です」

ふざけたことを抜かす。でもそのまま流すとしよう。

とりあえずウッド爺さんについて聞いてみる。

「もちろん冗談…… ウッド爺さん? それならきっとエリックのことだと思う」

ついに一歩前進。フォレーセスは詳しいようだ。

エリックがウッド爺さんの本名。

そう言えばハイもゾークも実は本名じゃないんだよね。

父さんがつけたあだ名で村ではいつの間にかそれで統一されてしまった。


「それでそのエリックは? 」

「エリックはお隣さん。ウッドマンなの」

「ウッドマン? 」

「ああ知ってるぜ。木こりだろう? 」

ハイは意外にも物知り。ただ頭がいい訳ではないのが欠点。それがハイ。

もう少し優秀ならアイテム集めも楽なんだろうが。

「木こりは古いの。今はウッドマン。木を使ってアートを作るのに嵌って。

今じゃウッドアーティストかな」

フォレーセスが訂正。

「何だよ。やっぱり木こりじゃねえか! 」

「違う! それで髭もじゃで笑顔だからウッド爺って」

分かりやすく説明してくれた。

どうやらこのウッド爺はまだ浸透してないのだろう。


「それで今どこに? 」

「分からない。一昨日から姿が見えなくてママも心配してるの」

お隣さんだから仲がいいんだろうな。

よしだったら僕たちも協力するか。

本格的にウッド爺さん探しを始める。


まずはいつも縄張りにしているところへ案内してもらう。

「そうだ。肝心なことを聞くのを忘れた…… あれ…… ハイ頼む! 」

「まったくこれだからカズは世話係なんだよ。リーダーになれないのさ」

「いいから早くしろって! サブリーダー」

「えっと…… あなたのスリーサイズは? 」

「はあ? 何を言ってるのこの人? 大丈夫? 」

フォレーセスが身構える。もちろんそんなことが聞きたいはずがない。

「そうじゃないって! ウンチを漏らした…… 」

ゾークは睨まれてそこでストップ。情けない上に間抜けなリーダーだ。

「あんたたち嫌がらせする気? 」

バカな質問でフォレーセスを怒らせる。うわ…… 本当に世話が焼けるな。

また僕が二人の尻拭いをしないといけないのか。世話係も大変だぜ。


「ごめんごめん。二人とも君がかわいくてきれいだから緊張してるんだよ。

それでウッド爺さんはアトリエに詳しいの? 実は僕たちアトリエ探してて……」

どうにか機嫌を戻そうと褒める。やり過ぎたか?

「かわいくてきれい…… よく言われるんだ」

意外にも困ってるらしい。本当かよ?

「そうじゃなくてアトリエの方」

「はいはい。たぶんそうじゃない? ウッドマンだしよく教えてくれたから。

竹を切ってヘンテコな作品を作ってた。私が褒めたら喜んで毎日のように」

どうやら対応を間違えて大変な思いをしたらしい。


「そんなエリックもどこに行ったのか…… 」

「ただ故郷に帰ったとかじゃないのか? 」

ゾークもハイがフォレーセスと話し辛そうにしてる。

世話係だからどうってことないけど。これならリーダーが良かったな。

話しながら最初のポイントに。

「それはない。だって行く時はいつもママに言って行くから」

爺失踪ぐらいで大げさにはできないか。


「この辺りがエリックの縄張り。一度連れてきてもらったことがある」

「その時何かされた? 」

「ううん。ただ背負ってもらっただけ」

これは微妙だ。ただの変態爺の線もある。

この村にはおかしな言い伝えがある。それが人喰いオオカミだ。


                続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ