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アンの指摘

残り一巻。コンプリート目前でトラブル発生。悪臭騒動勃発!

臭い臭いと言われ続けついには宿まで追い出される。

チーム・カズ君解散の危機にまで発展。

僕は悪くないのに皆に責め立てられる。

仕方なく父さんの知り合いの占い師に相談することに。


「ありがたいフェイ! これで息子も元気を取り戻すさ」

「だったら感謝の気持ちを形にしなきゃね」

結局占いとは気休め程度。いい加減でどうでもいい。

どれだけ信じられるかに掛かってる。僕は信じるつもりはないけどね。

大人の世界は不思議だな。父さんもただ引っ掛かっただけに見える。

占いで即解決するかと思ったがどうやら無駄足だったよう。


「あの…… フェイさんの言う通りかと。カズ君のバッグから臭うんだと思うの」

冷静でしっかり者のアンが指摘する。

「バッグって言っても何も…… 」

「いいからそのバッグを寄越せ! 誰か嗅いでくれ」

父さんが強引に奪い取る。


クンクン

クンクン

「うげ! 確かにここから臭うぜ。うわ離れろ! 」

テルファーの酷い発言。傷つくな。

「町に泉があるから浸かるといいよ。そうすればあっと言う間に臭いは消えるさ。

確か…… ここまで出てるのにどうしても思い出せないわ。肝心な時に悪いね」

フェイが言うにはたちまち臭いが消えると噂の泉があると。どうも信用できない。

大体父さんの紹介の占い師だからな。


「泉? どこに? アンなら知ってる? 」

「私も噂でしか。それよりバッグを開けてみて。きっとそこから臭うはずだから」

アンは確信があるらしい。だったらもっと前にはっきり言ってくれればいいのに。

一人苦しくて辛い思いをしたじゃないか。

いや…… そう言えば指摘してたような。それをテルファーが阻止したんだっけ。

アンは真面目で優しいから強くは言えなかったんだろう。

仕方ないけど状況が悪化しているのは事実。


臭いの達人と言えばゾーク。

「どれどれ。本当だ。これよく見ると光ってない? 」

バッグの中にあったこともあり光が弱く見えにくくなっていた。

専門家のゾークは臭いの元を断てば自然と臭いは収まる。

でも一週間近くは残るかもと適当。ならばフェイの言う泉を見つけるしかない。

僕としては原因が分かればそれで充分。臭いと言っても自分は感じないんだから。

でもきっとテルファーは許してくれないんだろうな。


「とにかくバッグから出すぞ! 」

ハイと父さんで例のブツを取り出す。

「うわ眩しい! 」

黄金に輝いていてまるで神々しい聖遺物かと思わせる。

バッグから箱を取り出すと徐々に光は薄れて行き一分も経たずに完全に光を失う。

しかしこれが臭いの元だとしてなぜこんなにも激しくなったのか?

光ってるのにも理由がある? そう言えばこれって確か……


爺さんの姿が浮かぶ。そうこれこそファンタジーの神からのお詫びの品。

確かあのセーフティゴーグルで迷惑を掛けたからと次の日の朝に頂いた。

三つの中から一番小さい宝箱を選んだ。

その他は空だったり蛇の詰め合わせと大変ヘビーなものだったが。

爺さんの優しさからか中身を教えてもらいどうにか選べた。

今思えば初めからこれを渡す気だったんだろうな。

いつかその時が来たら自然と開く時が来ると言っていたっけ。

それからいろいろあってすっかりそのことを忘れていたが今がその時?

そうか。これが今僕たちの求めているもの。


「よし宝箱を開けるぞ! 」

父さんはもうワクワクして僕を待たずに開けてしまう。

すぐに巻物だと分かる。こうして七つ目の巻物を得る。

最後の巻物ゲット! ついに七つ全部を集めた。


ミッションコンプリート! 

全巻コンプリートして大興奮。

クエスト完了!


「ああ浮かれてるところ悪いけどきちんと払ってもらうよ」

フェイはすべての問題が解決したのは自分のお陰だと疑わない。

それは偶然のはずだけどそれでも父さんは機嫌がよく相場の倍を払う。

「よしだったら泉の場所もサービスしてあげようね」

そう言って泉までの地図を書いて渡す。

どうやら思い出したか金儲けの臭いがして黙っていたか?

どっちであれ信用できない。


町長宅。

さっそく町長に知らせる。きっと大喜びするだろう。

これで港町・ドラクリオは救われるんだ。

あの武蔵や太陽の化け物のようなモンスターが現れることはもうないさ。

この巻物を手掛かりに龍神の棲む龍神谷へ行って話をつければすべて解決。

巻物にはいろいろと書かれているが古代文字だから僕たちでは読解不可能。

ここは専門家に任せて僕たちはただクエストが完了したことを喜ぼう。


「ああこれが? 」

第一声が困惑の町長。どこかおかしい。しかしどこがおかしいんだ?

あんなに地域の為に尽力していた町長のやる気が薄れている気がする。

「町長! クエスト無事完了しましたよ。例の巻物はこの通り」

「はいはい」

七つの巻物を渡すがそれでもやる気が見られない。どうしたんだろう?

覇気がないと言うか目が死んでいる。

僕たちと別れてから一体何があったんだ?

気になるがこの際どうでもいいか。クエストさえ完了すれば用はない。

明日にでもベネットに行ける。行けばきっと目当てのアトリエが見つかるはず。


「どうしたんですか? まさかあの化け物たちが襲って来たんですか? 」

アンは心配だと詳しく話を聞こうとするが町長は問題ないとだけ。

「だったら何でそんなにやる気がないんだ! 」

堪らずに父さんが大声を出す。

「いやそんなことないさ。君たちのお陰で龍神様に会える。

嬉しいな。ははは! 」

無理に笑う町長。一体どうしてしまったのだろう?


テルファーが隙を見て叩くが頭をさするだけで表情一つ変えない。

これは相当重症だぞ。やはり何かあったか? それとも夏バテか?

異変を感じつつも仕方なく別れることに。

クエスト料を受け取ったので文句言うこともないが本当にこれでいい?

「ははは…… 本当にありがとう」

ずっと暗く気力がない感じ。これで町長が務まるのか?


一度宿に戻り体を回復してから明日の準備に移る。

できればもう少しすっきりして進みたかったがこれはこれで仕方がないさ。


               続く

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