↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
79/103

素手で受け止めて

ハイ対トップターの戦い。

剣を弾かれてはもうどうにもならない。

大人しく負けを認めるしかない。でもそれは単なる逃げ。

だからハイにはどうにか最後まで戦ってもらう。


「うわ…… 」

「ははは! 間抜けな奴だ。ではこの手で葬ってやろう。ありがたく思うんだな」

トップターはハイの待ったを無視して襲い掛かる。

仕方なくハイが素手で応じる。

どう考えても無理。勝てる見込みはゼロ。でもここで負ければ全滅。

ハイが捕まって処刑されてゲームオーバー。

もう見てられない。最後の希望のハイはあっけなく……

だがハイが腕で振り払うと剣は吹っ飛んで行った。


「嘘だろう…… 剣がなぜ? 」

トップターが動きを止めるとハイが一気に畳みかける。

「オラよ! まずはジャブで」

一撃で吹っ飛んで行ったクソ弱いトップター。

「あれおかしいな? 何でこいつはこんなに弱いんだ? 」

不思議だと笑うおかしな奴。いやそれでいい。強かったら終わっていた。


「いいから早く助けて! 」

テルファーの一言でハイはまともに戻る。

こうして訳の分からない魚顔たちによる陰謀を防いだ。


レベルアップ!

レベルが一気に8になった。

体力が3上がった。

知力が2上がった。

アンとゾークの魔力が2上がり魔法が使えるようになった。

ハイの腕力が3上がった。

父さんの体力が1衰えた。

カズの集中力が2上がった。

カズは魚顔からエラ呼吸を学習した。

トップターは巻物を所持してなかった。


「凄い…… ハイ素敵! 」

アンが大喜びで抱き着こうとするのでファンタジーの神の代わりに僕が間に入る。

ふう危ない危ない。ファンタジーの世界を乱す者は許さない。

「もうカズ君ってば! 」

「そうだぞカズ! そんなに溜まってるなら…… 」

そう言うとテルファーが抱き着いて来た。

うわ…… うっとうしい上に人前で何てことを。


「ははは! カズは相変わらずだな。ハイはお疲れ! 残念だったな」

意外にもまともなことを言う父さん。

僕の雄姿を見ていてくれただろうか?


「そう言えばカズ! お前よくも父さんを馬鹿にしてくれたな! 」

ただの作戦だって言うのに父さんってば根にもってグチグチと。本当に困るな。

「父さんだって同じだろう! 」

「まあまあ二人とも落ち着こう」

ゾークが止める。らしくないがもう立派な魔法師。


「そうだゾーク。何か魔法を見せてよ」

「何を言ってるのカズ君。僕はまだなったばかり。ただ火を起こすぐらいかな。

たぶんそのうちファイアーを習得できると思うけど。難しいみたいだからさ。

どっかに魔法書置いてないかな。入門編がいいな」

呑気なゾーク。そう言えばアンも……

どうやら氷を操るらしい。もうアイスを習得してるよう。これは優秀だぞ。

でもアンは旅のお供でドラゴンアイランドには着いて来ないだろうな。


「ほらアン。やって見せて」

せっかく魔法を使えるようになったんだから皆の前で披露しないともったいない。

実践で使わざるを得なくなった時に失敗しないように日頃から訓練が必要。

「でもアイスって言ってもまだ完全じゃない」

真面目なアンはなかなかその気になってくれない。

別にほんの少しだけでいいんだ。

思いっ切りやられて山が火事になったり辺りが凍り付いても困るからな。


「いいから楽しそう! 」

テルファーに言われるままアイスを……

「布団が吹っ飛んだ! 」

アンのアイスで一分ほど全員が固まった。

果たしてこれがモンスターに通じるかは分からない。たぶん無理だろう。

これが初期のアイスか。ここから頑張って一帯を凍り付かせるかが重要。


「凄いよアン。ちょっと驚いたけど確かに凍り付いた。

よしゾークもファイアーやってみてよ」

つい無茶を言う。でもゾークもやる気だけはあるみたい。

「そうだぞゾーク。お前もケチケチせずにやれって! 」

父さんが急かすとハイが面白いと手を叩く。

「でも…… 仕方ないな。ちょっとだけだよ」

「ほら拍手! 」

そう言って強引に進めてしまう父さん。これではゾークは逆らえないか。

まずい。僕のせいでゾークが。

「頑張れゾーク! 応援してるよ」

テルファーも期待してる。でもアンがあれだから。

成り立てでは大したのはできなそう。


「ではファイアー! 」

ゾークが両手を掲げて吠える。

まだ遠慮気味だからかファイアーは発動しない。


「おかしいな。ファイアー! 」

すると父さんのライターをつけて騒ぎ始める。

アンよりもまだ燃えてる分だけマシだがこれじゃない。

「馬鹿野郎! 燃えたらどうする? この島がなくなるだろうが! 」

そう言ってゾークの頭を叩く。

「済みません親方。ファイアーの調子が悪く親方のを使わせてもらいました」

まだゾークには使いこなし切れないらしい。

「ほら無理するなゾーク。もう大丈夫だからな」

最初にやれと言ったのは僕だから責任を感じる。


「あの皆さん…… 俺たちの存在を忘れてませんか? 」

トップターたちはただスローを操るだけのとても弱い種族。

だから心を入れ替えて故郷に帰るから見逃すことにした。

甘いが仕方ない。この島は元々人が僅か。

トップターも痛めつけはしたがそこまで。処刑まではまだだと。


こうして離れ小島の決戦はハイの活躍もあり大勝利!

おっと…… つい巻物がどこにあるか聞きそびれてしまった。

まあいいか。自分たちで探せばいいさ。それが楽しみの一つだからな。


「改めてありがとうハイ! 」

アンの突然のキスでハイは舞い上がってしまう。

せっかくファンタジーの神の代行していたのにいきなりだから。

あーあ自分だけずるいな。僕だって活躍したのに。

そんな隙を見逃さないのがテルファー。

「ほらカズも頑張ったね」

そう言いながら頬に一発。強いのをお見舞いされる。


「嘘…… どうして? キスは? 」

もう意味が分からない。

「ははは! カズが悲しそうにして元気ないから励ましてやったんだ」

テルファーの照れかそれとも本気なのか困ったな……

「テルファー! 」

「悪い悪い。今夜も楽しもうぜ」

誰にも聞こえない距離で耳元でささやく。

いやでも懲りてるし。神様だって充分だと言ってるからな。

どうしよう? 断りづらい。


「よし巻物を探すぞ! 」

結局あいつら探し切れなかったよう。

父さんが張り切って探すがどこにも見当たらない。

それはそうだよな。僕とハイとテルファーの先攻部隊ですべてを調べ尽くした。

特にハイはゆっくり探してた訳だからそう簡単には見つからない。

奴らに聞けば早かっただろうがそれでは面白くないさ。


                続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。