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ドッポの拷問

離れ小島で思いっきり楽しむついでに巻物探しするはずだったのに。

まったく嫌になるぜこの謎の魚顔の集団はよ。

ハイ早く助けに来てくれ! このままでは僕たちは処刑されてしまう。


「ねえカズってば! 」

「だからこんなに絡んでも爺さんは来てくれないって。

ただの最低変態爺なんだから。それは僕が保証する」

本気かそれとも暇潰しかテルファーがしつこい。

これが人がいない二人っきりの時なら僕だって嬉しくないことはないけど。

目の前には謎の魚顔たちだけではなく仲間もいる。

特に父さんを前に僕がそんな真似できるはずがない。恥ずかし過ぎるよ。


「おい若造! 調子に乗るんじゃねえ! 」

嫉妬から怒り爆発の父さん。分かるけどその怒りをその魚顔たちに向けてよ。

それに僕はただ逃げてるだけだって。 

「静かにしろお前たち! 間もなくボスが戻って来る。さあ大人しくしな。

どのみちお前たちは何もできはしないさ」

そう言われたら逆らえない。こうして再び静かに。

これは最悪の状況。吹き飛ばすにはやっぱりハイに頼るしかないか。


トントン

トントン

どうやらボスのお出ましらしい。

「ドッポ様のお帰りです」

ドッポと名乗ったおかしな魚顔のナンバースリー。

「悪いな。巻物探しに手間取って。抵抗する者をボスが大人しくさせた。

どうにか今日中には手に入るだろう。お前たちにも随分迷惑かけたな」

「滅相もない。ドッポ様の心遣いには感謝してます」

どうやらこのドッポと言う男は相当な切れ者らしい。

手下を恐怖で支配するのではなく心遣いで。尊敬されている。

だから逆に手強い相手に違いない。

するとトップター様は噂通り恐ろしいのかもな。


「それでこいつらは? 」

「へい。間抜けなカメです。怪しかったので捕まえておきました」

「うむ。それはよくやった。きっとトップター様もお喜びだろう。

機嫌がよければ何か褒美を頂けるかもな。だが機嫌が悪ければ…… 」

ドッポが恐ろしいことを言うので手下たちは固まってしまう。


クンクン

クンクン

臭うぞ。確かにドッポから臭いがする。

「もう間もなく一巻目が手に入るはずだ」

「それは素晴らしい。あと五つですね」

「そうだが。全部集めるには時間が掛かる。あれほど頑固ではもうどうにも」

「忘れてました。おかしな連中がもう一組いましたので捕まえておきました」

まずい。ボス不在だがドッポに命令を下されたらお終いだ。


「こいつらに繋がりは? 仲間ではないのか? 」

「それはどうかと? 本人たちは否定してます」

「ほおそれは楽しみだ。ボスの手を煩わすこともあるまい。検めるとしよう」

こうしてドッポによる尋問が始まる。


「お前たちは仲間か? 」

まずはシンプルに聞く。これでそうだと言うバカはいないが余裕はありそう。

「いえただの観光で。今日初めて会ったんです。信じてください! 」

どうにか言い訳するが鋭い目つきでドッポが追及する。

「ほおまだこの状況で嘘がつけるか。だがこの私は嘘を見抜けるんだぞ。

無駄な悪あがきはよして楽になろう」

プレッシャーをかけ真実を語らせようと必死だ。嘘が見抜けるはハッタリ?

「だったら僕の名前を言ってみろ? 」

迷わず答えれば本当だと信じるしかない。諦めもつく。

「おい話を聞いていたか? 私は嘘が見抜けると言っただけ。

お前たちのすべてを知ってるはずないだろう? 」

どうやらドッポはハッタリをかましたらしい。


「へへへ…… お前たちも誰も知らない! 」

どうにか無関係を装うが無理そう。

「よし。ならばこの私が特別に確認してあげよう」

そう言うと父さんに一発。何てことをしやがるんだ。

「お前に関係ないんだろう? だったら自分がやられるまで大人しくしてろ! 」

そう言って父さんを蹴る。酷い扱いだ。一体奴は何がしたい。

「まだか? その口が父さんと言ってるぞ。ははは! 」

シラを切り通すが難しい。テルファーの方を見るとただ笑っている。

これは高度な訓練を受けてるな。

仲間がやられて平気なのは相当鍛えられてる証拠。


「おい…… 」

父さんが我慢。初めて見る父親らしい姿。

「やめろ! それ以上は止めるんだ! 」

もう堪え切れずに叫んでしまう。

「だったら認めるんだな? このおっさんがお前の親父だと」

ドッポの拷問ですぐにゲロってしまう。まるでゾークのように。

ゾークも見ていられないと下を向く。これは限界だろう。


「待ってくれ! 本当に知らないんだ。僕の父さんは立派なんだから。

お酒に溺れて他の女性に手を出す最低な人間じゃない! 」

どうにか二人の関係を気づかれないように必死に反論する。

「ははは…… 息子に言われてるぞ。最低親父とな」

ドッポは機嫌が悪いのかちょっとのことでは見逃してくれない。

さすがはその道のプロ。見習いたくはないが非情さは半端じゃない。

恐ろしい奴だ。だがそいつよりも恐ろしいボスとは一体どのような存在なのか?

トップター様とか言ったっけ。


「クソ! もう我慢できねえ。なぜ俺の悪口を言う? 

あれはただの設定だろう? 実際見た訳でもねえ。グチグチ言うんじゃね! 」

おっとついに父さんがキレた。そのままドッポを倒してくれたらいいんだけど。

「やるのか? 」

「うるせい! もう我慢できねえ! 縛り付けなかったことを後悔するんだな」

ドッポにまるでカメのようなスピードで殴りかかる。

それではさすがに簡単に避けられる。

「ほらこっちだ。どうしたもう疲れたか? 」

ドッポは簡単には終わらせない。いたぶって相手が諦めるまで続ける。


暇潰しに父さんが遊ばれる。

ただラッキーなのは自分に酔ってるお陰で被害はない。

反撃もせずただ遊んで相手の体力を奪う。

「クソ! 黙って見てられねえ! 」

恋人役は諦めてテルファーも加勢に加わる。

だが相手が強いと言うよりもこっちが鈍いだけな気も。

ウサギと亀の戦いを見ているよう。


                 続く

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