表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
6/71

村一の美少女ミモリン

誤って王子にタンサン毒水を飲ませた罰でアトリエが取り壊されることに。

父さんはやる気を失くし母さんは説得に失敗し体調を崩し二人揃って寝込んでる。

仕方なく僕が新たなアトリエ探しをすることに。

まずは仲間集めから。でもハイもゾークも相手にしてくれない困った状況。

どうやらこの村にはいられないのだろう。急いで代わりを探すしかない。

ここはやっぱり二人に頼ろう。


「悪い! 俺たち用事があってさ…… 」

「そうそう。忙しいんだよ僕たち。それにもう遊んじゃいけないって! 」

ハイもゾークも会うことさえ嫌がる。仲間なのにそれはない。

しかし今はそんなこと言ってられない。僕たちで何とかしないと。

新たなアトリエでまた楽しく合成するんだから。


「お前たち本当にいいのか? 来年にはドラゴン探しの旅に出るんだぞ? 

これが最後のチャンスなのに」

このために今までアイテム集めをしてもらったようなもの。

それはハイもゾークだって分かってるはず。だからどうにか二人を説得しないと。

「それは俺だってカズの頼みだし行きたいよ。

でもアトリエも取り上げられ合成もできなければ意味がない。

俺たちはただのガキじゃないか。そうだろうゾーク? 」

「そうそう。まだ子供だよ僕たち」

二人はまるで示し合わせたかのように息ぴったり。


「ごめんね。合成師の夢は諦めて大人しくしてようよ。

そうすればきっとカズ君だけは村から追い出されないはずだから」

ゾークはどうやら父さんたちが村で厄介者扱いされてているのを知っているよう。

王子の命を狙ったのだから当然か。でも言い訳するならそれを作ったのは僕。

父さんに渡したのはゾーク。誰が一番悪いと言えばゾーク。凡ミスでは済まない。


ゾークさえ何とかすればハイは単純だからどうにか説得できるだろう。

「いいかお前たち! 合成師見習いも助手もまだ続いてる。だから従ってもらう」

合成師見習い助手より僕の方が上。命令は絶対だ。

「嘘だろう? そうなのか? 」

「でも…… もう工房がないんだよ? 」

不安な二人をどうにかこちら側に持って行く。それが僕のやり方さ。

「分かった。ミモリンを誘ってやるよ。それでいいだろう? 」

「おいおい本気かよ? 」

ハイが興味を持つ。単純だな。そんな訳ないのに。

口から出任せ。いつもハイの奴はこの手で騙されている。

合成師見習いの助手だって僕が騙してやらせてるようなもの。

ドラゴンの旅を餌に今回だって思い通りになってもらう。


ミモリンか…… 村一の美少女と言われている。僕はそうは思わないけど。

ハイにしろゾークにしろお友だちになろうとしてはいいようにやられている。

決して否定しないからミモリンは男たちから人気が高い。

でも僕はどうも苦手で。僕が理屈っぽいって言うんだよね。

ミモリンを言い負かして泣かせたことがある。それ以来恨まれているのではと。

とにかくミモリンを誘えばいい。そうすれば二人はついて来るに違いない。


「彼女は体形を気にしてるんだよ。それでいい薬を探している。

だから僕がやせ薬を作ってやればいい。そうすればきっと仲間になってくれるさ。

そのためにもお前たちの力が必要なんだろう」

もう完全に嘘だけど。今はそんなことは言ってられない。

一年後のドラゴン探しのためにも二人の力が絶対に必要。

「よし。協力してやろう! お前一人では大変だもんな」

ハイはすぐに喰いついた。しかしゾークの方は迷っている。

でも大丈夫。あともう一押しすればきっとついて来るさ。


「ゾーク。お前の能力が必要だ! 臭いもの集めのプロはお前ぐらいなものさ。

そんなイカレタ奴はお前ぐらい。だからって誰も喜んでくれないだろう?

でもそれは合成用アイテムとして貴重。お前の力がどうしても必要だ! 」

「うーん。それでも遊んじゃダメだってママが…… 」

「おい良いのかよ? 臭いもの集め出したのだってお前が漏らしたからだろう?」

ゾークの過去を振り返りたくはないしそんなことは実際どうでもいい。

でもゾークはきっと気にしてる。

「ただのクソったれじゃないってとこを見せてやろうぜゾーク! 」

もう自分でも何を言ってるか分からない。でもきっとこれでゾークは仲間になる。

「うん分かったよ。よし新たな工房探しの旅に出よう! 」

ゾークが張り切る。そうこれでいい。これですべてうまく行くさ。


「よしだったらゾークが隊長でいい」

「そうだな。俺たちのリーダーはゾークで決定! 」

「ちょっと二人とも…… 隊長なんて無理だよ…… 」

「分かった分かったゾーク。隊長は引き続きこのカズ様でいい」

ゾークでもよかったけど本人が嫌がるなら仕方がない。


「では出発! 」

「ちょっと待てよ! ミモリンは? 」

「それだったら今朝断られた。あんたたちの遊びに付き合う訳ないでしょうだと。

酷いよな。だから僕たちで見直してやろうぜ」

無理があるけどどうにかそれで押し切る。

「それだと詐欺だよ! 楽しみにしていたのに…… 」

ゾークは拘るらしい。ハイまでそうだと文句を言う。

困ったな…… きちんと誘っただろう? 断られたけど。嘘は一つも言ってない。

「分かったよ。だったらもう一回誘ってみるか? 」

だがなぜか二人とも首を振る。


「よし。だったらもういいな? 出発! 」

こうして三人は旅立った。


新たなアトリエを見つける旅が始まった。

期限は一か月かな? 夏の間に何とか新たなアトリエを見つけ出す。

旅と言ってもまずは隣村から。泊まりがけの旅はまだ許してもらってない。

僕だけならいいが二人が付いて来なければ意味がないからな。


               続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ