世界お宝コレクション
レベルアップしイベントアイテムのグリーンドラゴンの復活の書を手に入れた。
これでドラコの目標も達成されただろう。さあそろそろ戻るかな。
ドラコのアンライトニングで多少薄暗いが出口に戻るのは問題ない。
迷ったら最悪脱出用のフェアリーを使えばいい。
「おいゾーク何をしてんだ? 置いてくぞ! 」
目的のものも手に入った。ここでのんびりしてられない。
ハイを先頭に戻ろうとしたがゾークが動かない。
「ちょっと待ってよハイ! 」
目ざといゾークが何かを見つけたらしい。
ここは洞窟最深部のはず。もう戻る以外ない。それはドラコだって……
「うん? そう言えば水の流れる音がしないか? 」
ハイは汚れるのも気にせず地べたに這いつくばる。
さすがはハイだぜ。ワイルドと言うか何も気にしてない様子。
それを僕にもやってみろと。でもこれ以上服を汚すのもな……
「どれどれ」
確かに水の音がする。もしかしたらここから外につながってる可能性もある。
でもだからって近道を選ぶか? 選んでいい? 急がば回れって言葉もあるしな。
ちなみに僕たちの中では泳げない者はいない。
ただ羽が濡れると動きが遅くなるドラコがいる。
「どうするドラコ? 」
「大丈夫。羽根はどうにかなるから。最悪飛べばいいし。さあ行きましょう」
こうして水路…… 秘密の部屋から水の流れる隠し通路へ進むことに。
うーん。本当に大丈夫かな? 何だか凄く心配なんだけどな。
「よし壊すぞ! 」
ハイが蹴り飛ばすがその程度ではさすがにびくともしない。
でもここを壊さないと進まない。
「ドラコ吹き飛ばしてくれ! 」
「でも恥ずかしい…… 」
すでに竜人として覚醒しつつあるドラコの能力は使いよう。
破壊力だって凄まじいものがある。
僕もレベルマックスになれば竜人としての能力が開花すると勝手に考えてる。
僕たちは後ろを向いて耳を塞ぐ。
これでドラコも本気を出せるだろう。
初めに妹と聞いた時は戸惑ったが本当に役に立つ心強い存在。
兄としてはこれだけやってくれると助かるし鼻も高い。
ズドン!
物凄い衝撃音が塞いだ耳に届く。
「おい何だ? 洞窟が崩れたか? 」
「またなの? 嫌だよ…… 」
ハイとゾークは前回の冒険のトラウマをを引きずっている。
人喰いオオカミに出口を塞がれ村に閉じ込められたばかりだかな。
僕だって驚いている。これはあまりに強すぎないか?
衝撃音に続いて水の流れが迫って来る感じ。
「ほら急ごう! 」
先頭をドラコに任せ水路を進むことに。
水の流れは比較的緩やかで水もひざまでぐらい。
流れに逆らって進むのは体力的にきついが休み休み行けば問題ない。
「気を付けろ! この辺りは足元が滑り易くなってるぞ」
「カズ君…… 待って! 」
もう限界だとゾーク。ハイが後ろから押してあげてるよう。
水路には魔物が棲んでいる。
ヌメヌメ水藻が現れた。
ドラコは前に進んでいて当てにできないので僕たちだけで戦う。
ヌメヌメ水藻は素早い動きで足に絡みついて来る厄介なモンスター。
ここは鋭い爪で対抗。
僕もレベルアップして多少竜人としての能力が開花しつつある。
ヌメヌメ水藻を引き裂いて撃退。これで助かったか?
しかしヌメヌメ水藻は分裂して余計に手足に絡みつく。
全員の足に絡みついて水底に引っ張っていく。まるで河童のよう。
もはや焼き払うぐらいしかこのヌメヌメ地獄から解放されないだろう。
「大丈夫か二人とも? 」
「おう! 」
「うん。でもしつこい。もうどうしたらいいのカズ君? 」
「よしなるべく水面ギリギリを泳ぐんだ。それと真ん中を進めばきっと…… 」
水路の真ん中を堂々と進みヌメヌメ水藻との接触を減らすことにした。
「光? 光が見えて来たぞ! 」
どうにか耐えてようやく水路の終着点へ。
終着点の出口でドラコが不思議そうにノロノロしてた僕らを迎える。
ドラコはドラコでなるべく濡れないようにと天井とスレスレを飛んでいた。
「もう遅いよ! 」
「悪い悪い。それでここが? 」
「うん。外につながる隠し通路の終着点でしょうね。それでほらここにお宝が」
宝箱を開くとそこにはレアアイテムが。
ゴールドの素と呼ばれる伝説のお宝。武器合成で使うスペシャルアイテム。
これで伝説の剣が合成可能に。後は合成用の剣を集めれば完成させられる。
そらからもう一つ。無敵王の金の器だ。
これは当時使用していた歴史的価値のあるもの。
道具屋では百万以上で売れて闇の行商屋では一億で売れると言われる代物。
世界お宝コレクションではそう言われているが果たして実際はどうか不明。
闇の行商屋は世界中を歩き回っていていつか会えるか分からないと。
噂に過ぎずその正体は誰も知らない。
あれ…… ダンジョンを無事脱出したと思ったらもう朝。
どうやら眠らずに一日中ダンジョンを探検していたらしい。
それにしてもここどこだよ?
「おいカズ? 」
「カズ君…… まさか戻るの? 」
疲れてもう動けないと二人はその場に倒れ込む。
そうここは確かに秘密の出口だが道がない。
ダンジョンに取り囲まれていて動きが取れない。
しかも狭いので十人もいればパンパン。限界だろう。
「よし仕方ねえ。そのフェアリーを使って戻ろうぜ」
ハイはもう諦めたと貴重なレアアイテムのフェアリーに頼ろうとする。
「それは無理。ダンジョンとかお城じゃないと。ここはただの外」
ドラコが現実を突きつける。
「おい嘘だろうドラコ? 」
「仕方ないでしょうお兄ちゃん? 」
「だったら今の隠し通路に入ってすぐに使えば? 」
「それがいいゾーク。よしさっそくドラコ……
「それは無理。一度外に出たら使えないと言うかたぶん使ってもここに出るだけ」
そうドラコは言う。脱出用のフェアリーを使っても無駄だそう。
「もう仕方ないな。私が抱き抱えて連れて行ってあげる」
そうだった。ドラコは飛べるんだからこの程度の障害は意味をなさない。
「では重いから一人ずつね」
こうしてダンジョンを脱出した僕たちは故郷へ。
続く




