グリーンドラゴン復活の書
ライトニングか…… 師匠からきちんと教わっとくんだった。
村の外れの勇者教室を開いていたちょっと変わったおじさん。
お兄さんと言わないと教えてやらないと無茶を言う癖の強い人だった。
昔勇者だった者が村に留まって武勇伝や昔話するのが流行った。
勇者は最初こそ歓迎されたが怪しさ満点で自称勇者も増え村々は拒否し始めた。
モンスターと一度も戦わなくてもただ旅行しただけでも勇者と名乗れるから。
証拠見せろと大人たちは言うが歴戦の傷か酒場で酔っぱらっての傷か分からない。
とにかく勇者で溢れかえって故郷にお帰り下さいとほぼ追放する様に追い出した。
これが世に言う勇者追放事件だ。追放の始まりとも言われている。
その最初の勇者こそが師匠だ。レジェンド勇者で本物。
師匠は厳しい人で無茶な要求ばかり。
僕は他の子よりもなぜか体力だけはあったからついて行けた。でも飽きてやめた。
その最終試験にライトニングがあったような気が。
最後まで通ってれば習得できただろう。
ライトニングは確か心を無にしてまずは牛乳を飲む。
そしてタンサンで割った濁り酒を一口。
一日ほどじっとしてると気持ち悪くなって吐き出す。
そのブツこそがライトニングの元。これを含み真っ暗なところで吐けば完成。
師匠によれば夜にやるのは間抜けのする事。ダンジョンなどで実験するのがいい。
または夜のお店で実験するのもいいとイカレタことを抜かしていたな。
本気で実験したっぽいがその後は行かなくなったから成功したかどうか。
どうせ無理だとその当時は考えていたけど今こそ再現する時だろう。
「思い出してやってみるか。ゾーク牛乳。ハイは濁り酒を用意してくれ」
ついにライトニングをする決意を固める。
もうライトも切れかかっていていつ真っ暗になってもおかしくない。
だから僕が当時の記憶を頼りにライトニングに挑む。
「牛乳はあるけどぬるいよ」
さすがはゾークだ。毎日のように牛乳を飲んでいるだけのことはある。
「酒があるか! 」
ハイは荷物を確認することもせずに否定する。情けない。
当然子供である僕たちがお酒を持ってる訳はないんだけど。
きっと父さんなら隠し持ってるだろうな。
「でもカズ君。これは貴重な飲みものだよ」
「そうそう。もっと違う方法を考えようぜ」
二人とも嫌がっている。これは仕方ない。もう一度ドラコに頼るか。
「やっぱりドラコで…… 」
「はあ? 嫌だって言ってるでしょう? 」
どうやら相当嫌がってるな。僕だって吐く真似はしたくない。
でも誰かがやらないと真っ暗闇。ここは光の差さない洞窟の奥深くなのだから。
口から光を放つからって気にするなよ。それが竜人だろう?
でも失敗してファイヤーボールを出されたら黒焦げだからな。危険は冒せないか。
それにこれ以上しつこくすればドラコの強烈ビンタを喰らうことになる。
ゾークの悲劇で懲りてるからここは違う方法を考えるとしよう。
でものんびりもしてられない。どうする? どうすればいい。
ここはリーダーのゾークにでも任せるか……
「カズ君。見て? 隙間から光が! 」
ゾークが何かを発見したらしい。光がどうしたって?
「どれどれ…… 本当だ。僅かな光が漏れてるぞ。これは隠し部屋か? 」
「そうだ! そうに決まってるってカズ! 」
ハイも大喜び。
「よしドラコ。その怪力でこじ開けてくれ! 」
ギャン!
おかしいぞ? なぜかその怪力に吹っ飛ばされる。恐れていた事態。
「私そんな強くない。か弱い女の子だから…… 」
それは通用しないって。これだけ痛ければもう相当だろうさ。
少なくてもこの中では一番強くて腕力もある。それがドラコだ。僕の自慢の妹さ。
「仕方ない。ハイ頼んだぞ! 」
初めからこれでよかったんだけどついドラコの能力を確かめたくなった。
僕もいつかは覚醒して完璧な竜人となるのだろうか?
すると七つの玉でも集めるってか?
ハイの馬鹿力でついに秘密の部屋が出現。
これは…… 金銀財宝とまでは行かないけどお宝に間違いない。
僅かな光は金銀の煌めきだった。
大喜びで宝に群がるゾークとハイ。
僕はちょっと気になることがあるので様子見。
「あった。これが私が求めていた『グリーンドラゴンの復活書』」
ドラゴンの絵が描いてある絵本?
うん? 今ドラゴンの目が動かなかったか?
「危ないドラコ! 皆そこから離れろ! 」
するとピカッと光が全体に。眩しくて目を開けてられない。
ショックが強すぎる。ずっと見ていれば目がおかしくなるだろう。
脳にまで負担が掛かり体に異変が起きる。
ライトニングは健康に害がないのだがこれは危険だ。
「うわああ! 助けてくれ! 」
「気持ち悪いよ! 」
「二人とも目をつぶれ! ドラコどうにかしてくれ! 今は緊急事態だ」
どうにかドラコの力を解放してもらう。
「でも…… 」
「皆眩しい。目をつぶっている。だから問題ない! 」
「だけど…… 」
「頼むドラコ! もうお前しかいないんだ! 」
「お兄ちゃん…… 分かった。待ってって」
ドラゴ必殺・アンライトニング
これで光が弱まって薄暗くなった。
「ありがとうドラコ。最後はこのタンサン毒水で止めだ! 」
ドラゴンは姿を消しアナコンダが一匹。
どうやらここの番人はドラゴンになって盗掘者から宝を守っていたらしい。
見た目と謎の光以外なくもはやただのアナコンダ。と言うかただの蛇だ。
戦意喪失したアナコンダをどかしてグリーンドラゴンの復活書を。
イベントアイテム・グリーンドラゴンの復活書を手に入れた。
全員レベルアップ! レベルが5になった。
戦闘力が大幅にアップした。
知能が1上がった。
判断力が1上がった。
忍耐力が1下がった。
カズは竜人に一歩近づいた。
レベルアップしイベントアイテムのドラゴンの復活書を手に入れた。
これでドラコの目標も達成。さあそろそろ戻るかな。
続く




