表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
35/73

我がままなドラコ

ドラコの正体が判明し僕たち親子の隠された秘密まで。

まさか父さんが竜人だったとは夢にも思わなかった。

では気を取り直して洞窟探索を続けるとしよう。


「ちょっと待て? すると兄さんは洞窟の奥にはいないんだよな? 」

もう一度確認。僕たちはずっと無駄なことをしていた?

「そう。本当はお兄ちゃんだけに打ち明けたかったのに仲間がいるから。

どうせお兄ちゃんのことだから秘密にはしておけないでしょう? 」

こっそり伝えるのは無意味と我が妹ながら兄をよく理解してる。

頭の回転も悪くない。顔だって竜人にしては悪くない。もう自慢の妹だ。


「それで俺たちはどうすればいい? てっきり普通の人間だと思ったのによ」

ハイは文句を言うがそれは僕には関係ない。

「僕もドラコちゃんはただのかわいらしい妖精だと思ってた…… 」

ゾークまで。でもこれは僕のせいでもない。どうしようもないこと。

騙される方が悪い。まさかドラコではなくその兄に責任を取れと言うのか?

それはないよ。今さっき聞かされたんだからさ。こっちだって分かるか。

大体妖精には初めから見えなかっただろうが。でかすぎるよ。


「すると妹のドラドラ…… 」

「ドラドラって? 確か妹の名はソラだったような…… 」

不思議がるドラコ。

「だから父さんがドラゴンとのハーフでその娘がソラ。ドラドラだろ? 」

そう妹のソラ。でもソラってかわいい名前だけどあの空に通じてるんだよな?

まさか父さんはドラゴンを意識して名付けたのか?

するとこのカズもドラゴン関係? 後で確認するか。

 

「そんなことよりこれからどうする? 」

「だったらグリーンドラゴンを復活させたら。私この近くの村に住んでるの。

ママが違うだけだから。パパもたまに顔を見せに来てくれた」

洞窟探索は兄探しからグリーンドラゴン探しへ。

急展開でついて行けない。どうしてこうなったのか?


「もう帰ろうぜ。ここにいたらよくないことが起きそう」

何となくそう思う。

「考え過ぎだよお兄ちゃん」

お兄ちゃんって言ってるがドラコは一体いくつなんだ? サバ読んでないか?

女性に年を聞くのは失礼だけど妹だから文句ないよな。

「それでお前いくつだ? 妹なのは理解した。それでいくつだ? 」

「後でパパと会った時にしっかり話すから。それまでは黙ってろって」

どうやら兄妹がいると知ったのはここ数年らしい。

複雑な関係になりつつある。さあどうしようか?


「分かったよ。よしだったらグリーンドラゴン探しだ! 」

オウといつもならハイが叫ぶのにどうも後の二人が大人しい。

これはどう言うこと?

「おいどうした?  ドラコの我がままに付き合ってやってくれよ」

二人には悪いなと思う。僕だって今知ったがそれでもドラコはかわいい妹だ。


返事がないので振り返る。

「おい怒るなよ。なあ…… ハイ? ゾーク? 」

何だか本当におかしいな。雰囲気が全然違う。下を向いてブツブツ呟いてる。

二人でお喋りしてる感じでもない。一体二人はどうしたんだ?

「まずいってお兄ちゃん。二人とも憑りつかれてるみたい」


「うぎゃあああ! 」

突然の異常行動。まるで化け物のようなうめき声を上げる。

もう普通じゃないのは誰の目にも明らか。

ああどうしてこうなった? もう意味が分からない。

そんな風に頭を抱えても二人は襲って来るだけ。


「おいゾークやめろって! ハイもふざけるな! 」

呼びかけるが反応しないどころか悪ふざけをやめない。

どうやら本当に憑りつかれてるらしい。

「ダメだってお兄ちゃん。二人はもう諦めよう! 」

二人を置いて逃げようとするドラコ。それだと仲間を見捨てることになる。

そんな薄情なことできるはずないじゃないか。

「よし分かった。気付け薬を飲ます。こんな時のために持ち歩いていたんだ」

飲ませるのは難しいのでかけてみるが変化なし。より凶暴になってる気がする。


「見てあの花! ドンドン花が開き始めてる。

あれは洞窟花の一種で十年に一度花を咲かせる珍種。

恐らくあの花をどうにかすれば意識を取り戻すと思う」

ドラコは詳しい。どうやら母さんが世界の花の研究してるらしい。

今はドライフラワーとファイヤーフラワーに凝ってるそう。


「どうしようドラコ? 」

「その花を枯らすの! 除草剤で根ごと枯らしなさい! 」

もはや命令。生意気な妹だ。しかし今はそんなこと関係ない。

急いで除草剤を探す。そんなものあったっけ? 

「もう何やってるの? ほらこれで! 根ごとごっそり行って! 」

我が妹ながら頭が回る。ただ言ってることが少し怖いな。

ドラコの言う通りに除草剤を振りまく。

「まだもっと沢山! 景観の邪魔になるから取り除くの! 」

どうも意味不明だがとりあえず洞窟花を枯らして任務完了。

これで二人も元に戻るだろう。


「おいハイ? ゾーク? 」

揺らすが反応がない。

「放っておいた方がいいよお兄ちゃん。余計なことしたら危ない」

自然に目を空けて立ち上がるのを待てと。

仕方ない。ここはこの後のことを話し合っておくか。


「そろそろ戻ろうかドラコ? ここにいたらまた同じ目に遭うぞ」

「グリーンドラゴンは? 」

「それはまた今度にすればいいだろう? 」

「ダメ! 今日中に見つけるんだから! 」

我がままなドラコ。こんな甘えてたっけ?

「分かった。分かったよ。ドラコの好きにしたらいい」


「そうだ。もしかしてアトリエ追い出された? 」

ドラコは王子暗殺未遂の噂を知ってるらしい。

「ははは…… 詳しいなお前」

「実は…… パパに黙ってるように言われてたんだ。

でも大事なアトリエを失ったなら家に来ればいいよ。皆で引っ越してきたら? 」

新たなアトリエの候補先が見つかった。


               続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ