洞窟山猫
巨大グモの追跡から無事に逃れ全員生還。
一瞬間があってレベルアップ。
集団レベルアップ!
レベルが3になった。
速さと運動神経が2上がった。
ドラコの羽が新しく生え変わり翼となった。
危機管理能力が1下がった。
レベルアップもしたことだし洞窟の奥に進むとしよう。
多少詳しいドラコを先頭に僕。すぐ後ろをゾークが。ハイは最後尾。
今のところ問題はない。一歩ずつ落とし穴に気を付けながら進む。
下にばかり意識が行って上を疎かに。
「うわ! 」
ダンジョンを進むと何かが上から落ちて来た。
一体何だろう? まるで果実のように丸々としている。嫌な臭い。
キノコ…… じゃないよな。だったら一体何だろう?
これはまさかの洞窟花?
ホワイトスノー?
白雪の花が実をつけて重さに耐えられなくなり落下したのだろう。
実物にお目にかかったのは初めて。
洞窟にはめったに行かないから当然だよな。
「食べれるのか? 」
喉が渇き腹も減ったとハイが喚く。
「無理だよ…… なあゾーク? 」
「ああ…… 茎の部分が人間では分解できないんだ。
だから絶対に食べてはダメ。観賞用として楽しんだらいいよ」
タンサン毒水につけるとぼんやりした白さが改善されはっきりする。
それだけでなく一気に強毒化する。だから無闇に取ったり触ってはダメ。
手袋をして傷口から毒が入らないように細心の注意を払って手に取る。
これでひとまず安心。これが五個も六個もあればアイテム合成が楽になる。
「おいここにも似たような花があるぜ」
ハイはお宝探しみたいで楽しいと浮かれる。
「取るな! 」
ゾークが一歩先に正体に気づく。
「どうしたんだよゾーク? カズも何か知ってるのか? 」
ホワイトレットと言ってホワイトスノーの偽物。
近くに自生していて発見者を惑わす洞窟のお騒がせもの。
危ないだけでなく合成には邪魔な厄介者。
ホワイトレットは洞窟内で見かけるのがほとんど。
だが外にもたまに生えてる場合がある。
だから外で似たのを見かけた時は絶対に触ってはいけない。
「ちょっと…… 」
「ああん? だから取ってないし隠してもいない」
ハイは疑われては堪らないと両手を広げる。
「違うって! あれあれ…… 」
そう言ってゾークが震えるものだからハイがライトを向ける。
「ちょっと何をやってるの? 」
ドラコは大人しくついて来なさいと叫ぶ。
本当に困った人たちと文句を垂れる。
「目が光った! 」
「ああこれは洞窟山猫」
ドラコは正体を知っている。と言うことは聞かされてるか何度か行ってるか?
ニーンニーンとうるさい。
目を光らせおかしな鳴き声の洞窟山猫。
ドラコによれば凶暴だが仲間にすれば頼もしいそう。
「任せて…… ほらおいで。眠くなる眠くなる」
催眠術をかけて洞窟山猫を眠らせる。
これで脅威は取り除かれたとドラコは言うが当てにはできない。
「おいおい。そんなことできるならあのクモの化け物の時に使えよ! 」
ハイが突っかかる。
「残念でした。中ボスクラスには効果がないみたいなの。それより誰かお願い」
「ちょっと近づいて確認してみてくれよハイ」
「嫌に決まってるだろう? 誰があんな化け物に近づくかよ! 」
眠ってるから問題ないと思うけど得体が知れないと怯える。
おかしいな。もっと大胆でいい加減だったのに。あの巨大グモで慎重になってる?
「だったらゾーク隊長は? 」
ハイが無理な僕にも無理。でも誰かが確認しないと。
急いで仲間にしないといけないから。それにはリーダーのゾークに任せるがいい。
「こう言うのは世話係に任せるのがいいと思うよ」
ダメだ。怯えてるよ。
二人とも結局僕任せ。ドラコを見るが首を振るのみ。
うーん困ったな。仕方ない。ここは一つ僕の特技を見せてやるか。
どうせ眠ってるなら危険はほとんどないだろう。
「おいでおいで」
優しく誘導。寝ぼけてる洞窟山猫をコントロールする。
大丈夫。動きが鈍ってる。ドラコにできて僕にできないことはないさ。
「ダメ! それ以上刺激しないで! 起きてしまう! 尻尾を早く…… 」
情けないがこれは従うしかないな。起こさないように慎重に慎重に。
後に回って尻尾を掴む。よし掴んだぞ。それから?
うぎゃあああ!
起きて騒ぎ大暴れの洞窟山猫。どうにもならない。
どうやら尻尾が弱点だがそれを触れると理性を失って大暴れするよう。
そう簡単には行かないみたいだ。仕方ない。洞窟山猫は諦めるか?
ここはいっそのこと新しい剣で成敗するのも悪くないだろう。
それが一番安全。完全に起きる前に始末する……
ドラゴを見ると首を振っている。効かないから無駄な努力だそう。
仕方ない。言われた通りにするか。
尻尾を離さずに命令。この状況なら通じるそう。
「ご主人様の言うことを聞け! 」
「ぎゃああ! 」
あれおかしいな…… 余計に騒ぎ出したぞ。これはどう言うこと?
「ごめんなさい。人間の言葉では無理みたい。だから…… 」
「よしゾーク。お前がやってみろ」
「無理だってハイ。僕は動物でも小動物とかで。
あのクモだって何となく聞き取れたけど」
ゾークは理解できても会話は無理だと正直に白状。
「何だよ使えないな。それでもリーダーかよ? 」
ハイが文句を言う。
「おいハイ! 言い過ぎだって! そんなこと言ってないで早く何とかしろ! 」
これ以上抑えておくのは難しい。体力の限界。手も足もギリギリ。
ここは処分した方がいい。寝ぼけて力が出ない今の内にどうにかしないと。
「そうだ! さっそくあのクモに任せようぜ」
ハイにしては回転が速い。
でもそれはあまりに残酷な気も。できるなら違う方法で。
「もう私に任せて! 」
ドラコはバイバイリンガムを膨らませ命じる。
すると何と不思議。洞窟山猫が大人しくなりご主人様と目の前で伏せる。
何だよ初めからドラコに任せればよかった。どうして早く言ってくれないかな?
大人しくなったところで乗せてもらうことに。
洞窟内は詳しいと好きなところに連れて行ってくれるそう。
これはラッキー! 危険もなく探す手間も省け楽ちんだ
まずは金銀財宝の回収と行きますか。ちょっとしたお小遣い稼ぎ。
続く




