巨大グモ出現!
ダンジョン探索開始。
洞窟で仲間割れしてるところで謎の少女・ドラコに遭遇。
名前もいい加減でその場で決めたっぽいし妖精って言ってる時点で嘘くさい。
ただ怪しいけど証拠もない。本当に行動を共にしていいのか?
ハイとゾークは相変わらずかわいい女の子に弱くて何でも受け入れる。
でも本当にかわいい? 妖精ってだけでかわいい気もするがそれにしてはでかい。
何がとは言わないけど圧倒される。これは新種の生き物あるいは化け物。
疑いたくはないけど人喰いオオカミの後だからどうしても慎重になる。
それなのにハイもゾークもヘラヘラしてやがる。何だかムカつくな。
慎重な僕の意見など聞きもしない。本当に困った奴ら。
ドラコのお陰でどうにか暗闇から逃れた。
これは信用していい?
交渉役は引き続き世話係の僕が担当。
だって二人とも緊張して声も掛けられないから。
たかが得体の知れない兄思いのドラコだろう?
確かに見た目ワイルドで足も長く目も大きい。その分口だって大きく見える。
八重歯と言うか牙が見える。こいつ本当に妖精か?
探してるこいつの兄も妖精か? まあ今は追及してる時でもないか。
「どうしたの? ボグの顔に何かついてる? ああ私…… 」
私や名前で言うのは聞くけどボグって変わってるな。気を付けてるが口癖だそう。
「ボグ―! 」
つい真似してしまう。
「もう馬鹿なことしない! 全然進まないでしょう! 」
呆れられる。
そこにコウモリの大群が一気に襲ってきた。
奇声を上げて波状攻撃を仕掛ける。これでは防戦一方。
「おいドラコ! 何とかしてくれ! 」
さっそく頼る。これでは先が思いやられるが仕方ない。
「ほらこれを! 」
そう言うと荷物から爆竹を投げる。
「うわあああ! 」
ハイが逃げ回りゾークが固まってしまう。
「ゾーク逃げろって! 」
しかしそれでも動けずにコウモリに囲まれてしまう。
「ごおおお! 」
どこからか獣の鳴き声が響き渡りコウモリは慌てて巣に戻る。
「ふう助かった。それにしてもあれって何だろう? 」
「さあ…… 」
ドラコの方から聞こえたがもしかして洞窟の奥にはとんでもない化け物がいる?
「では急ぎましょう」
「ちょっと待ってくれよ! 僕たちはここで一休みしようとしてたんだ」
「情けない人たち。それでもお兄ちゃんたち年上なの? 」
「ドラコって俺たちより下? でもなぜそのことを知ってるの? 」
「妖精は何でも知ってます。あなたたちが人喰いオオカミ退治した情報も」
凄いぞ。ドラコは得体はしれないが優秀だ。
お兄ちゃんと言われて悪い気もしない。
「よし行こうかドラコ? 」
ハイは年下だと分かると緊張が解けた様子。単純だな。
「ドラコちゃんはどこに住んでるの? 」
ゾークも馴れ馴れしい。
「大地。さあ行こう! 」
うまくかわしたドラコの案内を受けて洞窟の奥の方へ。
怖いが大丈夫。ドラコが言うように僕たちは人喰いオオカミを倒したんだから。
こうしてその後は特に何事もなく行き止まりに。
さあここからどうする?
兄が洞窟の奥にいる。それを信じればここが行き止まりのはずがない。
すると…… どこかに道があるはずだ。
クンクン…… ゾークは得意の嗅覚で違和感を感じ取る。
「この辺だけ嗅いだことのない臭いがする。もしかして鼻が変になったかな? 」
「よしここだな! 」
ハイの突撃で少しだけ光が見えた。
隠し扉から光が漏れる。これはラッキー!
扉をハイ得意の馬鹿力で押し開ける。
さあ進むか。
「待って! 」
ドラコが慌てて止めるがハイに引きずられゾークが後ろから押してはどうにも。
「ダメ! ここは落とし穴になってるんだってば! 」
洞窟に詳しい怪しげなドラコ。ならばなぜそれを先に教えない。
これは明らかに僕たちを誘った。道連れにしようとしたとしか思えない。
うわああ!
戻ろうと抵抗するも下がなければ落ちるだけ。
こうして意識を失う。
「おいカズ起きろって! 自分だけ気絶するのはなしだぜ」
ハイが格好をつける。何を言ってるんだこいつ?
だが目を開けるとその答えが分かった。
目の前には巨大なクモの化物。
逃げようにも床が抜けて上に戻るにはロープでも使わないと無理。
飛べればそれでもどうにかなるがそんな能力は今のところない。
よしもう諦めよう。これはきっと夢だから。
巨大なクモなんて存在しない。ドラコだって会ってない……
だがそのドラコが捕まっている。このままだと皆美味しく食われてしまう。
どうする? どうすればいい?
おっと…… こういう時の為のアイテム。
気付け薬を作ろうとして誤って睡眠薬ができてしまった。
レシピはこう。
カエルの卵とシーブラックのフンを混ぜる。
最後にタンサンを混ぜて臭い消しを振って完成。
大体一時間ぐらいは眠るはず。問題はどう飲ませるか。
「よしハイ! この薬を飲ませろ! 」
無茶なのは分かってるけどハイならできそう。
「よしゾーク投げてくれ! 」
ハイは無理そうだと分かるとゾークに任せる。無茶苦茶だ。
工房では父さんが面倒臭くて僕にやらせてそれでも面倒ならハイに。
ハイができないとゾークにと回された。でも今はそんな平和な時じゃない。
ここは村でも故郷でもなくフィールド。もっと言えばダンジョンだ。
そんな場所で人任せにしていいはずがない。
「無理だよ…… それよりカズ君が持ってればいいんだよ」
うわ…… やっぱり最終的には僕が何とかしないといけないのね。
でもそんな得体の知れないクモの化け物にどう飲ませるって言うんだ?
「そうだな。これも実験さカズ。俺たちは大人しく見守ってやるよ」
そんな風に言われたら実験したくなるのが合成師の性。
こうなったらやるしかないな。
まずは木の棒の先に睡眠薬を固めて食べさせる。
「ほらカズもっと近づけ! それだと気づかないだろう? 」
「うるさい! 気づかれたらどうする? 」
「だからそれでいんだって! 」
「よくない! ふざけるな! 」
つい我を忘れてケンカになってしまう。
それによってついに気づかれてしまう。うわ…… 最悪の展開だ。
もうどうしたらいいんだよ? どうにでもなれ!
続く




