表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
23/72

人喰いオオカミ始動! 狙われたお婆さん

跡形村。

辺りがどっぷり闇に使った頃人喰いオオカミが動き出した。

どうやら獲物を物色してるようだ。でもまだ早い。証拠を見つけてからにすべき。

ゆっくりゆっくり慎重に。オオカミから人間に変身したところを取り押さえよう。

逆に人間からオオカミに戻ったところを捕まえてもいい。


うん? 随分と余裕だな。口笛を吹いて呼んでいる?

これは味方に合図を送ってるとも考えられる。

まさか…… そんなはずないよな。一匹ではなく仲間がいるのか?

いやもっと最悪な事態も考えられる。人喰いオオカミがもう一匹いたりして。

だって僕たちは一匹見ただけで…… でもそんなことあり得るのか?

分からない。ただ仮にそうだとしたらまずいことになる。


とにかく落ち着こう。見失わないようにしなくちゃ。

うん? 奴はどうやら我慢できずにお隣の家へ。

これは一大事。もう泳がしておく意味はない。

ではそろそろ全員集合と行きますか。



<人喰いオオカミ解決編>


オオカミ候補も数名に絞られた。恐らく僕の推理通りあの人だろう。

後は探偵役をどうするか?

ゾークの隠された能力に頼るべきか? それともハイの強引な推理にするか?

またはフォレーセスの暗殺探偵と行くか? 迷うな……


「頼んだよカズ君」

ゾークは理屈っぽい僕が適任だと勝手なことを抜かす。

話し合いかクジで決めるべきなのにリーダー命令だと痛いところを突いて来る。

意外にも抜け目のない敵に回すと怖い存在のゾーク。

仕方ない。ここは大人しく言うことを聞くか。でも本当に僕でいいの?


「任せてくれ! 」

つい調子に乗る。相手は経験豊富な人喰いオオカミ。隙見せればやられるだろう。

では時間も余裕もないのでそろそろ現場へ。

本当は全然行きたくない…… もはや恐怖でちびりそう。

大人しく布団を被って寝ていたいよ。


「頑張れカズ! 」

ハイも声援を送る。嬉しいな。できたらフォレーセスからも励まされたい。

そうでなければやる気が出ない。出ないからもう帰ろうかな。

「お願いカズ! あなたにすべてが懸かってるの。もう他は誰も頼れない! 」

つい素直な気持ちを口にするフォレーセス。

そうか。そこまで僕を頼ってくれるんだね? よしではこの僕が暴いて見せよう。


うおおお!

雄叫びを上げ獲物に飛び掛かろうとするところを捕獲。

危うく引っ掻かれるところだった。気を付けないと手負いのオオカミに狙われる。

「そこまでだ! 」

ついに正体が判明。今は醜いオオカミだがその姿はオオカミからかけ離れた存在。

その正体は……



「物騒だ。ああ物騒だ。戸締りをしなければダメだこれは」

そう言うのはお世話になっている宿屋の女将さん。

ほぼ隣だから悲鳴を聞いてやって来ても何ら不思議ではない。

どちらかと言えばご主人が目立たないぐらい。

考えたくはないが知らないうちにオオカミに喰われてないか?

そうなれば宿屋代が回収できずにウッド爺は助かるがさすがにそれはまずいよな。


この村には僅かの民しか残されていない。

洞窟守も一応その一人。しかし彼は確実に違うと言う証拠を示した形。

ここまできちんと潔白を訴えられる人は珍しいそう。

盛り返したとしてもそこで止まってしまうのだとか。

洞窟守は証言通りその状況になかったとして疑いは完全に晴れたと言っていい。

初めからそこまでは疑ってなかったけどこれも戦略だから。

さあではもう少し近づいてみるか。


「お前が人喰いオオカミだな? 正体を見せろ! 成敗してやる! 」

つい格好をつけたくなる。これではまるで悪ふざけに見えなくもない。

うがああ!

どうやらまだ誰に変身していたかまでは分からない。

と言うよりも往生際が悪すぎて逃げよう逃げようとする困ったオオカミ。

しかしもはやこの家は囲まれている。

二重三重に包囲されてはいくらオオカミでもどうにもならないだろう。

さあお手並み拝見と行きましょうか?


人間の振りをしたオオカミを捕まえろ!

仲の悪いお隣さん同士。いつもいがみ合っているで有名なお婆さん二人。

そこに押し入ったのが運のツキ。



トントン

トントン

「ああんこんな夜中に何だい? 勧誘ならお断りだ。張り紙が貼ってるだろう?」

「夜分遅くに失礼します。ウルーバーイーツです」

毛むくじゃらの笑顔が嘘くさい野太い声のお兄さん。鋭い牙が特徴的だ。

「ああ何だいそれ? 耳が遠いんじゃないよ。ただ意味が分からないんだ」

お婆さんはそれでも招き入れてしまう。

暗くなってもう飯時と言うのになぜか無意識に。無防備に意味なく信用して。

それが人間でありお年寄りでありお婆さんだろうと胸を張る。

本来だったらどこも間違ってない。正しい。立派なお婆さんで立派な民だ。

しかし今は人喰いオオカミが村をうろついている。非常時とも言える。

警戒することも忘れてはいけない。

だがそれでも信じるのが人間だと言うなら仕方がない。


「おおこんなに。悪いね。誰からだい? 」

一応は仕組み自体は知っているらしい。最先端お婆さん。

だが果たしてこの村の者が知ってることはあり得るのだろうか?

「はい。お隣のお婆さんとなっております。どうぞお確かめください」

「うんうん。あの婆さんも改心したんだね。よし許してやろう。

しかしどの件を詫びたんだ? 多すぎて分からん。あんた知ってるかい? 」

「いえ…… そこまでは把握できませんので。それよりも温かいうちにぜひ」

丁寧なウルーバーイーツの配達員。

若い女性だと豹変しオオカミになると聞くがさすがにこんなお婆さんで発動する?


ついに始まる人喰いオオカミとご近所トラブルお婆さんとの戦い。


                続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ