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もう嫌! フォレーセスの災難

村と村とを繋ぐ洞窟。

現在人喰いオオカミに塞がれて復旧作業中。

ただ出口を塞がれただけなので洞窟探検はできる。

この最悪の状況改善のためにもレアアイテムゲットのためにも中へ。

何か大きな発見があるかもしれない。

「よし参加するな? だったらついてこい! 」

装備をしっかりしないといけないのに急かす洞窟守。わざとやってないか?


洞窟探検開始!

探検隊は洞窟守の先導で僕とフォレーセス。その後ろにゾークとハイが続く。

現在洞窟には人が多く出入りすることもあってランプが灯っていて明るい。

洞窟守の先導もあるし迷うことも危険な目に遭うこともないだろう。

安心して探検ができるぞ。


「ほら遅れるな! 」

フォレーセスが引っ付くからどうしても前から遅れてしまう。

「カズ君…… 」

「だってフォレーセスが…… 」

「二人で楽しんでないで真面目にやれって! 」

怒りのハイ。だから勝手に引っ付くんだって。困ったな。


「それであなたは誰が怪しいと考えてるんです? 」

フォレーセスは冷静だ。

「そうだな。ジョンが怪しいかもな。あいつは当たり過ぎだ」

当初はジョンのいつもの騒ぎだと思っていたらしい。

村ではホラ吹きジョンなどと呼ばれている。

「当たり過ぎ? 」

「そうなんだよ。人喰いオオカミまでは奴のことを誰も信じてなかった。

それが急にだから。ちょっとおかしいなと」

疑いの目を向ける洞窟守。これは一歩前進かな?

ジョンの性格が急に真面目になったとも言われてる。


村長が洞窟守を怪しんで彼が今度はジョンを疑う。

何とか自分に向かないように大した根拠もなく人のせいにしてないか?

こんな非常時にはよくあることだとウッド爺も言っていたな。

そんなウッド爺も怪しい。それはやっぱり理由もなくただ何となく。


「ねえあなたは本当に人喰いオオカミではないんですか? 」

混乱させるために適当に嘘を吐いてる場合も充分にあり得る。

もし言ってることを全部信じたら最後には喰われてしまうだろう。

「ははは! 疑り深いなお嬢さん。でも俺は人喰いオオカミじゃない。

奴には尻尾があるって聞くぜ。後ろを見てみろよ。あるかい?

そう言っていきなり下を脱ぐ。一気にお尻が見える。


「どうだい? 」

「きゃああ! ハイお願い! 」

「ええ…… うん。確かに生えてない。尻尾はどこにも」

「ははは! オオカミが人間に変身できるならその辺の処理もお手の物だろうが。

だからこれ以上いくら言っても無駄だろうさ」

洞窟守は動揺せずに正々堂々としている。候補から除外?


「もう分かった! 分かったからお尻を見せないで! 」

そうやって手の平の間から覗く。実際はそれほど困ってない?

「騒々しいお嬢さんだぜ。潔白を証明しただけだろう? 」

そう言うと洞窟守は前を向く。

当然そうなると大事なものまでがお目見えすることになる。

気にする素振りはないところを見ると洞窟守はただの変態か自信家か。

または普通の人間じゃない? それは人喰いオオカミとも言える。


「もう嫌! 」

そう言って勝手に行こうとするので腕を掴んで引き止める。

「危ないってフォレーセス。一人で行かない! 」

「カズ…… もう嫌! 」

「どうしたんだよ? 冷静になれって。たかがお尻じゃないか」

説得するがどうも下手だったのかビンタを喰らう。

どうして僕が? 確かにあのおっさんがやったことは最低だけど僕は止めただけ。

少しは冷静になれよな。これじゃあ危なっかしくて冒険できやしない。


「もう知らない! 」

フォレーセスはそう言うとようやく静かになった。雰囲気は最悪。

すべてこの洞窟守のせい。本当に最低なおっさんだよ。

どうして勝手に脱ぐかな。見せろと言われ前に見せてはただの変態じゃないか。

ここは隊の世話役の僕が仕切る必要があるな。


ポツポツ

ポツポツ

ちょっと進んだところに水が滴る天然の水飲み場。

「よし飲んで行こう」

まずは一口。それから安全だと確認してから僕たちに勧める。

雨水だから飲んでも大丈夫だと専門家の太鼓判。

「わーい! 」

貴重な雨水。ここを逃せばもうないかもしれないので飲めるだけ飲む。

溜めるだけ溜める。ゾークは空き容器に水を溜める。

「私はいい。我慢するから」

フォレーセスはすべてを拒絶しだした。大丈夫かな?

気持ちは分かるが今飲んでおかないと体力がなくなるぞ。

でもその時は体力回復の強力な特製エナジードリンクをあげよう。


「あったあった。さあ見てごらん。これがモンスターの亡骸だ」

大型モンスターで力尽きてここで眠るように亡くなったと洞窟守。

ゾークがさっそく採取に掛かる。正直こう言うのはあまり見ていたくないな。

二人に任せてフォレーセスと後ろを向いてることに。


「大丈夫かフォレーセス? 」

「何だか動きそうで怖いの」

「ははは! 大げさだな。復活などあり得ないよ」

「カズ…… 」

そう言いながら手を繋いでくるフォレーセス。相当怖かったんだろうな。

ついでにあの変態洞窟守も気持ち悪い上に怖いよな?

仕方なくそのままにしてやることに。落ち着かせるのも世話役の役目さ。


こうして何事もなく終わる…… はずもなくゾークが叫び出した。

モンスターの亡骸が動き出したのだ。まるで意思があるように。

でもそれはおかしい。だってもうすでに亡骸になっているんだから。

ただの硬直だろうと勝手に考えてる。でもそれが人間なら。

相手はモンスターだから何とも言えない。


デッドモンスター。

これが奴の正式名称。命名したのはモンスター狩りのスペシャリストの洞窟守。

「悪い悪い。言い忘れていたがこいつは再生が当たり前の厄介なモンスターだ」

洞窟守は気を付けるようにとだけ。弱点があるなら教えてくれよな。

復活したデッドモンスターは勢いに任せて襲って来る。

ただの見習合成師では太刀打ちなど不可能。

ここは大人に任せるとしよう。


洞窟守対デッドモンスター。

少し離れてじっくり見るとしよう。


                 続く

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