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洞窟守

必死に頼むが聞く耳を持たない困った爺さん。これで本当に村長なの?

「明日村長さんがいなくなるのは残念だな」

ゾークが脅しをかける。大人しいと思っていたが意外にも大胆。

さすがはリーダー。頼りになる。でもやり過ぎだぞ。


「ガキども調子に乗りおって! この儂にそのような口を利くとは……

ふふふ…… よかろう。そこまで言うなら目星はついてるんだろうな? 」

裏切り者を言えと無茶を言う。それを調べに来たんじゃないか。

どうしてそうなる。情報交換できるほどの情報は持ってない。

「それはもちろん」

ゾークが調子に乗る。もうダメ。いい加減なことしか言わない。どうしたんだ?

「よし聞いてやろう。言うがいい」

もう交渉しても無駄。だけど誰が怪しいか言わないとまずいよな。

でも誰を切ればいい? それっぽい人間でないと余計に機嫌が悪くなる。

だがほぼ人と会ってないので限られる。村人全員に目を通してないぞ。


「宿屋の主人が何となく怪しい。いや女将さんも…… 操られてる? 」

とんでもないことを言い出す。直感だとか言うが違ったらどうするつもりだ?

それでも覚醒したゾークは自信満々。これは意外にも説得されるか?

「宿屋の主人か。それは盲点だったな。しかし女将さんの方が操られてた? 

それはさすがにあり得ないだろう? そんなことする意味あるのか? 」

村長は意外にも素直にゾークの意見を聞く。もしかして流されやすい?

「そうかな? 怪しい気が最初からしてたけどな」

いい加減なことを言う。一体どこら辺が怪しいのか僕にはちっとも分らない。


宿屋の主人と女将さん。

満杯だったところを無理言って泊めてもらった恩を忘れて何てことを言うんだ?

見損なったぞゾーク。でもいい加減に言ってるようにも思えないし……

もしかしてそうなのか? いやあり得ない。 

でもそう思わせるゾークの話術って凄いんだな。

いつもはぼうっとフンばかり見てるのに。こう言う時はハイよりも頼りになる。


「確かに怪しい。宿屋の客は被害に遭ってない。

オオカミが近くに居ないかさっそく確認」

ゾークに調子を狂わされる村長。本当にこれでいいの?

「ぜひ」

「よかろう。ではこちらもとっておきの容疑者を伝えるとしよう」

こうして村長の考えを聞く。もちろん正しいとは限らないが。


村長によればあの洞窟守が怪しいと。奴なら簡単に出入り口を塞げると主張。

そして村人を逃がすつもりがないなら村を壊滅させる気だろうと。

「洞窟守? それはいくら何でも酷くない? 」

彼は自分の役割を果たしてるだけに思える。

「どうも奴がオオカミを招き寄せたのではないかと思ってる」

村長の話は確かに筋が通っている。でも何だか個人的な恨みのように感じる。

あまりいい印象を持ってない。二人の間に何かあった?

うーん。だからって違うとも。どうなんだろうか? 

僕では分からない。まだ何もこの段階では判断できない。

村長が洞窟守を。だったらさっそく話を聞くか。


急いで二人を捕まえて洞窟守のところへ。

「どうだったカズ? 」

「それが村長が洞窟守が怪しいって言うんだよ」

「そうそう。怪しいのは宿屋の二人なのにね」

いきなりそんな話をされて理解できないハイ。ちょっと難しかったかな?


「そっちは何か分かった? 」

「おいおい無茶言うなよ。フォレーセスが襲われないようにガードしてただけ。

二人っきりで村の中を歩いてただけ。そうだよな? 」

「もうこの人臆病! 怖いからって手を繋いでだって。

冗談じゃないってビンタしたら大人しくなった」

二人は仲良く観光してただけのよう。手を繋ごうとしたのはハイの手口だな。

まったくこんな時に何をやってるんだよ。あれ…… 僕は何で怒ってるんだ?

きっと時間の無駄が許せなかったんだな。そうに違いない。

とにかく今はそんな事どうでもいい。合流したのだから洞窟守のところへ行こう。

この時間ならまだ洞窟にいるはずだ。


洞窟ではパオとハンターと数名の男たちによって復旧作業が進められている。

もし洞窟の入口ならいくらでも道具を使えただろう。

でも出口側だから大きいのは通らないし重いものは運ぶのに一苦労。

通れるようになるには一日以上掛かりそうだ。


「お前たちか? 帰りたいんだろう? だが塞がっちまったらどうにもならん!」

洞窟守の太くてでかい声が響いて耳がやられそうになる。

「ううう…… やめてくれ! 」

意外にもデリケートなハイ。叫んでどこかに行かないように抑える。


「ほら落ち着いて」

ゾークがアイテムの中から適当なものを選んで嗅がせる。

これは…… まさかのウンチ。巨大草食動物のフンを用意。

ゾークはハイのためとは言えとんでもないことをする。

これはもう見なかったことにしよう。それがハイのため。


「洞窟は快適だぞ。どうせならここに泊って行くか? 」

豪快で大雑把な洞窟守。歓迎してくれるそう。

「遠慮します」

「ははは…… だったら今の内に洞窟を案内してやろうか? 」

出口が塞がっているのでそれ以上進めないし戻れない。

だが洞窟内を楽しむことは充分可能。

「カズ君どうする? 」

ゾークがリーダーなんだから決めればいいのに僕に頼る。

無茶しない方がいい。これ以上余計なトラブルに巻き込まれたくない。

しかしレアアイテムがゲットできるかもしれないと言われたら行くしかないか。


今回の旅はオオカミ探しなどではなく新しいアトリエを見つけること。

少なくても家族で移っても大丈夫なほどの大きなアトリエを探しにやって来た。

そのついでにアイテム。特にレアアイテム探しが旅の隠れた目的。


「どうする? 案内するなら急ぐからね」

洞窟守は迫る。通常ならこれは危険行為なので無視。

武器も大したアイテムもなく洞窟に入ろうとする無謀さ。

フォレーセスが首を振るが他の者は行く気満々。

説得しないといつまで経って入れないぞ。


「フォレーセスには悪いがこれも情報を掴むためだから頼むよ」

どうせ三対一で負けないのだからうまくやればいいのに時間切れになってしまう。

「よしもう時間だぞ」

そんな風に急かすがこれは大人しく従った方がいいな。

積極的で何だか引っかかる。

「よし参加するな? だったらついてこい! 」


こうして洞窟探検へ。


                 続く

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