二手に分かれて情報収集
緊急招集され人喰いオオカミ対策を話し合う。
一か所に集まったり山越え脱出はまだ考えてないらしい。
ただ戸締りをしっかりしてなるべく夜は出歩かずに複数で行動しろと。
今朝新たに四名の行方不明者が。合計で七名が消えたことになる。
村を離れてる者を合わせて約十五名。
これで残り十五人弱となった。このままでは数日で全滅だ。
「どうしたのフォレーセス? 」
「怪しい人物がいないか見てたんだけど特におかしな動きをする人はいなかった。
もちろん私たちはここに来て日が浅いし関係も薄いから…… 」
期待させるだけさせてこれかよ。でも仕方ないか。
関係が薄いのはフォレーセスもウッド爺もそうだけどね。
「お前たち腹が減っただろう? 飯でも食おう」
ウッド爺が食事に誘う。まだ昼前だからブランチかな。
村に一軒の食事処に連れて行ってもらう。
いつの間にか優しくなったウッド爺。不気味なほど。疑われないためにか?
まさか…… ただ僕たちをこんなところに閉じ込めた責任を感じてるだけだろう。
あまり深く考えるのはよそう。ウッド爺はウッド爺。
「たくさん食べて行ってね」
先ほどまで村長の隣で騒いでいた最年長のお婆さんの息子夫婦の飯屋。
村名物のツチノコのごった煮がテーブルの上に。
「ツチノコって存在するのか? 」
ハイが驚きゾークはぜひフンが欲しいと興奮して余計なことを言う。
でも確かに来年の夏までにアイテムをできるだけ揃えておきたいよな。
伝説のドラゴンアイランドでドラゴンたちを仲間にするんだから。
こんなところで人食いオオカミに喰われてる場合じゃない。
ツチノコのフルコースでお腹が一杯。もう充分かな。
「これは三年物のツチノコでね渋いんだ。一年物は甘いけどちょっと薄いから」
どうやらツチノコはこの辺りではよく取れるらしい。
またはツチノコ認定して勝手に名物にしてるのだろう。
「どうやって捕まえる? 」
ハイが興味を示す。ただその辺を歩いてるとは思えない。
「そうだ。オオカミ騒動が落ち着いたら一緒に取りに行こう」
「やった! 」
なぜかハイよりも先にゾークが反応する。本当に触れるのか? 僕は遠慮したい。
さあ希望もできたことだしどうにか今日を乗り切ろう。
部屋に戻るとウッド爺が出掛けてくると。お前たちはそこにいろと厳しい。
必ず捕まえてみせると興奮気味。大丈夫かな?
もはや人喰いオオカミ専門ハンターとなったウッド爺。
でも何度も言うように昼間は正体を現さないんだって。
「では二組に分けます」
フォレーセスが仕切る。
僕とフォレーセス。
ハイとゾーク。
二組に分かれて捜査しようと言い始めた。
「待ってくれよ! 二組に分かれるのはいいが何で俺がゾークと? 」
ハイが文句を言う。しかし歯向かっても無駄な気がするな。
「うるさい! あんたたちは仲がいいでしょう? 文句言わない! 」
「もしもの時はフォレーセスを守れるのは俺だけだ! 」
ハイの言うことも分かる。まあどっちでもいい。勝手に決めてよね。
「カズはどう思う? 」
「僕は…… ハイとがいいかな」
安全面を考えればハイは必要だ。しかしそれ以上に仲が悪くなるのがまずい。
「おいおい俺はフォレーセスとがいいんだよ! 」
ハイは譲らない。何だか怖いぐらいの迫力。一体どうしたんだ?
「ゾークはどっちがいい? 」
とりあえずゾークに決めてもらう。一応はリーダーだから。
「そうだな。僕はカズ君がいい」
リーダーの意見は絶対。
僕とゾークでハイは望み通りフォレーセスで。
まあハイの方がフォレーセスを守れるさ。
文句を言うフォレーセスを説得して二手に分かれる。
まずは村長から話を聞くとするか。
ゾークは震えながらも僕の後について行く。だから昼間は大丈夫だって。
ただ誰もそうだとは言ってないのが恐ろしいところ。
村長宅へは遠回りしたので十五分も掛かった。
「やっぱりいないか…… 」
汗だくで疲れ気味のゾークは下を向く。
「大丈夫かゾーク? 休憩する? 」
「大丈夫。フンがないか見てるだけだから。ツチノコどこだ? 」
怖いのはどうした? 一人自分の世界に入っているゾーク。
ツチノコがそんなに簡単に見つかるはずないだろう?
「ほらゾーク。ここだ。村長の家とでかでかと書いてあるぞ」
偉大な村長は人気がある。ただ目立ちたがり屋なのが欠点だとジョンが。
褒めれば叱りつけはしないだろう。
「いい顔色してますね。いっぱい出たでしょう? 」
「うん何がじゃ? 」
挨拶もせずにおかしなことを言うゾーク。
オオカミ騒動でピリピリしてるのに危険過ぎる。
「ガキどもそれでこの村長に何が言いたい? 」
偉そうな村長。もう爺さんだから態度がでかい。
僕たちが村の者じゃないからって扱いが適当。
「いえ…… 言いたいのではなく教えてもらいたいんです」
「ううん。歴史か? そうだなこの村は我が先祖の…… 」
聞いてもいないことを十分近く話し続ける。
長いな。年寄りの昔話は長いんだよな。
どうでもいいことはゾークに任せよう。
「ありがとうございます。それで誰か怪しい人はいませんか? 」
もうこの際余計な話は飛ばして聞きたいことだけ聞く。
さあ村長はどう反応するかな?
鋭い目を向ける村長。うわ…… 怖いな。
「ああ怪しい人物ならいるぞ。しかしお前たちに言うと思うか? 」
村のことは村で解決するつもりだと子供とは言えまったく信用してない様子。
困ったな。これでは解決するものも解決しないぞ。頑固なんだから。
「お願いします! 」
「ふん! お前たちに教えてやる義理などないわ! 」
必死に頼むが聞く耳を持たない村長。これではどうにもならない。
続く




