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引きこもり元オレツエー剣士の無茶苦茶ダンジョン経営  作者: 姫宮代


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第21話:モンスターの街と、郷に入れば郷に従え


【前書き:ルルの冒険記】

(新人e-Tuber・ルルの視点)


深夜さんに連れられて、物理法則を無視したショートカットで辿り着いた第4層。そこは、私の想像していた「ダンジョン」とは180度違う景色でした。


「……えっ。ここ、商店街?」


松明ではなく魔導式の街灯が並び、石造りの建物が整然と並ぶ通り。そこを歩いているのは、剣を持った冒険者ではなく――


「あ、見て! さっきのメデューサさんだ!」


第2層で深夜さんにヘッドロックされていたあのメデューサさんが、またサングラスをかけて、手に買い物袋のようなものを下げて鼻歌混じりに歩いています。


「これが『管理されたダンジョン』の日常なんだ……。もしかして、今まで私たちが戦ってきたのって、ただの『出勤中の人』だったの?」




【本編:引きこもり剣士のダンジョン経営】

(深夜・魔王の視点)


「さて。ここは攻略と言うほどの攻略は特にない。強いて言えば、モンスターの社会の敵にならないこと、だな」


深夜しんやは慣れた足取りでメイン通りを進み、一軒の頑丈そうな建物の前で足を止めた。

「よっ、ドノバン。息災か?」


店の奥から現れたのは、筋骨隆々のオークの鍛冶屋だった。「……おぉ、深夜か。また妙な連中を連れてるな」


「まあな。ドノバン、こいつらの武器が少し鈍ってるかもしれん。メンテナンスを頼めるか? ……ああ、ナハトのみんな、ここでは俺の名前が売れすぎてて、変に隠し立てはできないから諦めてくれ」


深夜は通りに面した空きスペースに、手早く露店を広げ始めた。

「ここの貨幣は、ここで稼がなきゃならない。とりあえずさっきの階層で拾ったドロップ品を、あそこの買取屋に売ってきてくれ。そこで稼いだ金で修理代を払って、メシでも食ってくるといい。……メイン通りをそのまま進めば、第5層への入り口だ」




【あとがき:ナハトの最高なギルド創世記】

(ナハト・真昼の視点)


「……モンスターが、経済活動してる……?」


私は、目の前の光景が信じられなかった。オークの鍛冶屋がいて、買取屋があって、メデューサがお買い物をしている。


「そんなのアリなの!? ダンジョンって、もっとこう、殺烈としてて、モンスターは襲ってくるものでしょ!?」


「……真昼、落ち着け。我々が知っているのは『天然ダンジョン』だけだ」

曙が震える声で自分を納得させようとしている。「ここは人工ダンジョン……。深夜さんが管理している場所だ。彼にとっては、モンスターも『隣人』なんだろう……」


「……天然ダンジョンしか入ったことがないから知らないわよ、こんな常識外れな場所!」


私たちは、深夜さんが広げた「露店」を眺めながら、アイデンティティが崩壊していく音を聞いていた。


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