25.魔王城防衛戦①
サブタイトル変更しました。
「ヤナギ殿! 今こそそなたの力を借りたい!」
ハウラルの寝起きの目覚ましで俺はその日――勇者との決戦を迎えた。
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「倉場、とうとうこの時が来たんだな」
「とうとうってまだ一年も経ってねーぞ。お前あれか、ハウスシック」
「……もしかしてそれってホームシックじゃないか」
「おーそうそうそれだ」
俺と日野は魔王城前に立って魔族の気配を探っていた。
いや、正しくは戦闘向けのクラスメイトが揃うまでの場所確保だな。
さっきまで日野が緊張するとかで俺が話しかけてみたが、どうやら効果あったみたいだ。
「倉場君! 日野君! みんな着いたよー!」
「さ、坂口さん!」
「おう坂口、今そっちに戻る」
俺と日野は坂口と他のメンバーのもとに戻る。
今回の戦いで王国から言われてるのは『勇者、賢者、剣聖、聖女、大魔導士、精霊術師を無事に魔王の元まで届ける』だったか。
これでも記憶力は良い方だと俺は思っているが、もしかしたら何人か抜けてるかもな。
「なあ、確か日野って剣聖だったよな」
「そうだな、エクストラスキルにも《剣聖》があるし間違いねーよ」
「そうか。だったら俺はお前を生きた状態で魔王の前に届ければいいのか」
「……できれば怪我無く頼む」
「ハハ八ッ! それは無茶だ! 俺、守るようなスキルねーもん」
「……はぁ」
日野が肩を落とすが疲れてるのか?
「日野、疲れてんのならおぶって行ってやるぞ?」
「やめろ恥ずかしい! 坂口さんがいるだろうが!」
「?私がどうかしたの日野君」
「あぁぁぁいや別に何もないですよ坂口さん」
「?変な日野君」
そういって坂口はゆでだこみたいに赤くなった。
ここ結構涼しいと思うんだが。
「なあ委員長、悪いが日野に水の奴かけてやってくれ。こいつ暑いみたいなんだが」
「倉場君、彼に冷水は必要ないわ。そっとしておいてあげて」
「おう、委員長がそういうならそっとしておく」
俺は言われた通りに日野をその場に放置しておいた。
その間も日野はゆでだこみたいなままだったが本当にあのままで大丈夫なのか?突入までもうすぐなんだが。
俺たちは《軍師》スキルを持っている一ノ瀬が立てた作戦を聞いてから行動に移した。
正直、六人で六人を守り切るのは無理なのではないかとも思ったがそこは《軍師》、完璧とまではいかないがそれならば最小限のダメージで六人を連れて行けそうだった。
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という事が魔王城前で行われてた。
え?どこから聞いてたかって?
そりゃあ話は最初から最後まで聞かせてもらいましたとも。
《透明化》と《魔力操作》で地面に足跡を付けることもなく安全に聞かせてもらいましたとも。
《透明化》についてはMPと《消費減少》、《継続延長》でかなりの時間ゆっくりできたし、MP回復ポーションもまだまだ余ってるからね。
それにしても《軍師》持ちの少年、いや、同級生のはずだし少年はないか。
この男の子、魔王城の目の前で作戦立てるとか馬鹿なの?
こっちからも丸見えだし、作戦がスキルだよりでお兄さんとても悲しい。
……彼15歳だし俺がお兄さんでもいいと思う。
そういえば玲奈……坂口がむやみやたらと俺に近づいて触ろうとしてきたんだけどあれはいったい何だったんだろ。
《透明化》で俺のことは見えてないはずだし、《心眼》を使ってもヤンデレてたりして俺の気配が分かるわけでもなかったんだよな。
世の中は不思議なことでいっぱいだ。
とりあえず彼らの作戦と人数、その他レベルとかいろいろハウラルに教えた。
「なるほど、情報を持ち帰ってきてくれてありがとう。あとは俺たちの仕事だから今はゆっくりと体を休めていてくれ」
いやー、ハウラルさんマジかっこいいっす。
ということで俺は魔王様に《集めし者》について伝えることにした。
魔王が勇者との決戦に玉座を用いるのはもはや形式化しているようだ。
「あ、シンイチ! おつかれさまー」
魔王様は俺を見た瞬間に飛びついてきたのでそのまま抱きしめてやる。
「ああ。ミラ、お前の謎ステータスについて分かったから話すけど、いつまでこうしてるんだ?」
「う~ん、シンイチが話し終わるまでいい?」
「……わかった。じゃあこのまま話すな」
「……という感じだ」
「うーん、私には無縁そうなスキルだね」
「……ほんと、どこからそんな難しい言葉覚えてくるんだか」
「えへへー、秘密!」
そうしてミラが俺から離れたのと同時。
下の階から爆発音が響いた。
主人公以外の目線で書くの、難しいですね。
ちなみに主人公の《透明化》持続時間です。
8600×2+8600=25800=7時間10分




