18.逃走
ミネルバははっきりとした敵意と殺意をこちらに向けている。
こんな状況ではあるが別段焦ることは無い。
付属品さんとの脳内会話をもとにスキルを発動してみる。
《情報視認》
名前:ミネルバ=クライレンツ
種族:人
年齢:26
LV:48
状態異常:
基本スキル:《長剣術LV.5》
ユニークスキル:《十字剣》《反撃》《真空波》《諸刃》
エクストラスキル:《神聖》
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HP:554/554
MP:989/989
攻撃力:208
守備力:76
素早さ:124
魔法力:35
運:61
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俺、ここまでのスキル持ち初めて見たかもしれない。
<主はこれ以上持ってましたよね>
......俺みたいな上限なしは含めないのが常識だし。
というか俺のステータスってどうなってたっけ。
《情報確認》
名前:柳 真一
種族:人
年齢:15
LV:54
状態異常:
基本スキル:《剣士LV.2》《闇属性魔法LV.1》《消費減少LV.1(隠)》《継続延長LV.1(隠)》
ユニークスキル:《情報確認》《情報公開》《情報視認》《錯覚才能(隠)》《触覚麻痺(隠)》《透明化(隠)》《異次元空間(隠)》
エクストラスキル:《才能創造(隠)》《心眼(隠)》《創造肉体譲渡(隠)》
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HP:5400/5400
MP:5400/5400
攻撃力:540
守備力:540
素早さ:540
魔法力:540
運:540
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......人間ってなんだっけ。
<そんな落ち込まなくても。元々勇者なんて魔王討伐の為に召喚されるのですからそこら辺の人間には太刀打ちできなくて当然なんですよ>
俺、魔王を倒したら人間をやめようかな。
「――という事だ。何か反論はあるか」
「え、ゴメン何、もう一回言ってくれ」
「主、要するに聖剣誘拐について何か言いたいことはあるかという事ですよ」
おお、付属品さんよく聞いていてくれた!
「なるほど、特にないな」
「認めるのか」
「認めるも何も事実だしなあ」
だって
ストーカーされる→ストーカー拉致→ストーカー着せ替え
だもの。
「では大人しくついてきてもらおう」
「いやいや、それとこれとは話が別だよ」
「つまり誘拐は認めるが投降は拒否すると」
「ああ、ミネルバだけなら負けるどころか圧勝だろうし」
否定はしない。でも正直圧勝できるかはまた難しいところな気がする。
<では先ほどのははったりなのですか?>
それは違う。
圧勝は無理でも勝つのは簡単だ。それが撤退ならなおさら。
避けたいのは増援が到着することなんだよ。
だからミネルバを押してさっさと撤退するに限る。
「なら試してみますか?本当に圧勝できるか」
「少なくともギルドと仕事とで猫を被ってる人には負けないけど」
「そうですか。では受けてみなさい!」
先にミネルバが仕掛けた。
長剣がまっすぐ心臓に跳んでくる。
俺はそれをグリモアで簡単に逸らす。
だがミネルバはあろうことかそのまま突き進んでいった。
「喰らいなさいっ!」
「――――っ!」
ミネルバは俺のすぐ近くまで近づくと急激に速度を落として腰に備え付けていたもう一本の剣を取り出す。
「《十字剣》」
二本の切っ先が俺に迫る。
なるほど、あくまでも二本使っての技か。
てっきり素早い一太刀で二度切り付けるもんだと思ってた。
これなら防げ――るっ!
「ほお、これを防ぐとは。さすが火竜を討伐できるだけのことはありますね」
「いやいやおかしいでしょ何あの威力」
「おかしいも何もただ先ほどの突きの勢いを乗せただけですよ」
化け物かこいつ!
そんなことできるとか明らかにレベル以上だろ。
「でもよかった」
「?何を言っているのですか」
「気づかないのか。この部屋に三人しかいないこと」
「――まさか!」
「付ぞ……イルビに撤退してもらえばあとはこっちが逃げるだけなんだよね」
「っ!逃がすものですか!」
HP:5400/5400→4900/5400
素早さ:540→5540
「じゃあな、ミネルバギルド長」
「待ちなさい!」
俺が窓から飛び出して城門の外に出るのに5分もいらなかった。
でもさすがに城門を飛び越えたのは見られてるはずだから少し遠くにある山脈で付属品さんと待ち合わせをする。
<もしもし付属品さん>
<はい、どうかしました?>
<待ち合わせ場所なんだけどさ、山の登山道で待ってるから>
<了解です、今すぐ向かいます>
俺はグリモアを片手にこの前火竜討伐のために登った山に急いだ。




