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異世界を無限のスキルで生き延びる。  作者: 巫女崎
異世界召喚編
11/48

11.勝利の代償

サブタイトルを変更しました。


 冒険者ギルド最深部。

 そこはまるで牢獄の様だった。


 牢屋の中には老若男女関係なく閉じ込められている。

 ヨルド曰く、ここにいるのはこの街で重度の犯罪を行ったものだそうだ。

 俺たちが一番奥についたとき、牢屋には小学生ほどの少女が閉じ込められていた。

 彼女はまさに絶望絶頂期ですって顔だ。


「ヨルドさん、彼女はいったい何をしてここに入れられてるんですか?」

「いや、彼女だけは別に何もしていない。ただ、一つ言うとすれば彼女は魔剣なんだ」

「なるほど、それで俺をここに連れてきたわけですか」

「ああ、うちには彼女以上に強力な武器は無いからね」


 魔剣以上に強力な武器がないのか。それはこの街にある聖剣が弱いのかそもそもここに聖剣がないのか、ヨルドが俺に嘘をついているのか。

 《心眼》は最深部に来てから強制シャットダウンされた。ここだけ魔法が使えないのだろうか。


 だがどっちにしろ俺に与えられた選択肢は一つだ。


「なあ、名前を教えてくれないか」


 俺は魔剣(かのじょ)を手に入れる。というか武器が欲しい、素手じゃきつい。


 彼女はしばらく黙っていたが、こちらの目を見て考えた後、教えてくれた。


「......魔剣...グリモア...」

「グリモアか。これからよろしく、グリモア」


 俺は笑顔で彼女を見た後、ヨルドに鍵を開けさせた。

 グリモアに手を差し出すと彼女は迷うことなくその手を取った。

 だがそこに笑顔のようなものはない。彼女はあくまでも牢獄生活とはかりにかけて選んだだけなのだから。

 それが分かってしまうあたり俺も同じようなものなのだろうか。






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






「主、ありがとうございます!これで私も自由に行動することが出来ます!」

「それはよかった。グリモアも可愛いぞ」

「......」


 付属品さんは珍しく嬉しそうに感情を露わにしていた。

 グリモアにはドレス風の可愛らしい服を着せたが相変わらず無関心だ。

 お金はハンターベアの報奨金(金貨250枚)から出した。


「付属品さんは早く下着買ってきてくれ。今はズボンだからいいものの、スカートとか穿くときに困る。グリモアも一緒に買ってきたらどうだ。女の子にとって新しい衣服は大事だろ」

「はい!さあグリモアちゃん、私と一緒に下着買いに行きましょう!」

「...分かった...」


 付属品さんがグリモアの手を引っ張るようにして二人は買い物に行った。もちろんお金は付属品さんに渡した。

 ...付属品さんって体の有り無しで性格変わる人だったのかな?


 俺もこれからどこに行こうか?それとも今日一日ゴロゴロしてるか?

 二人がいない間に依頼でも——

 俺は宿の窓を思いっきり開けた。そのまま顔を出そうとするとすぐ下からナイフごと俺に突っ込んでくる。

 俺はナイフを持っている手を掴むとそのまま部屋の中に叩きつけた。

 その不可視の体は徐々に色を帯びていき、フードを被った男が姿を現した。とりあえず手足の骨を折っておく。


「......っ!」


 お、結構我慢強いね。俺を殺しに来たことを含めて考えると暗殺者か殺し屋かな。

 首の骨も折ってやろうかとも考えたけど死ぬかもしれないからやめた。でも手足はもうちょっと折っておこう。そして拘束。


「主!ただいまもどりまし...た......」

「ん、付属品さんお帰り。ちょっと拷問中だから待ってくれ」

「......(ムズムズ)」


 これを見て付属品さんは引いてた。まあ当然か。

 逆にグリモアは自分もやりたそうにしていた。ドSだった。






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






 あの後男はグリモア流の拷問ですべてを吐いた。そして天に召されていった。グリモアの拷問って怖いね。

 彼は暗殺者だった。依頼者は街の人々、というよりヨルドのファンほぼ全員。

 なんでもヨルドを倒した上に仲の良い俺が気にいらないとか。完全に私怨だ。


 なのでグリモアの初使用も兼ねて依頼したファンを何十人か切った。

 別にこれは私怨じゃないと思うよ?ただまたここに来た時に邪魔になるかなーって思っただけだよ?え、それが私怨だって?............。


 三人で付属品さんの武器を買いに行った。

 形状はレイピア、材質は聖鉄というとても強度のある金属だそうで他と比べてもかなり高かった。

 あと付属品さんにはレイピアが使い物にならなくなった時用に暗殺者のナイフを持たせる。

 軽く振らせたけどけっこう使いづらそうだった。


 ギルドには暗殺者の男が持っていた契約書を提出した。

 受け取ったカウンターの女性は慌てたように奥に駆け込んでいったが別にヨルドと話したいわけではないのだ。

 これはあくまでも脅し、次は無いという警告だ。


 それからグリモア、彼女はヨルドのファンを切ったあたりから饒舌になった。

 グリモアの先代の使い手は優しい人で人切りをしなかったそうだ。その結果切らないくらいなら死にたいとまで思ったそう。

 もちろん切る人は選ばせてもらう。無関係の人を切るほど俺も人間をやめてはいないからな。


 そうして俺たちは次の国、アルセナへと向かった。


 その3日後、勇者一行はこの街を訪れた。


第1章 完。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。


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