第09話新たな声
ジェンヌが相立に倒された瞬間、フォンデュは相立に、咄嗟に駆け寄っていった。
「相立さん!大丈夫ですの!?」
相立の身を案じる。相立はフラフラとフォンデュに近づき、肩にポンと手を置くと、
「少し…大丈夫じゃないかもな…」
それだけ言い残し、その場に倒れ込んだ。
相立は、医務室で寝かされることとなった。
―――――――
相立がいなくなった後の作戦室では、相立の代わりにシェラが進行を務めることとなった。
「相立さんは倒れてしまいましたが、まだこれからやるべき事がありますわ。千夏、任せますわよ」
「はいはいはーい!ちなっちゃんにまかせんしゃーい!」
シェラに何かをお願いされた千夏は、先程相立と死闘を繰り広げ、敗北したジェンヌの元に駆け寄り、虫眼鏡越しに覗き、鑑定する。
「ふむふむ…うん!わかったよー!」
ある程度鑑定が終わったのか、千夏はその結果を話し始める。
「結論から言うと〜、この男、ジェンヌは雇われてここを襲った能力者だね〜」
「つまり、どう言うことですの?」
フォンデュは質問する
「ん〜?そーだな〜、つまり〜黒幕は別にいる!みたいな?」
「フォンデュさん、千夏が言いたいことは簡単ですわ、このジェンヌにここを襲わせることを命じた敵がいる。そう言うことですわ」
「なるほど…わたくし、理解しましたわ!」
「んで〜、ジェンヌの鑑定結果よると〜敵は組織みたいだね〜構成員は大体5人くらいかなぁ?」
「そこまでわかるんですわね…」
フォンデュは、千夏の鑑定の性能の良さに驚きを隠せない。
「まぁそんなところかな!以上!ちなっちゃんからでした〜!」
一仕事終わった千夏は自分が元々座っていた席に戻ってぼーっとし出した。
その後、シェラはなんかしらの決断を下したのか、皆に向き直り真剣な眼差しでこう言った。
「これから、また同じように刺客が送られてくる可能性がない、とは言い切れませんわ。よって、前々から企画されていた"あれ"をやりましょう」
「"あれ?"」
「"あれ"とはつまり、『ノヴァス最強は誰だ!最強決定戦!!(名称千夏発案)』のことですわ!」
「初耳ですけども!?」
シェラの口から一言も聞いたことのない単語が出されて困惑するフォンデュ
「この決定戦は、ワタクシ達の最強を見つける為だけにやるのではありません、ワタクシ達が戦い、磨き合うことで、戦力の増強にもつながる。そんな狙いもありますのよ!」
なんだかとんとん拍子に話が進んでいく。フォンデュは近くで困惑するしかなかった。
すると、医務室の方で音がした。
「それはまた今度だな…」
音の正体はボロボロの相立であった。咄嗟に近くにいた猪虎が相立に肩を貸す。
「まずは…フォンデュに実戦をもう少し経験させたい…ノヴァスメンバーの1人と、任務を共にしてくれ…」
「わ…わかりましたわ…」
「そうか、わかったなら…いい」
相立が上手く話をまとめてくれた。
「その話…私が、あの、やっても、えっと、いいですか?」
作戦室に突如として現れたその声は、新たな声だった。




