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24.生徒会研修:庶務? 葉桜 蛍

後書き長いです。

生徒会室。今日は終礼が早く終わったので、まだ生徒会室には私のシノの二人しかいない。

(…チャンス、か)

「ねぇ、シノ?」

「ん〜?何?」

シノはすっとぼけるが、私が言いたいことくらいはわかっているだろう。

「例の件…結局どうするの?もう十月も半ばなのに全然何もしてないじゃん」

そう。十月頭に色々あって両思いであろう日陰と神羅をくっつけ……関係を後押ししようと言う協力関係を私とシノの二人で結んだ。

しかし、シノは何をするでもなく二人をそのまま見ているだけだ。

焦ったくなった私は何かした方がいいのではないかと思って、それとなくシノに聞こうとしたが…。

何の嫌がらせかシノの周りにはいつも誰かがいて、なかなか話しかけることができなかった。

シノは普段ほとんどの時間を鏡さんのそばで過ごしている。まぁ、従者なのだから当然と言えば当然だが。

シノがあまりにも一人にならないので、もう諦めて鏡さん一人くらいなら話しても良いのではないかとも思った。

しかし、あの話し合いに鏡さんを呼ばなかったと言うことは…鏡さんには知られたくないと言うことだろう。

口の上手いシノのことだし、その状況下では適当にはぐらかされて結局何も話が進まないのがオチだ。

というわけでここしばらくはもどかしく悶々とする時間が続いたのだが…やっとチャンスが訪れた。

鏡さんがいる3組の担任の深井先生はふわふわとした癒し系の雰囲気を放つ先生で、とても話が長い。基本3組は終礼が終わるのが一番最後だ。

よって…今なら鏡さんが来る前に安全に話ができる。

3組の様子を少し確認してきたが、まだまだかかりそうだったし、ようやくシノとゆっくり話ができるだろう。

私は言葉を続ける。

「そろそろ行動を起こさないとやばいんじゃないの?あの二人あれだけいい雰囲気醸し出しておいて結局どっちも奥手だからどうしようもないんだけど」

「そう焦る必要はないよ〜あゆぽん。生徒会選挙は3学期始め。遅くとも新年が明ける前のクリスマスあたりにくっついてればいいから〜」

人に協力を頼んでおきながら、シノの態度は悠長なものだ。

「えぇ…そんなんギリギリだし、クリスマスにくっつくって確証もないじゃん。大体冬休みに日陰と神羅がわざわざ会うとかあり得る…?」

「別にただクリスマスが来るだけだったらボクももうちょいそれまでに色々やるんだけどねぇ。そ〜いうってことはぁ、あゆぽんは知らないんだね」

「知らないって、何が?」

「ひーちゃんの誕生日は12月25日。つまりクリスマスなんだよぉ〜」

「そうなの!?知らなかった…い、いやでもそれを逃したらマジでもうチャンスないよ?本当に上手くいくの??」

というか冷静に考えたら誕生日だからと言って二人が会う保証はないし、寧ろ日陰の両親の様子から察するに誕生日は家で盛大に祝われていそうなものだ。

神羅は日陰の両親…特に父親に目の敵にされている。家に行ったところでそう簡単に合わせてはもらえないだろう。

しかし、不安そうにする私をみてもシノは余裕を崩さないままだ。

「シノは何でそんな余裕そうなの…?」

私の問いにシノは不思議そうな顔をした。

「あゆぽんこそ。何でそぉ必死になるの〜?」

何で。それに対する答えなんて一つしかない。

「決まってるでしょ。日陰と神羅が…二人が。"大切な友達"だからだよ」

まだこの学校に来てから少ししか立っていないけれど、それでも日陰と神羅はたくさんのものを私にくれた。

勇気を出して外に一歩踏み出さなければ、一生手に入らなかったであろうものを。

だから私は…2人に応えたい。私が2人から貰ったたくさんのものに対して、少しでもそれに見合うものを返せるように。

「大切な友達かぁ〜。いい話だねぇ。でもあゆぽん、何かを選ぶことは…何かを捨てることと一緒だよぉ」

「……何が言いたいの」

「今回あゆぽんはボクに協力することを選んでくれたけど〜、それはひいては一条院先輩への敵対でもあるってコト、分かってるよねぇ?」

「分かってるよ。…もちろんね」

私は今回生徒会のメンバーとしてではなく、あくまでも日陰と神羅…2人の友達としてシノに協力したつもりだ。

しかし、一条院先輩にとって私の立場や考え、思いなどは一切関係ない。

前から私のことをシノの手下だの駒だのと疑っていた一条院先輩にとっては、私がシノ側についたようにしか見えないだろう。

「別に私としては中立のままなんだけどね…今回だけ別としてみてくださいっていうのがかなり厳しい言い分だっていうのは自分でも分かってるつもりだよ」

そんなつもりがなかったとは言え、一条院先輩にとって敵対するような選択をしたのは事実だ。

一条院先輩との、敵対。

改めて考えると…あれ?結構やばいのでは??

…あ〜なんか胃がキリキリしてきたな。

とは言え、覚悟はすでに決めている。一度言ったことをそうそう簡単に覆すつもりはない。

「う〜ん…まぁ、取り敢えずは私も静観することにするよ」

一度シノに協力すると言った手前、余計な行動は避けるべきだろうし。

「分かったよぉ〜。よろしくねぇ」

シノがのほほんと返事をする。

もう少し緊張感を持って欲しいものだ。

すると、不意に生徒会室の扉がガラリと開いた。

…どうやら誰かが来たらしい。

「爽!急ぐのです!!時間は刻一刻とすぎていっているのですよ」

「ったく、わーってるよ。蛍」

この声…数間先輩と蛍先輩が来たようだ。

蛍先輩は最初の自己紹介の時以来、顔を合わせていない。かなり久しぶりだ。

数間先輩は両手を仕事が山のように入れられているカゴで塞いでいる。

両手が塞がっている状態でどうやって入ってきたのかと一瞬思ったが…足でドアを開けたようだ。

行儀は悪いけど、器用だな…。

「いつも通りこれは蛍の机に置くのでいいな?」

数間先輩が蛍先輩に問いかける。

「そうなのです!爽、宜しくなのです!!」

蛍先輩に合わせてアホ毛もぴょこんとお辞儀する。

(相変わらず不思議なアホ毛だな…)

「はいよー」

数間先輩がカゴを机に置く。瞬間、ドゴォン!!というおよそ紙束が立ててはいけない音がした。

「……え?」

しかし、ドン引いている私を置いて会話は続いていく。

「爽、ありがとなのです。私1人では重すぎて運ぶのが大変なので助かったのです」

「別にいつものことだし気にすんな、蛍。つーか蛍の場合身長が低すぎるから運ぶというより引きずるだろうがな」

「そ、そんなことはあるけど酷いのです!人が気にしていることを〜!!」

「悔しかったら俺の身長を抜いてみるこった」

数間先輩が心底楽しそうな表情を浮かべて蛍先輩をからかう。

「ぬ、抜けるわけがないのです…!爽の身長は180を優に超えているのです!!爽は私が抜けないのをわかってて言ってるからイジワルなのです!!」

「そーだなぁ。蛍は毎日欠かさず牛乳飲んでその身長だもんな」

「ぬぐぐ…いつか絶対身長を越してやるのです!いつもは見あげてばっかですけど、爽に見上げさせてやるのです!!」

蛍先輩の気合いを表すようにアホ毛がググーッと伸びた。

「あっそ。まーほどほどに頑張れよ。成長期がとっくに終わってる高二になってその身長だから無理だろうけどな」

「むぅ…爽のイジワル」

「んじゃ〜そろそろ仕事始めるぞ。最終下校時刻に間に合わなくなるからな」

「了解なのです」

すると、コンコンと規則正しくドアがノックされる。

入ってきたのは凛堂先輩と綾目先輩だ。

「4人とももう生徒会室にきていたのね」

驚いたように凛堂先輩がいう。

「真面目で凄いなぁ!偉いぞ!!」

綾目先輩が大雑把な相槌を打った。

綾目先輩とはちょくちょく顔を合わせるものの、あまり話さないので毎回少し緊張する。

…噂は良い悪いに関わらず、よく聞くけれど。

「菫ちゃんとかいちょー!久しぶりなのです!!」

「蛍、もう体調はいいの?」

凛堂先輩が尋ねる。

「もうすっかり元気なのです!!というか爽が心配性すぎるだけなのです」

「体調…?」

というか数間先輩はどこから出てきたんだ…。

「あゆぽん知らなかったの?蛍先輩は体調不良でここのところ学校を休んでたんだよ」

シノが先ほどまでの間延びした雰囲気から切り替え、説明してくれる。

「へぇ…。あぁ、それで生徒会研修が蛍先輩だけまだだったんだ」

「まぁ、蛍と同じ2年生である私達が説明してなかったし、知らなくても無理はないわよ」

凛堂先輩がフォローしてくれた。

「あっはっは!それで蛍を最近見かけなかったのか!いやーどおりで。おかしいと思ってたんだよなぁ」

「お前は知っておけ、綾目」

同学年だろうがと数間先輩が呆れたようにいう。

「むー。それにしても爽は厳しすぎなのです!ただちょっと喉が痛くて鼻水と咳が止まらなかっただけなのに!」

「それを風邪というんだよ!!」

「鼻水と咳がおさまっても、まだ仕事はダメだって言ったじゃないですか!!」

「それは喉がまだ痛いのを蛍が隠していたからだろ…」

「うっ」

「蛍は分かりやすいからな」

「ううぅ〜…で、でも」

「去年大丈夫だって言って無理した後、盛大に体調を悪化させたのはどこの誰だ?あ?」

「……私が悪かったのです」

「分かればいいんだぞ、蛍〜」

「なんでそこで綾目が割り込むんだよ…」

「会長、空気読んで下さい」

数間先輩と凛堂先輩の二人から咎められた綾目先輩は何故だ?と首を捻っていた。

「皆さん、お喋りもよろしいですが、そろそろ仕事を始められてはどうですの?」

「一条院…いつ来てたんだ」

いつのまにか一条院先輩が生徒会室に入ってきていた。

「つい先ほどですわ。…で、無駄話をしている場合ですの?」

「そうなのです!仕事をしないといけなかったのです!!茉莉花ちゃん、ありがとうなのです!」

「ふふ、別にお礼を言われるほどのことではないですわ。元気になったようで良かったわね、蛍」

「ふふん、もう元気いっぱいなのです!!」

ぴょこぴょことアホ毛が機嫌良さそうに揺れる。

「コホン。それでは各自仕事を始めましょう。丁度蛍も来たことだし、歩友さんは今日蛍のところで仕事をしてくれる?」

「了解です」

これが最後の生徒会研修…蛍先輩か。

果たして、いったい何をすることになるのだろう…?


ガチャン、と音を立ててドアが閉まる。

「こんな大きな部屋が隣にあったなんて…知らなかった」

ここは、生徒会室のすぐ隣。

教室の名前が書かれたプレートが掠れてはっきりとは読めないが、ところどころうっすらと見える文字から察するに、どうやら資料室と書かれているらしい。

「ここに入るのは初めてなのです?」

蛍先輩が紙束を手に取り、尋ねてくる。

「えっと…まぁ、はい」

「それならこの場所の説明から始めるのです。ここは資料室。まぁその実態はみんなが書類や普段使わないものを置いておく物置なのですが」

「なるほど…ここは物置」

「資料室なのです!!」

勢いすごいな…。

「え〜っと、はい。資料室なんですね」

「そうなのです!仕事で何かわからないことがあれば、ここにくれば何かわかるかもしれないですし、分からないかもしれないのです!!」

「なるほど…」

(なんとも言えない場所だな…)

「そこはどっちなんだよとツッコむところなのです!!」

「え、あ…どっちなんですか?」

「もう遅いのです!!」

(り、理不尽…)

このままこの話を続けてもあれだし話を逸らすか。

「え〜っと…蛍先輩の役職って何なんですか?」

確かまだ聞いていなかった気がする。

「私の役職ですか?特にはないのです!」

「え?特にない…?」

「私の仕事は誰もやらなかった仕事を片付けることなのです!内容自体が多岐に渡るので特にこの役職!と断定できるわけではないのです。それに私自身が役職をあまり意識したことがないのです」

「そうなんですね…」

役職の名前がないとかあるのか…割とそういうの気にする人が多そうだったからみんな決まってると思ってたんだけど。

「あ!でも、皆は私の役職を庶務と呼ぶのです!!だから、歩友ちゃんも呼びたかったらそう呼べば分かりやすくていいと思うのです!」

(なるほど…庶務。あれ?蛍先輩が庶務ってことは何か足りなくない?)

私は指を一本づつ折りながら考える。

「綾目先輩が生徒会長、凛堂先輩が副会長、一条院先輩が広報、数間先輩が会計、シノが交渉兼人事、鏡さんが次期生徒会長としての補佐…やっぱり"書記"が足りない」

足りないというか、今回の場合そもそもの存在がないの方が正しいのかもしれないが。

「言われてみれば確かに書記はなくなってるのです」

「無くなってる…?前はあったってことですか?」

「去年は菫ちゃんが書記だったのです」

「凛堂先輩が…」

凛堂先輩の生徒会メンバーの得意不得意や仕事内容を熟知した正確かつ早い書類の割り振りっぷり…去年が書記で生徒会メンバーの書類に触れる機会も多かったとなればしっくりくる。

「でも今年は各自で仕事の書類を処理しているので、書記とかあまり関係なくなってるのです」

「あ〜…確かにそうですね」

凛堂先輩が主にやっていたのは仕事の振り分けだし、数間先輩や一条院先輩は自分で書類を記入していた。

確かに書記がいなくてもあまり支障はなさそうだ。

書記は生徒会の役職として割とあるイメージだったので意外だが。

「それではお話はこれくらいにして、そろそろ仕事を始めるのです!」

「了解です」

資料室の中にある机に蛍先輩は紙束をおき、椅子に座って仕事を始めようとする。

「あれ?先ほど数間先輩が運んでいた書類の山は…?」

「あぁ、あれはもう既に処理が終わった書類なのです」

「あれ全部がですか!?」

「朝と休み時間と昼休みに片付けた分だけなので、あまり量が多くはないのですが」

「あれで量が多くはない…?」

私は書類の山が立てた音を思い出す。

嘘でしょ…嘘だよね?嘘だよ。

ていうか十二分に量多いって!!

しかし蛍先輩のなんてことなさそうな表情は、それが本当であると証明していた。

呆然とする私をさておいて蛍先輩は仕事を始め出す。

「………」

とても集中しているようで本人は無言だが、頭上のアホ毛は壊れたメトロノームのように不規則に左右に揺れている。

「あの〜蛍先輩?」

「…?」

アホ毛がクエスチョンマークを示す。

蛍先輩は無言だが、話を聞いてくれていると判断して私は言葉を続けた。

「え〜っと、私はどの仕事をすれば良いんでしょうか?」

「…!」

蛍先輩のアホ毛の先は少しの間その場で考え込むようにくるくると回っていたが、やがて一つの書類の束を指し示した。

「これをやれば良いんですか?」

「…」

アホ毛が頷くようにお辞儀する。

「えぇっと…分かりました」

内容は…風紀組織通称お茶会(ティーパーティー)の活動申請書類…。

書類の頭を少し読んだだけなのに、何だか嫌な予感がする。これは間違いなく普通じゃない受注書だ…。

というか風紀とお茶会に何の関係が…?

ツッコミどころしかない申請書類を前に私は唖然とし、立ち尽くすことしかできない。

ちらりと視線を蛍先輩の方に滑らせてみるが、相変わらずアホ毛を不規則メトロノームさせており、こちらに気を払う様子はない。

…いくら意味不明な申請書類だとしても、蛍先輩は私なら任せられると思って書類の処理を任せてくれたのだ。

その期待を裏切ることはしたくない。

それに、まだ書類の頭に目を通しただけだ。この先をきちんと読めば、案外まともな書類という可能性も捨てきれない。

まともな書類は最初からまともなことが書かれているはずだという冷静な自分の心の声を無視し、書類の先に目を通す。


風紀組織:お茶会(ティーパーティー)活動申請について。

私共は、本校のたるんだ生徒たちに風紀を乱すことの悪質さと礼儀とは何たるかを叩き込み、誰に見せても恥ずかしくない生徒の教育、矯正に励みます。

理念:誰に見せても恥ずかしくない自分を

構成メンバー

リーダー:シルク

幹部:シュガー、カトラリーの計三名。

活動内容

一つ:登校、下校時の挨拶運動。並びに指導。

二つ:昼休みのお茶会

三つ:放課後のお茶会

部室の条件:窓があり、直接の日差しが当たらず、茶器や茶葉を良い状態で保存できる部屋。

私共はお茶会という場を通して、多数の生徒に礼儀を教え、風紀を整え、風通しの良い学校づくりに協力する所存です。


…なるほど。これは…

(ただお茶会をしたいだけでは?)

風紀だの挨拶運動だのと苦し紛れにそれらしそうなことを言っているが…活動内容は風紀活動よりお茶会の割合の方が高い。

部室に至ってはもはや風紀関係ないし。

それに加えてメンバー名がシルクにシュガー、カトラリーとは…一瞬外国人かもと思ったが、どう考えても偽名である。

だって名前が思いっきりカタカナで書かれているから。

アルファベットで書かれていれば、フルネームを書かなかったと誤認させられたかもしれないが。

この書類に書かれているのは本名ではなく、二つ名とかあだ名と考えた方がしっくりくる。

(まぁ、ツッコミどころは書類だけでも色々あるけど…取り敢えず理由つけて校内お茶会を開催したい集団という認識で良さそうかな?)

これはまたクセの強い人たちがクセの強い書類を出してきたなぁ…。

この学校は校則がそこまで厳しくない部分も割とあるので、昼休みに自分の机でティーセットを使い、細々と紅茶を啜るくらいなら誰にも咎められることはないだろう。

…周りからの奇異の視線は間違いなく向けられるだろうけど。

しかし大々的に表向きは風紀組織として、校舎の一部を部室として使い、お茶会を開くとなると話は別だ。

正直かなり受理するのが厳しい内容の書類である。

これは流石に不受理処理で良さそうなものだが…。

凛堂先輩が不受理にしてないということは…これは受理して良い書類なのだろうか。

え?これを??

う〜ん…蛍先輩のところに回ってきた仕事だし、取り敢えず目の前にいる蛍先輩に聞くしかないか。

今日は蛍先輩に付いて仕事をする日でもあるわけだし。

(どうせこの結論に至るならさっさと聞いておけばよかった…)

「あの、蛍先輩?」

「…?」

アホ毛がクエスチョンマークを作る。

何だかこの光景にも慣れてきたな…。

「えっと、この書類なんですけど…不受理にされていないということは、受理して良いんですかね?」

蛍先輩は自分の目の前の書類から顔を上げ、私の手元にあるお茶会の書類を見る。

「……風紀組織、お茶会(ティーパーティー)?です??ん〜…何でわざわざ風紀組織と銘打っているのです??」

「そうですよね…!私もそこがおかしいと思っていて」

蛍先輩は話が通じるかもしれない。

「別に元からお茶会(ティーパーティー)で良いではないですか」

「はい?」

前言撤回。蛍先輩やっぱりクセ強い。

「この書類では風紀云々というより、お茶が飲みたいと書かれているように見えるのです。それなら最初から小細工せずに素直にお茶が飲みたいと書いて欲しいのです」

「小細工…」

「部室は簡単には用意できないので、諦めてもらうしかないのです。ですが、頻度を月に数回くらいまでにして、自分たちで責任を持ってやるのなら、お茶会を許可しても良いのです」

「そ、そうなんですか…?」

「ですがこの件において場所はかなり難しい問題なのです。でも、私は生徒会の一員として生徒の願いはなるべく叶えてあげたいと思っているのです」

たとえそれが無茶なものであってもですと蛍先輩は言葉を続けた。

「分かりました。では、そのように処理しておきます」

「お願いするのです」

お茶会(ティーパーティー)…か。

表向きは風紀委員だが、実はただのお茶会大好き集団。

大胆なことを考えたものだ。

蛍先輩の思いが無下にされませんように。

私は心の中でそっとつぶやいて、書類をカゴの中に入れたのだった。

いろいろ話したいことが多すぎるのですが、取り敢えずまずは生徒会研修編についてお話しします。

生徒会研修編ですが、最後の蛍先輩のお話が終わったので一応完結という形になります。

一応と書いたのは、この章が生徒会編だからです。生徒会研修は終わってしまいましたが、生徒会での活動はむしろこれからが本番です。

なので生徒会研修はこれで終わったのですが、生徒会編はまだまだ続きます。

でも、物語の一つの区切りであることは確かですので…おまけが今回もあります。

歩友が結局どういう形で生徒会に貢献していくのか、綾目や鏡さんが生徒会研修の間何をしていたのか、蛍の爽の関係性の深掘りなどができるお話を投稿する予定です。

そして、お知らせがもう一つ。

キャラ数がかなり多い作品ですので、キャラの名前や性格、好きなものなどを載せた"登場人物紹介"を作る予定です。

一度に作ると小説の投稿がかなり遅れてしまうので、余裕がある時に少しずつ情報を追加していく形になってしまうかとは思いますが、まったりお待ちいただければ。

そして、仕方のないことですが…本編のネタバレを多く含みますので、見ていただける際はそれを踏まえた上でお願いします。

ではお知らせはここまでにして、ここからは今回の話についてお話ししようと思います。

今回は蛍先輩がメインの回でした。

生徒会メンバーとの関係性や、役職、生徒の願いをなるべく叶えてあげたいという思い。

読む前と読んだ後で蛍先輩に対しての印象がガラッと変わったのではないでしょうか。

最後に感謝を。この作品を見つけて、読んでいただきありがとうございます!

最初に比べてかなり見ていただけることも増えて、とっても嬉しいです!これからもこの作品をよろしくお願いします!!

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