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第九十八回

それを受け取った上山はつくだ教授の動きに釣られ、缶のプルトップを切ってグビッ! っと一口飲んだ。ビターな感じの苦み走った味だ…と上山は刹那、思った。

「これ、私の好みなんですよ。他のは甘いから駄目なんです」

「ほう、そうですか。偶然ですが、私もなんですよ。ブラックじゃあない微妙にビターなのがいいんです」

「味の好みは、さまざまですが、似てますなあ、ははは…」

 二人は妙なところで意気投合した。しばらく雑談を交わし、ひと通り話題が尽きたとき、佃教授の方から主題の話を切り出した。

「とりあえず、先にご説明させていただきます。そこへお座り下さい」

 佃教授はおもむろに助手がいつも座っている回転椅子を指さした。

「はあ…」

 上山はに戻って、その椅子へ座った。佃教授は飲み干した缶をテーブルへ置く。まだ半分方飲んだのみの上山は、手持ちのままである。それほど緊張する要因はないはずなのに、なぜかそのままかたくなに持っているのだった。

「霊波の影響を受けられたんですよ」

「えっ!?」

 佃教授の声に、思わず上山は缶をテーブルへ置いた。

「霊波は霊動感知機でご覧になられたと思いますが、我々の住む人間界に普通に存在しております。電波、電気、そしてそれに伴う電磁波、電磁気などです」

「はあ…」

 上山は学生のような謙虚さでうなずいた。

「まあ、これ以上、小難しいことを上山さんに云ってもお分かりにならないと思いますので簡略しましょう」

「はい…」

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