表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/338

第九十七回

「もしもし、つくだです。この間はどうも…。実はおたずねの一件、どうやら原因がつかめました。おひまな折りに研究所へお越し下さい。ご説明させていただきます」

「ああ、はい。では土、日の周りにでも寄せていただきます。時間は改めて、こちらからお電話をさし上げますので…」

「そうですか。それじゃ、そうなさって下さい。夜間以外は年柄年中、私、研究所にいますから…」

「はい。どうも、ありがとうございました」

 電話を切った上山の心は、急に溌剌はつらつと高揚してたかぶりをみせた。

 上山がつくだ教授の研究所を訪ねたのは日曜の朝だった。前夜、披露宴の文面を考えていたから、少し寝不足ぎみだったが、それでも目覚めたのは六時前だった。それだけ気がかりになっていた、ということもある。研究所へは九時にと云ってあるから、たっぷり時間はあった。佃教授の電話や日曜日に研究所へ行くことは幽霊平林には伏せてあった。どういう訳か、今回は呼ばない方がいいように上山には思えたのだ。日曜の前の数日も幽霊平林を呼んでいなかったから、そう目立った動きではなかった。

「や、来られましたか…」

 佃教授は研究所の中で上山を待っていた。九時には、まだ十分ばかりあった。助手の姿は、この前と違って一人も見えなかった。

「どうも…。さっそくですが、原因がつかめたそうですが!」

 意気込んで上山は云った。

「まあまあ…。今、買ったばかりです」

 佃教授は入口の自動販売機で出した二本の缶コーヒーの一本を上山に差し出しながら笑顔で云った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ