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第九十一回

 辺りに誰もいないことで、上山は現実に起きている異常事態に改めて気づかされた。とはいえ、空腹はどうしようもなく、上山はひとまず食堂へ行くことにした。今までの流れで考えれば、人以外はすべて正常に機能しているように思え、この考えで進めれば、食堂には食事も準備されていることになる。ただ、セルフで配膳をしなければならないだろう…と、上山には思えた。むろん、上山と同年配の江藤吹恵も消えているだろう…とも予想出来た。時間が経過するとともに、やはり一人では心もとなくなり、上山は幽霊平林を呼ぶことにした。

 上山が首をぐるりと一回転させると、幽霊平林がいつものアグレッシブな幽霊さでスゥ~っと現れ出た。今回の場合は意図的にグルリと首を一回転させたのだから、上山も即応体制である。

「おお、君! 待っていたぞ。どうしたもんかな?」

『課長! いきなり、どうしたもんかもないでしょ。ああ、ご苦労さんとか、云いようもいろいろあるでしょうが、呼んでおいて』

「いやあ、これは…。すまん、すまん」

『まあ、いいですよ。で、今は、なんでしょ? 駅の構内から、そんなに経ってないですよ』

 やや不服そうに、幽霊平林は上山の前でやや上へと浮かび上がり、上から目線で上山を見下ろした。

「なんでしょって、分かってるだろ? どうすりゃいいか、皆目なんだよ~」

『はあ…。まあ、おおよそ、そんなことだろう…とは思ってましたが…』

「仕事をするったって私一人じゃなあ。だいいち、決裁する書類を誰も持ってこん。えっ! なにすりゃいいんだ?」

『僕にかれましても…。まあ、今日のところは適当に過ごして、明日に備えて下さい』

「やはり、北枕か…」

『他に、コレ! っていうのが思いつかないれないんでしょ?』

「ああ、まあなあ…」

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