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第六十六回

『はい、それは分かってます。少し慎みます』

 幽霊平林の闊達かったつな口調が、少し大人しく変化した。

「上山さん、今日のところはこの辺で終りとしましょう。お電話を差し上げますから、一週間後にまたお越し下さい」

「はい、私と平林君のこと、何ぶん、よろしくお願いいたします。おい! 君からも頼んでおけよ!」

『課長が云ったとおりです。ひとつ、よろしく…』

「ひとつ、よろしく…と申しております」

「はっ? ああ、はい。私なりに考えてみましょう」

 上山は一礼して研究室を出た。当然、幽霊平林もその横にスゥ~っと付き従った。

『課長と僕以外には、話が通じる人はいないと思ってましたから、よかったですよ、ほんとに…』

「そうだな。まあ、つくだ教授には君の姿は見えんし、声も聞こえてないんだからな」

『それはいいんですよ。とりあえず、味方を一人、得た気分です』

「ああ…。それはいい、教授の口から私達のことが漏れんかが心配だ。うっかり釘を刺しておくのを忘れたからな」

『教授も、そんな口軽じゃないでしょう。そんなことを口外すりゃ、たちまち変人扱いされますから。本人も、佃はおかしくなったぞ、と叩かれるって云ってられたじゃないですか』

「ああ、そうだったな。まあ、大丈夫だとは思うが…」

『それじゃ、僕はこれで…。お呼びの節は、例の仕草でお願いします』

「ああ…」

 研究所の外へ出ると、スゥ~ッ幽霊平林は消えた。辺りは、もう昼過ぎだった。上山は俄かに空腹を覚えた。

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