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第六十二回

 上山の前にいる幽霊平林も、そうだ…と云わんばかりに、腕組みしてうなずいた。

「はあ…、それなら結構なのですが…。それで、そのお友達の霊はどの辺りにおられるのですか?」

「ここです」

 上山は目の前にいる幽霊平林を指さした。つくだ教授は、上山が指さした位置をシゲシゲとながめた。教授に意識して見られた幽霊平林は、思わず頭を下げて教授に一礼した。幽霊が人間に頭を下げて一礼するなどということは前代未聞で初めてのことではないか…と思われた。教授は上山が指さした場所を無意識的に片手で触れようとした。もちろん、教授の指に幽霊平林の身体の感触がある訳がない。

「別に何も感じませんねえ…」

「そうですか? そこにいるんですけどね」

『はい、私はいますよ』

 教授には幽霊平林の声も聞こえないから、いぶかしがるだけであった。

「いや、その感覚がありません。しかし、上山さんがそこまで云うのなら、いらっしゃるのでしょう。現に霊動感知機も反応してますからねえ」

 少し忘れていた助手三人の前の機械を上山は、ふと思い出して見遣った。確かに霊動感知機の装置は反応を繰り返していた。ここにいる幽霊平林のせいであることは、ほぼ間違いない。となれば、この感知機内のゴーステンという物質が霊波の動きを感知したのだろう。上山は佃教授がいる前で、幽霊平林に語りかけようか、どうしようか迷っていた。ふんぎりがついたのは、幽霊平林がひと言、云ったからである。

『課長、もっと僕に話しかけて下さいよ』

「何を云うんだ?」

 思わず上山は口を開いていた。

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