表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/338

第五十八回

「ああ…、そういうことだ。だから君は霊波を教授に送ったあと、すぐに消えてもらっては困るってことさ」

『分かりました。教授が課長の話を信じる、と云えば、とことん付き合いましょう。どちらにしろ、霊界へ戻ったところで、コレという用はないんですが…』

「なんだ、そうだったのか、ははは…」

 上山は、ついうっかり笑ってしまった。助手達としばらく話していたつくだ教授も、いつの間にか黙ってしまい、機械を見続けていた。そこへ上山の笑い声が聞こえたから、何ごとかと怪訝けげんな表情で急遽きゅうきょ、上山の方へ戻ってきた。

「どうかしましたか? 急に笑い声がしましたが…」

「いやあ、ちょっと咳込んだだけです。なんでもありません」

「そうですか…」

 幽霊平林が上山の隣で片手の人差し指を立てて口に宛がっている。その仕草は幽霊というより人間そのもので、思わず上山を笑わせた。

「えっ? なにか…」

「いやいや、別に…。ちょっと、あることを思い出したもので…」

 佃教授は上山を見て、ふたたび怪訝な表情を浮かべた。

「それより教授、ひとつおたずねしてもよろしいでしょうか?」

 上山は、話を終えることで教授の気持をはずそうとした。

「はあ、何でしょう…」

「こんなことを云えば、教授がお笑いになると思いますが…」

「いえ、そんなことはありませんよ。どうぞ、云って下さい」

「では…。あの…」

「はい…」

「私ですね。霊が見えるんですよ」

 上山は冷静な声で、ゆったりと云った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ