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第二十七回

「あっ、課長、どうでした?」

 係長の出水が、さっそく野次馬になって寄ってきた。

「いやあ、大した用じゃないんだ」

「そうでしたか…」

「私がいない間に、何かあったかい?」

「別に、これ、というようなことは…」

 なんだ…と、つまらない表情で、出水は係長席へ戻った。この男、亜沙美と岬に横恋慕していて、岬には地位を利用してなにかとつらく当たるところがあった。

『あいつ、余りよくないですよ、課長』

「ほう、そんなことだったか…」

 ごく最近、幽霊平林に、ことのてん末を話され、一部始終を知った上山である。それ以降、表面上は以前と変わらないように振る舞っていたが、上山は出水の行動を特別、注視するようになっていた。そうはいっても、出水をいつも見られる訳ではない。たとえば、昼食休憩や余暇の時間は、上山といえど、出水に離れず付いていられるはずもなく、出水が岬をいじめる現場を押えることもできなかった。だから岬に直接、そういう事実があるのかを確かめるしかないのだが、岬としては、出水が係長として指示を仰がねばならない人物である手前、我慢していたのである。こうなれば、もう幽霊平林の力を頼らねばならない上山であった。幸い、課内では自分だけしか幽霊平林のことを知る者がなかったことが偶然、上山に味方した。

「岬君。私もね、君達の仲人をする以上、同じ課の君が悩んでいるのを看過かんかする訳にはいかんのだ。ここはひとつ、すべてを話してくれんか! 出水君とのことを…」

「…ご存知でしたか。やはり課長の耳にも入っておりましたか」

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