表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/338

第二十六回

「いえ、社長に云ったんじゃありません! 失礼しました」

 上山は田丸の前へ頭を深々と下げた。

「…んっ! まあ、いい…。平林君が、なにか云ったんだろ?」

「はい、そのとおりで…」

「よしっ! もう、忘れることにしよう。すべてを聞かなかったことにな、ははは…。死んだ社員のことなど、いつまでも気にしとられんわい!」

「はい、仰せの通りで…」

「うん! もういいぞ、上山君。戻ってよろしい」

「はいっ! ありがとうございます」

「なにも君が礼を云うことはないだろうが…」

「はあ、それはそうなのですが…」

 上山は立ち上がると、もう一度、深々と一礼し、社長室を出た。当然、幽霊平林は、そのままスゥ~っと上山に付く。先ほどと同じで、云わば上山に並行して進むといった具合である。

『なんか、面白くないですよ。僕、完全に無視されてますよね』

ひらさん、まあそう云うなって。…今の状況は、お前さんにとってが悪いんだから。いずれ、私がなんとかするさ」

『それって、期待していいんでしょうね』

「ああ、もちろんだ。そんなことより、お前さんと私の因縁の方が分からん…。そっちの方が大事じゃないか?」

『ああ、そうでした。すっかり忘れてました』

 そうこうするうちに、上山は課へ戻ってきた。むろん、ドアを開けて中へ入ると、幽霊平林は跡形もなく消え去っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ