表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/338

第二十五回

「そこに座っているのかね」

「はい…」

 田丸はシゲシゲと眼鏡をいじりつつ上山の右隣を見た。田丸の両眼には、ただの空間が広がって映るだけである。

「う~む…」

 田丸は返さず、無言でうなった。

「ここにいるのですが、社長にはお見えになりません。ですから、私の云う内容は絵空事で。しかし、今のボールペンの転がりは、単なる偶然ではないとだけは申しておきます。現に平林君がゆっくり抜いてテーブルに落とすのを私が横で目の当たりにしてるんですから…」

「なるほど…。君が云うのも一理ある」

 田丸は両腕を組み、目を閉じると考え込んだ。

「そんなに悩まれることじゃありませんよ。私が云ったことは、なかったことにして戴ければ、それでよろしいではございませんか」

 上山は、少し胡麻擂ごますり顔で笑いながらそう云った。

「そりゃそうだが一端、聞いたことを、だよ、君」

「そのうち忘れられますよ」

「そうかねえ」

『そうそう…』

 その時、幽霊平林が気楽に相槌を入れた。

「君は、黙ってろ!」

「なにぃ! 黙ってろ、とは誰に云ってるんだ!!」

 田丸が一瞬、怒った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ