表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
222/338

二章 第百四回

 上山はそう云うと、食べ終えた食器を持って洗い場へ行った。

『急がれなくて、いいんですか?』

「ああ…、今日は十一時に得意先とのプレゼンテーションと接待だしな」

 上山が、いつもとは違い、急いでいない訳が分かり、幽霊平林は、なるほど…と得心したが、そんなことを考えてる場合じゃないと、すぐさま自分の散漫な心を反省した。念じるには心を集中させねばならない。上山は、そんな幽霊平林の心をおもんばかってか、それ以後は声をかけず、ひたすら食器を洗った。部屋の時計は八時近くを指していた。十時を回った頃に家を出るとして、まだ二時間ばかりある。この二時間があれば、幽霊平林に念じてもらうのは十分である。結果は、ともかくとして、内乱と紛争は解決に向かうだろう。他の民族間争乱、宗教対立による紛争などは次回以降に回すとして、すべての課題のうち、その一部を解決し、正義の味方としての最初の活動を成功させたといえる。上山としては初めての感慨であり、幽霊平林にとっては、霊界番人へ伝えられる初の成果と云えた。

『では、念じます!』

 改まった声で幽霊平林が云い、如意の筆を手にして両瞼まぶたを静かに閉じた。上山に瞬間、緊張が走る。そして二分、三分と時は流れ、五分ばかりが経ったとき、幽霊平林はふたたび両瞼を静かに開くと、如意の筆を二、三度振った。この光景は上山も何度か目にしていていた。

『終わりました…』

「そうか、終わったか…。で、どうだろう?」

『それは僕にも分かりませんよ。いずれ、結果はマスコミに大きく報じられることでしょう』

「それまでは分からんか…」

『ええ…。なにせ、今回は規模が広いですから…』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ