二章 第百二回
「そうか…。念じただけで効力が及ぶなら、何の問題もない。どんどん君に念じてもらおう」
『課長、そう押しつけないで下さいよ。僕も考えて念じないといけませんから。なんたって、念じたとおりに物事が進行するなら、僕にも責任がありますからね』
「そりゃ、そうだな。いや、私も軽はずみだった。念じる内容は二人で考えんとな」
『ええ、課長にも内容は考えて戴かないと、僕が霊界司様に怒られますから。なんたって、霊界トップの命令なんですから…』
「そうだな。君の将来にもかかわる。まあ、会社の出世とは意味合いが違うが。ははは…」
軽い冗談で上山は場を和ませた。
『からかわないで下さいよ』
幽霊平林も思わず陰気に笑いそうになった。
「だな。で、まずは、どうするかだが、ケント紙に書いていくか…」
『いつやらも課長、書いてましたね』
「ああ、そんなこともあったなあ…」
上山は、しばらく前の自分を顧みた。
『今回は、そんな悠長に構えてられませんが…。なにせ、アフリカの諸国情勢は日々、刻々と変化してますから…』
「いや、君な…。私は、念力の及ぶ範囲が無限にして無上なら、もっとグローバル、つまり地球規模で念じればって思うんだ。しかも態々(わざわざ)、そんな危険を冒して飛ぶ必要もないんじゃないか、ってことになるぞ」
『あっ! そうでした。ここからでも、いいんですよね?』
「そうだよ、君。念じる内容だけ正確にすりゃ、私の家からだってOKなんだよ」
『マソリアに現れましたが、そんなことする必要、なかったんですねえ』
「ああ…。馬鹿なことをやってたよ」
『はい。無駄な動きでした、確かに…』




