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二章 第百一回

 俗世の大悪を滅せよ、と霊界司に命じられたのだから、霊中の霊といえる幽霊平林なのだが、それがなぜ自分なのかは、今もって分からなかった。しかし、まあ、いいか…と幽霊平林は思った。考えてみたところで、所詮しょせんは分からぬこと、なのである。

 次の朝が巡り、七時半となった。幽霊平林は霊水瓶がめを時折り確認し、七時よりは少し早めに人間界へと現れた。場所はもちろん、上山の寝室である。ところが、すでにベッドはもぬけからで、上山の姿は寝室にはなかった。ベッドに置かれた目覚ましの針は七時十分過ぎを指していた。幽霊平林が早いと思っていた時間は、二十分ほどの誤差で想定より遅れていたのである。七時十分を回れば上山が起きているのは当然で、すでに洗顔を済ませ厨房キッチンにいる頃だった。幽霊平林は少しあわてぎみにスゥ~っと透過して厨房へ急いだ。幽霊平林の予想どおり、上山は朝食のトーストを焼いていた。

『課長! おはようございます!』

「…んっ? おお、君か、おはよう。偉く早いな。昨晩の今朝だし、何かあったのか?」

『はい、課長のお耳にだけ入れておこうと思いまして…』

「ほう…、なんだ?」

『効力の話です、念力の』

「ああ…如意の筆の話な。その有効範囲か?」

『そうです。きのう戻ってから霊界万よろず集で調べたんですよ』

「なんと書いてあった?」

『肝心なところだけ云いますと、効力は無限にして無上、とありました』

「…、ということは、どこにいたって無上で無限の霊力を維持できるってこったぜ」

『ええ…どうも、そのようです』

 幽霊平林は少しダレていた。

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