表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
172/338

二章 第五十四回

 霊界に戻った幽霊平林は、霊界番人と話をしていた。幽霊平林からは霊界番人を呼び出せない以上、上手い具合に霊界番人が現れてくれたことは、彼にとって千載一遇のチャンスといえた。

『あのう…、番人様は、この前、人間界の社会悪を滅せよ、とか仰せになり、この如意筆にょいふでお授けなさいましたが、その社会悪とは詳しく申せば、どのようなことなのでしょう?』

『おお…、そうよの。少し言葉足らずだったと案じてはおったのだが、やはり、そのことか。社会悪とは大悪である。一般人の、いわゆる普通に社会生活を営む者どもには関係がない』

『そう云われますと?』

『のさばった悪の退治よ。悪がのさばり、人の正義がついえれば、世は暗黒の時代へと突き進むであろう。よって、何が何でも、そうした事態を、そなたがもう一人の男と叩きつぶすのだ!』

『そう云って戴きますと、得心出来ます』

 幽霊平林はプカリプカリと漂いながら、光の輪へ向って静かにそう云った。

『そうか…。では、な』

『お待ち下さいまし。それで具体的には、どういったことでしょう。例えば、どのような?』

『そうよのう…。我は霊界司様の番人に過ぎぬゆえにどうのこうの申せぬが、例えばじゃが、人の心がすさむゆえの犯罪とかのう。ああ、そうそう。如意の筆を示し、言葉を念じればその物が、さらに黙して振れば地球上のものが消えるであろう…』

 その言葉が終わるや、光輪はたちまちにして消え失せた。

『あっ! …』

 幽霊平林にしてみれば、まだたずねたいことはあったのだ。それは、霊界番人との出会い方である。未だに一方的で、幽霊平林は、ただただ光輪が降り注ぐのを待たねばならなかったから、思うに任せられなかったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ