二章 第四十一回
「では、報告しますが、昨日の時点では、やはり少し効果があったようで、揺れが少なからず小さくなったということですが、まだ顕著な効果とまでは云えないと…」
「なんだ、ややこしい云い回しだのう。要は、少しは効果が認められるが、まだ、はっきりしない、ということだろうが…」
「はい!」
「初めから、そう云えばいいんだ」
「すみません」
「なにも謝らんでいいがのう」
滑川教授は怒らず上山を宥めた。
「はあ…」
「まあともかく、あと一週間ほどは連絡してくれ」
「はい、分かりました」
「このデータによっては、君が口にして見えなくなるってこともあり得るんだからな」
「はい。出来ればそう願いたいんですがね。…平林に会えなくなるのは寂しい限りですが…。それと、明日は夜八時頃に…」
上山は、そう云うと携帯を切った。駅ビルが目の当たりに迫っていた。
その次の日の夜、上山は幽霊平林を呼び出し、昨日と同じように中位相処理されたマヨネーズの飲用後の変化を訊ねた。
『いやあ、これは大したもんですよ。昨日からですから、朝昼晩で六回ですよ。さきほども口にしたところですが、抜群の効果です。もう、ほとんど動きません』
「えっ? どういうこと?」
『ですから、ほとんど動かないんですよ。…止まれる、って云った方が分かりやすいんですかね?』
「ああ、そういうことか。止まれるようになったってことだな」
『ええ、ほとんど、ってとこです。まだ完璧とまではいかないんですけどね』




