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二章 第四十二回

「いや、それはすごい成果だろう。たった二日で、さ。教授だって一週間から十日は、かかるだろうって踏んでおられたんだからな」

『はあ…、そうですね』

 余りテンションを上げない幽霊平林は、上山の言葉に軽く相槌だけを入れた。

「まあ、とにかくその調子で、もう少し頼むよ。ああ、そうそう。滑川なめかわ教授に連絡するのは、朝から夜にしたから」

『はい…。じゃあ、少し前に寄ります。都合ですか?』

「そう、朝はくからなあ」

『なるほど、分かりました。それじゃ』

「君も少しは眠れる、いや、休めるだろう」

『ああ、はい…。少しは気分を休められます』

 そう云い残し、幽霊平林はいつものようにスゥ~っと格好よく消え失せた。

 ここは霊界である。スゥ~っと戻った幽霊平林は、とにかく自分の住処すみかへ戻ることにした。疲れはないが、少し気分が低いのだった。こういう日は早めに寝る、のではなく止まるにかぎる…と踏んだ訳で、他意はなかった。この日も住処は誰が訪ねるでもなく、ひっそりと陰気さを倍増させて存在していた。崩れかけたボロ小屋が、いっそうその感を深くするが、幽霊平林は幽霊だから怖くはない。中へ透過して入ると、幽霊平林はマヨネーズをペロッ! っとひと口、飲み込んだ。その時、光輪がにわかに上の彼方から降り注ぎ、住処の小屋を直射した。幽霊平林は、マヨネーズを飲み込んだ直後だったから、思わずむせた。酸っぱ味とかの味覚がない分だけは救われたが、それでも何事だ! とばかりにギクリ! とさせられた。やがて、この前と同様、「霊界番人様だ!」とは思えたが、その目的が、どこか不気味に思えた。

『おお、平林か…。今日、やって来たのは、この前の返答じゃ。霊界司様のご指示は、しばらくの間、そなたの様子を見よとのお達しである。よって、そなたが俗世の姿で漂うこと、しばし許されたと考えよ。では、のう…』

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