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二章 第四十回

思わず上山はワイシャツのネクタイを緩めた。その緩めたタイミングが丁度、七時半と重なった。これはもう偶然、などとは云えない! と上山には思えた。当然、上山がネクタイを緩めた瞬間に幽霊平林が現れた。この朝は幽霊の決まりポーズではなく、片手に霊界のメモ帳を携えていた。空いたもう片方は、幽霊ポーズをかろうじて維持していた。霊界番人が指摘したように、本来なら人魂の形態であらねばならないものが、幽霊の形を保ったまま死に続けている平林だった。

『お約束の報告です。え~っと、ですね。少なからず揺れは小さくなったように思うが、未だ顕著とまでは云えず、です』

「うーん、もう少し平たく云ってくれよ。なんか今一、伝わらないんだよな、堅くって。下手な小説じゃないんだから」

『いやあー、参ったなあ。課長もなかなか云いますねえ。僕の早とちりです。堅い方がいいんじゃ…と思ったもんで』

「別にいいんだけどさ。朝のこの時間帯だろ? 手っ取り早く聞いて、手っ取り早く頭に詰め込みたいからな。教授に携帯しやすいようにさ。会社へ出る前だから、そう時間もないんだ」

『ああ、お時間ですか…。なんでしたら夜の七時半でもいいんですけど。その方が課長もよろしいでしょ?』

「ああ、そうしてもらえたら有難いがな。君はいいのか?」

『はい、僕が忙しい、ってことは、あり得ませんから…』

「ふ~ん、そうなんだ。それじゃ明日からは夜の七時半で頼むよ、ごくろうさん」

 そう云い終えるや、上山は椅子を立った。家を出る時間には、まだ少しあったが、気が急いたのか、上山は家を出た。そして、駅へと歩く道すがら、携帯を握った。

「あっ! 滑川なめかわ教授でいらっしゃいますか? 私、上山です」

「上山? おお! で、どうだ?」

「はい、昨日の報告を聞いたところなんです。今、よろしいでしょうか?」

「ああ、私はいつでも構わん」

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