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二章 第三十九回

そうだとすれば、期待が持てるのだ。マヨネーズの飲み込みは、彼にとって不安というよりは、少し楽しみに思えていた。あとは、ほどよい時間を意識的に探れば事は足りた。そう思うと、幽霊平林は霊界のメモ用紙に経過の記録を書くことにした。そして、さっそく今、口にしたことを記した。筆記具は霊界鉛筆である。もちろん、ボールペンもその他の筆記具、いや、人間社会で一般にある物は、食べる物だろうと店だろうとすべてがあった。ただ、頭に霊界の二文字が付くことと、ネーミングが陰気だということのみの違いはあった。

『そうだな…、この小屋にも霊界時計は一個いるな…』

 幽霊平林は独りごちた。2Kmほど飛べば、霊文具の専門店、弔文屋ちょうもんやがあるのだが、今のところ霊界鉛筆で事足りている幽霊平林なのだ。もちろん、霊界万年筆や霊界ボールペンも持っているのだが、人間界からどういう訳か死んだときにこちらへやってきたもので、理由が分からない幽霊平林だった。

━ 少なからず揺れが小さくなったように思うが、未だ顕著とまでは云えず ━

 幽霊平林が、最初に記したのは、この二行である。それ以上の変化は、これといってなかった。とはいうものの、一応の効用はあったようだ…とは思えた。止まれないものの、少し揺れが小ぶりになったような感覚だった。明日の朝七時半には上山のところへ現れて、報告することになっている。

 その頃、上山は軽く一杯ひっかけて、そろそろ眠ろうか…とベッドに入ろうとしていた。幽霊平林の報告は会社へ出勤する前だから、少し早めに寝ようと酒をひっかけたのだ。結果は爆睡である。幽霊平林の出現から片時でも解放されたという安堵感もあった。

 次の朝、上山は酒を引っかけたにもかかわらず早く目覚めた。心の奥底に七時半! という約束の時間が刻まれていたに違いない。いつものように手馴れたパターンで出勤までの家事プロセスを済ませ、フゥ~っと、ひと息ついた。

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