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二章 第三十六回

『おお、これは…。僕が手に出来た、ということ自体、成功ですよね』

 幽霊平林は陰気にニヤリと笑った。

「君な…、そう喜ぶもんじゃない。問題は、これを食後に一日三回…、君の場合は食後の部分を除外してだが、…とにかく口にして、果して止まれるか、だろうが?」

『ええ、そうでした。すみません』

「別に謝るこっちゃないがな。一週間から十日、これを口にして、様子を報告してくれ、と滑川なめかわ教授の伝言メモが入っていた」

 幽霊平林は素直に上山の言葉を受け入れて聞いた。

「君は、すぐ謝るな。別に謝るこっちゃないさ。ただ私は、教授に頼まれたことを云ってるだけだ。ほら、これにそう書いてあるだろ」

 上山は滑川教授がメッセージで走り書いた紙を幽霊平林に見せた。

『ああ…確かに。で、僕は、どうすりゃいいんですか?』

「そうだな。いちいち君を呼び出してたずねる、というのも面倒くさい。よし! 十日の間は手首をグルリと回さなくても君の方から現れてくれ。そうだな…、会社へ来る前がいいだろう。七時半ということにしよう。それで、どうだ?」

『はい! 分かりました。じゃあ、そういうことで…。七時半に現れて、前の日に変ったことがあれば報告します。…あればって、なきゃ僕が止まれないままだから困るんですよね…』

「大丈夫、大丈夫。きっと上手くいくさ。自信を持っていこうじゃないか、平林君!」

「はい!」

 二人はそう云って、気を引き締めた。

「それじゃ、すぐ帰ってやってくれ。…帰ってというのも妙だな。戻って…、これもおかしい。まあ、とにかく、あっちへ行ってやってくれ。…やはり、あっちとこっちがいいなあ」

『はあ? なにを云ってられるんです?』

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